イケズの構造

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104675029

感想・レビュー・書評

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  • 随分前に「怖いこわい京都」を読み(ほぼ印象なし)最近「イケズ花咲く古典」を読みましたが、イケズ花咲くが驚くほどに良かったのでこちらも読んでみた。

    結果私にはちと合いませんでした。

    古典名作の天才作者たちによる「イケズ」なら楽しく読み進められるものの、単に市井の京都人のイケズぶりを紹介されても「京都という土地に生まれ育ったことを殊更に自認しすぎるが故の空回り」的な。近い土地でいくと大阪の過剰なボケとツッコミみたいな。(真の面白さを持つ大阪人と、ただ大阪に生まれ育ってボケツッコミに慣れてるだけの大阪人の事例が混ざって出てくるみたいな)
    もっというと。。。なんていうんですかねぇ。うまく伝えられないんですけど。例えば近所に広瀬すず、綾瀬はるか、石原さとみ、北川景子、ちょっと行った先には岸恵子、吉永小百合、佐久間良子、松坂慶子なんかが住んでるとしましてね。で、ただ近所っていうだけ、美人の近くに住んだだけ、美の神からは一瞥もされたことのない人達が「我々が持つ美人文化というのは」とか言われても「???」って感じに。んー。どう言えば私のココロのモヤモヤが伝わりますかね。それとも文化っていうのは上から下に降りてくることが多く、いつの間にか全体のものになったりするから美人文化であっても全体に広がるもんなんですかね。いわんや京都文化をや。
    そういえばアメリカでは富裕層がつける変わった名前ランキングが20年ほど経つと貧困層名前ランキングに瓜二つっていうデータを見たことがあります。(貧困家庭で育った人達が憧れの名前を子供につける)そういうもんなのね。じゃまぁいいか。
    冒頭で著者が「(世間で毒舌とされるものは)当たり障りのない話にピリ辛の味付けをしただけ。その場だけ。マジで辛い当たり障りまくりの話を糖衣に包んで食べさせるのがイケズのワザ」とありますがまさにその通りと膝を打つんですけど、文中で紹介されるのがそのぉ、その場限りの味付けモノが混じってるような。もう少し「イケズ」の定義を上側に狭くする必要があったのでは。

    人間はそもそも意地悪のろくでなしのクズだし、京都の人達が自ら面白がって文化として継続してくれてることは有難いんです。ただし私にはちと「広すぎ」ました。

  • 社会

  • f.2023/12/16
    p.2005/3/1

  • 1000年以上をかけて練り上げられた排他術。
    せめてディベート的なアレンジをして外交に役立てるとかしてくれないと、無くなってもいい文化のように感じてしまう。
    古典を読み解くための方便という見方はとても面白い。「イケズで読み解く源氏物語」は企画としてアリ。
    現代の用法はただ、田舎者を馬鹿にするための手管として残っているに過ぎないように思う。

  • この本を読もうと思ったのは、先日京都の五山送り火」の一つ「大文字」の護摩木として、東日本大震災の津波で流された岩手県陸前高田市の松を使うことを大文字保存会が計画したところ、どえらい反対にあって中止になったニュースが流れたとき「イケズやなぁ・・」なんて人様が呟くのを聞いたせい。そうか、こういうのをイケズというのか・・・ちょっと興味がわいた。

  • ひとことレビュー: 痛快!京都の文化学!しかし、ご本人はロンドン在住の不思議。

  • 著者も言うように「イケズ」はギャグに通ずる。というよりもギャグそのもの。ただ、受け手を選ぶ高度さをはらむ。

  • 痛快。この一言に限る。京都人は怖くないよ。

  • シェイクスピア、オスカー・ワイルド…あぁ、自分がイケズに惹かれる理由はこれか

  • 京都人以外の人が感じる「イケズ」の正体。京都人の筆者が例を挙げて解説してくれはります。その例が可笑しくて。この本を正しく理解すれば京都は怖くなくなる(?)

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