- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104702022
感想・レビュー・書評
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茂木さんは、博学だけど、聡明ではないと思った。笑
佐藤雅彦さん、内藤礼さん、リリーフランキーさんとの対談がおもしろかったです。
ユーミンとかリリーさんとか、
欝体質なんだって。人間はずっと不安でいていいし、
その葛藤がが生きているということなのかな。
●佐藤雅彦
「誰それの知り合いだとかいう、人と人との関係しかなくて、さらにそこにモノ(所有物、ブランド)との関係性が付加されて、ずっと育っていって、あれ、自分って本当は何が好きで、何をやればいいんだろうって不安になってでも自分の中には何もない。なにをやればいいかもわからない。自分がからっぽなんです。それはそう。他人にどう見られてるとか、あるブランドを持っているからという【人とモノとの関係性】だけで自己を規定してきて、自己の内側から沸き起こる、これが好きだ!これが楽しい!っていう充実した状態である【】ステュディオス」状態を経験せずに生きているわけだかあら」
「ほんとうになんでもいい。ステュディオス状態になれることを持っている人って、自分を充満させる方法を知っている。ただマニアは誰かが作った舞台で遊んでいるだけだけ。昆虫採集は大自然、宇宙と対峙している」
「言葉になっていない気持ちや状態を新しい言葉を含め、何か新しい表現にしていくのが楽しい。他にもまだ言語化されていない新しい現象や仮説を見つけるのも楽しい。」
「どれくらい【気づき】があるかが人生の幸福の度合いなんです。気づくというのは自分が変わることだから。気づくだびに自分が一段、階段を上れた気になる」
「友達がたくさんいる必要ってそこまでないんです」
「顔が広い人間よりも、自分というものをちゃんと持っている人たちの方が確実にいい仕事をする」
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「人間ってきれいなものに囲まれて生きていると悪いことを考えたりへんなこともしない。それらは世界をぎすぎすさせないための、ものすごく大切なもの」
「人の心の中にある美しいものは、見ることも触ることもできない、記録することもできない。つまり保存できない。すごく瞬間的なものだったり、心の中の美しいものを見つけたその人にしかわからない。その人が死んでしまえば、本当にあったのかどうかもわからない儚いもの。本当に美しいモノだって気がする」
「言葉が発達するにつれていろんな大事なものが抜け落ちてきちゃった。言葉にしやすいもの、わかりやすいものから言語化されていったのかもしれない。言葉にしにくいものってのは、きっと言葉にならないまま忘れられてきたのかも」
「私自身が小さなことをずっといつまでもいつまでも考え続けるたちなので、なんだろうと、自分なりに考えたり、感じたりする時間という自由を、いま多くの人が忘れてるのかなって気がしてるんです」
「現代人って大きいものや強いものに目を奪われがちで、そうでないと生きていけないんだけど、同時に小さくかよわいものがそこに存在してるんですよ。世界のそうしたあり方に気づけるかどうかっていうのは人生を豊かにできるかどうかの境目なのかもしれない」
「みんな探してる。自分の幹はなんだろうと。仕事だったり、大切な何かだったり、人だったり。でもそれは自分が一人になったときに支えになるようなものじゃないと難しいよね。自分がこうやって世界に裸で生きている、ただ一つの心と体をもって存在しているってことの中に見つけ出さないと最後は厳しいことになると思う。他者がいないと生きていけない。でも一方で、すべてないとしたうえで、この地上で生きていくためのなにかを見出そうと思うんです」
「自分にしかわからないモノや成果を作るための時間をどう一生懸命に誠意を持って過ごしてきたかで、他人からの評価はわりとどうでもよくなる。自分が胸を張って過ごせた時間ならそれでいいじゃないですか。」
●小野塚秋良
「これへんかも、って気持ちはどんどん着続けるうちに減っちゃうし薄れていく。そうやっていろんな服を着ることが、人生のひとつの旅」
●いとうせいこう
「声って声だけじゃなくて、息があって音があって、間合いがあって、そういう要素が複合的に絡みながらひとつの声になる」
「その声にどう乗るっていう違い。愛してもいないのに 愛してる って言ったときと、愛してるときに 愛してる って言うときに違いが出るのは声にいろんなものが乗っているから」
「多面的な経験を持っていないと、どうしても決まりきったスクウェアな発想しか出てこない」
「月の光で裁くのサボテンを見ているだけでもわかるものってある」
●ユーミン
「クリエイターって情念の世界とモダンな洗練された世界、その両方を持っていないと、いいものが作れないんじゃないかな女性性と男性性と言ってもいいのかもしれないけど」
「音楽をやっていてよかったなぁと思うのは自分の中の怪物をうまくアウトプットできることだと思うんですよ。自分の中にいる怪物が暴れもがいても、でも出て行く出口があるというのはいいこと」
「メタ認知状態っていって(第三者視点で自分を見る)、バランスを取れない人がその状態を繰り返すと向こうにいっちゃったままになる」
「ファンの人は私をすごく安定した人のように見るけれど、けっしてそうじゃない。いつもいろんなことを考えていえて、ああこのことを徹底的に突き詰めると廃人になっちゃうだろうなぁとか。孤独について考えたり。曲ができないときはとくに考えたりして苦しい。私はものこの世に用のない人間なんだって」
●菊池成孔
「音色が黄色に見えた。特定の文字には特定の色がある」
「目的に沿った行動を絶対としないで、そこからつねに逸脱がある。食べるための食べ物が、いつのまにか遊ぶためのおもっちゃになるとか。クリエイターにとってはそういう寄り道、効率ではないものが大切」
●天野祐吉
「対象を育て、なおかつ自分を高めるためにはある種の異化活動が必要。批評って言うのは対象が別の見え方にある行為だと思う。それって我々が世界を認識するためにつねに行っている異化作用ということ」
●リリーフランキー
「先送りにしてることってまずやらない」
「美大に行って絶望したのは、自分の中では美大にいる人ってもう少し世捨て人なのかと思ったのに、就職へのステップとして来てる人が多かった」
「その一方ではみんなアーティスト気取りで、その気取り方がいや。自分でなにかをやっているならいいけど、そうじゃない。自分はこの音楽が好きだからアーティスト、この絵画を認めているからアーティスト、人の借り物で武装してアーティストを気取っている」
「病気というのは生命の究極の姿。生命が死に対して、必死に戦っている状態。どん底にいる感じとか、現実を先送りにして落ち込んでいる状態っていうのもある意味エネルギーを放出して戦っている状態」
「幸せとか自由はとじこめられないとわからない」
「ホメタスタシスというか。よっぽど強い芯がないと変わることには耐えられない。自分は変わるってはっきり宣言できる人って強い人だと思う。クリエイターの人で、どんどんスタイルが変わっていく人って、それが変わること自体が重要なんじゃなくて、むしろ変わらない何かが自分の中にあるからこそできる」
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茂木健一郎さんと10人のクリエイターの対談集。
茂木さんが相手の右脳的な言葉をすくい上げて、左脳的に変換していくのが面白い。
読むときの自分の興味関心の対象や、そのときの心境によって、気にいるパートが異なりそうで、折に触れて読み返したくなりそう。
私は、佐藤雅彦さん、内藤礼さん、リトルブリテン、リリーフランキーさんの回の言葉やエピソードが、いまの自分にフィットしていた。 -
[private]以前読んだ本を再読した。
2年位前に取り上げた気もするけれど、そんなわけで再掲します。[/private]
<blockquote>
ジェフ・ミルズと鼎談するという企画があって、話はおもしろかったんだけど、ぼくが最後に「日本のクラブシーンをどう思う?」って訊いたら、彼がぼろっと本音を漏らして、日本のクラブ・シーンをクリエイティブなシーンだとはまったく思ってないんですよ。なんでも貪欲に取り入れるスーパーマーケット的な見方をしている。
『芸術脳』(P.105)
</blockquote>
この鼎談というのは『One Man Spaceships』(2006年)発売時におそらく青山ABCで催されたモノだ。
公開で行われたその鼎談を聴いていたのだけれど、そういう発言はなかったと思うから(相当ドキっとする内容だから忘れると思えない)、鼎談後の楽屋で交わされた会話だと思われる。
少なくとも茂木健一郎は"スーパーマーケット"というのをネガティブな印象に捉えているようだ。
茂木健一郎とヒロ杉山の対談の流れに沿うとそのように読めるけれど、ここだけ抜き出してみると、日本のクラブ・シーンを腐しているわけではないのかなぁ。
スーパーマーケットのように様々な食材が手に入る反面、市場から直送されたような新鮮な野菜や魚のようなモノはない……という風にも読めるし、お気軽すぎるという意味にも捉えられる。 -
菊池成孔さんとリリーさんの対談が好きでした。どなたとの絡みにもフラットについていける茂木さんに脱帽
聞き上手だけじゃなくって自分のことものせつつ知識もふわっときておなかいっぱいの一冊
菊池さんのはじけ具合にびっくりだけどあれがデフォなのやろうな
音響派の話はもっと聞きたい
クロノスからイーオスまで
ライブ中にリビドーにひきつられたのっけからの話は何度も読んでしまう -
とにかく茂木さんが様々な芸術の分野に精通し知識の深さや物を考える視点の多様さに驚かされました。こういった人は私の周りにあまりいないので、人ってここまで勉強したりものごとを追求したりすることができるんだという感動もありました。
わたしはピアノを演奏するのがすきなので、松任谷由実さんの「音楽で質感を伝える」という一文が印象に残りました。 -
内藤礼との対話、読めてよかった
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クリエイター10人と茂木さんの対談集。
ひとりひとり自分の中の面白いことを持ち寄って仕事をして、この対談もしてるんだなあと思うとなかなか興味深く読めた。
不満もちゃんと自分の中で整理して、こういうことなんだって思うことで大人たちは何かを生み出してんだろうなと思う。
菊地成孔めあてで読んだけど結構面白かった。 -
茂木さんはずっと気になる存在の方で、
脳の事を沢山知りたいから、まずは対話集から読ませて頂きました。
10人のクリエイター達との対談。
難しくて理解出来ない所も沢山あった。
やっぱり才能あるクリエイター達は、考えてる事が違うな~
でも、それでいいんだよね!と納得でき安心できる所もあった。
まだまだ沢山いろんな事に触れていかなければと思ったのでした。 -
松任谷由実や菊地成孔の対談を中心にかいつまんで読んだ。ユーミンの対談は面白い。「自分の脳内で自傷行為してファンタジーを作り出してるんですね(趣意)」ってすげーヤバいことだし、一歩間違えば精神病だと思う。それを乗りこなせてるから天才なんだと思う。
茂木健一郎の言葉は生きている。言葉をキャッチーでボップな言葉に変換して、万人に共有させるのが上手い。パッケージングの天才。カオスの中に文脈を見出せる力がないとこれはできない、しそれが彼のいう創造性なのだろう。 -
茂木さんってテレビでしゃべってるのをみてても思うんですけど しゃべろうとしている事よりもしゃべるって行為のほうが遅くって 考えてる事のほんのちょっとしかアウトプット出来てないような ひとがしゃべってる間も高速で脳みそが動いてそうで あのはなしが飛びまくるのも それ故なんではないかしらん
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著:茂木さん・題・装丁買い。
何人かのタレントさんや芸術家との対談が詰まった一冊。
茂木さんの切り口が非常に面白い。 -
いままで読んだモギBOOKのなかで一番だったかも!対談集ですが、ひとつの長さがちょうどいいです。脳科学的に見てちょうどいい長さなのか。
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ここ最近読んだ中で一番刺激的で面白かった本。茂木さんとクリエイティブな人達との対談。リリーフランキーだったり、ユーミンだったり、佐藤雅彦だったり。インタビューだったとしても十分面白い話をしてくれるだろう人達と茂木健一郎との会話は、なんでこんなにっていうぐらい面白い。ナイス相乗効果、ナイスコラボです。
シンプルだけどとても重要な何かにハッとすること数回。「そうだよねそうだよね」って共感すること数回。面白い本を見つけた興奮と、そこに描かれている世界の奥深さと、芸術脳な人たちの素敵なマインドにアドレナリンが分泌された。中にはイマイチ理解できない人も出てきましたが。。。 -
佐藤雅彦
意味だけなら一度見れば分かってしまう。リズムや間で作れば何度も見たくなる
天野祐吉
自己批評精神 自分を笑うこと
おれもバカだけど、あんたもバカだなぁ
文句なり批評が来るのに弱い。そのあたりをもう少し楽しむぐらいの余裕が欲しい。それはいろんな見方の一つでしかないという割り切りみたいなものは大事 -
茂木健一郎と
佐藤雅彦、内藤礼、小野塚秋良、いとうせいこう、松任谷由実、
ヒロ杉山、リトル・ブリテン、菊池成孔、天野祐吉、リリーフランキー
の対談
一人づつ一冊本ができちゃいそうなくらい
内容が濃くて深くて面白いです。
今まで気になって考えてた事も本の中で話題になってたし、
自分はどうかなーっと思ってちょっと自己分析にもなった。
読んで良かったです。 -
脳科学者の茂木健一郎と、10人のクリエイターとの対談集です。文字通りクリエイティブに生きている人たちの価値観、世界観が、生き生きとした言葉によって沢山伝わってくるとても刺激的な本です。「自分の中に変わらない何かがあるからこそ、環境をどんどん変えていける」という考え方は、私自身が常々感じていたことだったので、殊更に感動しました。「生きることこそがクリエイティブだ」…この意識、ずっと大切にしていきたいです。
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茂木さんの本、特に対談は気に入って読んでいますが、
この本での対談相手は豪華盛りだくさん!
天才同士の知と知がいい感じでぶつかり合って
リラックスしていながらもかつ高尚なセッションを繰り広げていて、
ただただ脱帽です。
さらに、この対談がフリーペーパー上で繰り広げられていたことも驚きです。
個人的には、CM天気図でファンになった天野さんの
ものの見方に目からウロコでした。 -
日曜日の秘密基地を聞いてて興味持った。
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30th book in 2007