東京島

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104667024

感想・レビュー・書評

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  • 続きが気になって気になって、本を手放せなかった!
    極限状態にさらされたときの人間の行動や、異常な精神状態がリアルに描かれていた。


    ラストがまた良かった。
    チキとチータはどちらの立場にもなり得た。一瞬の出来事で、人生に雲泥の差が生まれてしまったわけだ・・・。

  • 第44回谷崎潤一郎賞受賞作。


    “32人が流れ着いた太平洋の涯の島に、女は清子ひとりだけ。いつまで待っても、助けの船は来ず、いつしか皆は島をトウキョウ島と呼ぶようになる。果たして、ここは地獄か、楽園か?いつか脱出できるのか―。食欲と性欲と感情を剥き出しに、生にすがりつく人間たちの極限状態を容赦なく描き、読者の手を止めさせない傑作長篇誕生! ”―帯より。

    〔第1章〕
     1 東京島
     2 男神誕生(おとこがみたんじょう)
     3 納豆風の吹く日

    〔第2章〕
     1 棄人
     2 夜露死苦
     3 糞の魂

    〔第3章〕
     1 島母記
     2 イスロマニア
     3 ホルモン姫

    〔第4章〕
     1 早くサイナラしたいです。
     2 日没サスペンディッド
     3 隠蔽リアルタワー
     4 チキとチータ
     5 毛流族の乱

    〔第5章〕
     1 有人島


    久々に桐野夏生。単行本発売時に、平積みされてて気になってて、映画化を機にようやく購入(最近このパターン多いなぁ)。読む前に映画のキャスティング知ってたから、清子のイメージはずっと木村多江でした。
    で、読了したら映画の劇場公開終了してた…。

    この作品、実際にあった『アナタハンの女王事件』をモデルにして書かれているみたいですね。

    裏切り・欲望・狂気…人間の本能的な部分が描かれていて、えげつない感じ。人間の本性って、コワいわぁ。
    でも読後感は悪くなかった。ラストはちょっと意外な感じ。

  • あらすじを読んで、面白そうだなと思った。

    無人島に、大勢の男たちと、たったひとりの女。

    ちょっと気持ち悪い描写があって、好き嫌いが分かれるところかと思うけど、わたしはけっこう面白く読んだ。

    実際、主人公の立場になったらどうだろう・・・

    かなり怖い。

  • 映画のCMを見て、小説を読んでみたいと思った。個人的には、意外と楽しめた。ただ、『白豚』は嫌だなぁ。。

  • 映画になったときから気になってたのをやっと読めた。初、桐野夏生さん。
    無人島でのサバイバル、唯一の女性である清子をめぐる人間模様、文明から離れ、次々本性がむき出しになっていく島民たち。サバイバルものって結構好きなので楽しめました。桐野夏生の書く女性はえげつないという噂を聞いていたのでどんなのだろう思って読んでましたが、まぁ噂に違わず強くたくましくえげつなく、それでもしぶとく生きる清子にはすがすがしさすら感じました。オチも自分的には面白いと思った。
    しかし白豚女とののしられるような清子と映画で清子役を演じた木村多江さんがあまりにもイメージが違いすぎてどんな風に演じたのかすごく気になりました。映画もいつか見てみたいな。

  • 無人島に残された32人の中でたった一人の女。
    前半はすごく面白くて読めたけど、最後はちょっと?
    もっとはでな終わり方(全員死ぬとか助かるとか)をしてほしかった。

  • 遭難してたどり着いた無人島を東京島と呼び、新たな文明を作りながら日々を送っていく20名あまりの人々。

    唯一の女性、清子。様々な男性を利用して、自分が、自分こそが中心になるべきと、奮闘する。。

    極限状態でそんな事を思うのだろうか?でもそんな清子だったからこそ、生きていけたのかな?

    面白いラスト。二つのエピソード。それぞれがそれぞれの幸せにたどり着いたのでしょうか。。

    漂流者となってしまった人々のそれぞれの人生が書かれてて面白かった。でも、清子の性格は。。。島に来て変わったと書いてあったが、本当にすごかった。。

    もし私があの島で清子と二人だけの生き残った女性だったら。。。絶対真っ先に殺されてだろうな。。。。良かった。。。。

    桐野夏生さん、実は初めて読みました。

    テレビで見た「out」が恐ろしくて今まで読んで見たことなかったのですが、
    意外性があって面白い話を書くのですね。。。。何事も読んでみるものだわ

  • 無人島に漂着した男たちとその中でたった1人の女性・清子。
    それぞれがいろいろな欲望を丸出しにしながらどう生き残るかを描いています。

    みんな様々な欲望をかかえて助かるまで生き抜こうとしますが
    女が1人ということでやはり性に対する欲望を表している部分が見所だなと思います。

    また島での生活が長くなるにつれて露になる人間の汚い部分がリアルに描かれていると思いました。

    結末はわりとあっけないなと思いましたが、最後まで島に残された人間の存在を明かさないワタナベと清子に本当の恐ろしさを感じました。

  • 映画はいまいち

  • この本は、以前から興味がありました。
    先日お世話になった美容院のご厚意で拝借し、本日読了。

    一言で言うと


    にゅ~


    というぐらい、胸くそ悪く(言葉汚く失礼)なる小説で、素晴らしいと思います。
    ここまで胸くそ悪くなれる小説は久しぶりに読みました。

    原作を読んで、さらに映画は気になりますが、今はまだ勇気が出ないですね~

    そのぐらいパワーがあって、素晴らしいです。

著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

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