九月が永遠に続けば

  • 新潮社
3.14
  • (27)
  • (93)
  • (187)
  • (69)
  • (11)
本棚登録 : 741
感想 : 165
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104734016

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 結末が気になって一気に読んだけれど、読後感は最悪。

    中盤まではぐいぐい読ませられたけど、グロテスクなシーンの描写があってからは、かなり失速したかんじ。
    誰にも感情移入出来なかったし、主役の母親と息子が、人間味がないというか。

    複雑な人間関係のわりに、あっけない終わりかた。

    それでも最後まで気になって読んでしまった。

  • …これがデビュー作なのか。すごいな、ほんと。この筆力。ぐいぐいのめり込んだ、この奇妙な世界に関係に空気に。最後でタイトルの意味を考えぼーっとした。ほんと九月が永遠に続けばよかったのに。亜沙美。亜沙美はどんな女なのだろう。想像しただけで怖い。

    まほかるさんの本はこれで全部読んだ。わたしはこの作品と彼女がその名を知らない鳥たち、そしてユリゴコロが好きです。

  • 一人息子がゴミを捨てに行ったまま失踪。

    付き合っていた男がホームから転落して轢死。

    離婚した精神科医の元夫、凄惨な過去を持つ再婚相手、15歳ながらも持ち前の魅力で男を振り回すその娘………

    息子は無事なのか。
    恋人はなぜ死んだのか。


    おもしろかった。
    ドロドロしててすごかった。

    でも、ホラー?

    確かに読んでてずっと怖かったけど、ホラーだと思いながら読んでたから不気味な方へ不気味な方へ解釈しようとしてた気もする。

    そんなの関係なくおもしろかったけど

  • すごくよかった。ゆったりとしたフォントと丁寧に紡がれた文章がぴったり合って、一方でグロテスクとも言っていい内容とのギャップは忘れられない。他の著書も読んでみたい。

  • 息子が突然いなくなった、そしてすぐに恋人が電車に轢かれなくなった。
    その犯人は息子なのか、悪い想像が膨らむ。



    人間の内面的な暗さ、ドロドロとした関係、疲れてるときには読まない方がいいかも。


    中盤までは面白かったんだけど、最後失速した感じ。

  • 息子の失踪直後に、愛人の男が死んだ。もしかして、息子が殺したのか?。第5回ホラーサスペンス大賞受賞作。
    面白かった。ホラーサスペンス大賞受賞作品で、内容的にはホラー要素はまったく無し。サスペンスは少々?といった感じ。子供を思う母の気持ちや、それをとりまく人たちみんなが何かしらの仄暗いものをもっていて、それが生々しくかかれていた。

  • あり得ない過去。あり得ない関係。こんなの永遠に続かない方がいいのでは??

  •  いけないとは思いつつも、別れた夫の義娘の恋人・犀田との関係を続ける佐知子。しかしある日を境にすべてが変わってしまう。息子の文彦が失踪し、犀田は駅のホームに転落し、帰らぬ人となってしまった。
     自分と犀田が関係を持ったからこのようなことになってしまったのではないかと思い悩みながら、文彦を探す日々を送ることになる佐知子。

     果たして物語がどんな形で決着するのか、目次を見る限りおよそ1週間という短い期間でなんらかの答えが出るはずだとはわかるのだが、まったく検討もつかなかった。
     そっちかー!そっちだったかー!!という感じ。で、個人的にはそっちなのかー……と気持ちがフェードアウトしてしまった。
     感じたことをうまく書くのが難しいけど、あっち側なんてのはそこらにごろごろ転がってて、案外まいにちを暮らす中で簡単にするりとそちら側へ渡ってしまう恐ろしさを感じた。

  • 魔性の女にはまって人生を狂わせてしまう男の話は、痴情の愛、阿寒に果つなど、古くからたくさんある。魔性の女になりたいって言う潜在的な願望って、シンデレラコンプレックスと同じようにどんな女性にもあるんでしょうねぇ。
    実際は危険を察して魔性の女から逃げるやつと、近づく勇気のないヤツが多くて、女性が考えるほど全員が虜にはなっていませんけど。魔性の女にはまった男の末路は悲惨で、身ぐるみ剥がされるか、犯罪を犯して捕まるか、死んでしまうか、殺してしまうかになりますが、文彦にはそうならずに、ナズナちゃんと青春を謳歌する人生に矯正されてくれればと願わずにはいられません。

  • 男を狂わさずにはおかない女性 亜沙実の周りで起こる数々の事件の話。まほかるドロドロワールド全開だ。多少くどいところはあるが、事件の特異性は抜群だ。又フォロー作家が増えてしまいそうだ。

全165件中 51 - 60件を表示

著者プロフィール

沼田 まほかる(ぬまた まほかる)
1948年、大阪府生まれの小説家。女性。奈良県在住。読んだあとイヤな後味を残すミステリーの名手として、「イヤミスの女王」という称号で語られることもある。
寺の生まれで、大阪文学学校昼間部に学ぶ。結婚して主婦になり、母方祖父の跡継ぎを頼まれ夫がまず住職となるが、離婚を経て自身が僧侶になる。50代で初めて長編を書き、『九月が永遠に続けば』で第5回ホラーサスペンス大賞を受賞、56歳でデビュー。
2012年『ユリゴコロ』で第14回大藪春彦賞を受賞し、2012年本屋大賞にノミネート(6位)。それを機に書店での仕掛け販売を通じて文庫の既刊が売れ出し知名度を上げた。
代表作『ユリゴコロ』は2017年9月23日に吉高由里子主演で映画化。同年10月、『彼女がその名を知らない鳥たち』も蒼井優・阿部サダヲ主演で映画化された。他の代表作に、『九月が永遠に続けば』、『猫鳴り』、『アミダサマ』。

沼田まほかるの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×