外務省に告ぐ

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104752058

作品紹介・あらすじ

「外交敗戦」の背後に何が?イジメ、セクハラ、不倫、不正蓄財、そして汚職-。外交中枢の病巣を鋭くえぐり、「外交再生」の処方箋を熱く論じる。

感想・レビュー・書評

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  • 外務省の伏魔殿ぶりがよくわかる。
    ただ、それだけ重要な省庁であることも確か。
    これからの日本を考える上では、必須のピースなので、頑張って欲しい

  • 暴露本?実名も出ているみたいなので、
    何人かはググっちゃった。

    官僚は優秀なエリートだから、と任せておいたら、
    何やらいろいろやってるみたい。
    ヤバくなると過労で倒れて入院療養として
    病院に逃げちゃうとか。そして退院した後は
    何もなかったかのように異動になっちゃう。
    いいわねぇ、組織に全力で守ってもらえて。

    たぶん凡人には務まらないような難しい仕事を
    しているんだろうから、多少の特権や優遇は、
    それで国益が守れるのなら仕方がないのかもしれない。
    それを当たり前だと思うようになっちゃうのかな?

    もしかしたら不祥事を隠蔽するなんて優秀な
    彼らにとっては難しいことではないのかもしれない。
    最初から組織内の腐った膿を出すつもりもないし、
    特権と優遇されまくりで気がついたら一線越えてて
    悪事がバレたとしても、ある程度は組織が守って
    くれるんでしょ?それでダメだったら、
    誰かが一人が犠牲になって罪をかぶって組織を
    守るんでしょ?
    誰かがちょびっとだけ処分されて、こっそり
    異動になって、しれっと要職について・・・
    どうせみーんなグルなんでしょ?

    ギャンブル?愛人?豪遊?
    特権を駆使して贅沢三昧遊んでばかりいないで、
    せっかくの優秀な頭脳を国益のために
    正しい方向に使ってほしいです。

  • 米国のインテリジェンス文化として、アメリカはあまりにも強過ぎる。情報がなくてもあるいは情報分析に失敗しても、力を背景に米国の意思を他国に押し付けるkとおができる。力に依存する癖がついているアメリカ人はヒュミント工作が苦手。
    国家の本性とは他の国家と戦争をする存在であるということ。永世中立国になるには地政学的近郊地域にある中小国だけ。日本は大国。

  • 日本の悲しい現実が書かれてる。
    ロシアになめられっぱなし。これは外務官僚の質の低下が招いた結果。
    海外日本大使館では、裏金で大使たちが私服を肥やしている。
    などなど

  • 国家を憂う心と個人的恨みがまざりながら淡々としています。外務省に対しては、いつものように下半身スキャンダルやインテリジェンスの弱さを指摘する内容で、むしろ読み応えがあったのは4章以降。
    国策捜査の対象となった本人だけに、検察に対する見方が興味深いものです。検察と被告人の心理については「国家の罠」に記載されていたなぞりですが、厚労省郵便不正事件で、冤罪があばかれて、検察だけがあげられてよしではダメだ、もっとデカい悪がそもそも厚労省側にいるはずだという指摘。そういう風に見るんだ。

  • 佐藤優の新刊本で、図書館でリクエストして読んだ。

    著者は、最近400字詰め原稿用紙1000枚/月のペースだそうだ。これだけいろいろな連載と新刊本を出していれば納得である。ただし、雑誌の寄稿文と対談のまとめが多くなり、以前のような渾身の1冊が少なくなっているのが個人的には残念である。

     内容的には、雑誌「新潮45」に寄稿したものを、内容から目次別の内容に振り分けたものであるので、その時事ネタ的には状況に束縛されるが、主義・主張は一冊の本であるとわかりやすいというところ。

    外務省に告ぐとはあるためか、外務省の経験が本書のメインではあるが、時折、神学部卒の哲学的なものの見方、逮捕されて取り調べを受けたからこその経験としての考えも見える。基本的には、「知者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」という言葉の通り、ロジックで考える中に、経験も入れていると言うことだろうか。

    今回、改めて思ったのは、外交とは、戦争の前に情報戦(インテリジェンス)の争いがあり、 その前にお互いの情報戦のチャンネルを開いて、分析しないと戦いにならないということ。震災で弱体化しているとみられている日本には近隣諸国から援助と隙あらばという考えの両面がある。我が国唯一の外交ができる機関として外務省は襟を正して、頑張って欲しいものだ。また、著者の母親の沖縄戦に関するところは、読んでおいた方がよい。

    元特捜部長との対談、鈴木宗男との対談もあるが、鳩山元総理を意思決定論の理系の考えの持ち主だとしているが、個人的には佐藤優も理系的思考にはそれほど強くないように感じた。文章や考えは論理そのものであるのだが。

    なにはともあれ、最近の政治や外交について知りたい人には一読を薦めたい。


    第1章 外交敗戦――北方領土はなぜ失われたのか?
     ロシアにもなめられ、北方領土を失う日
     モスクワ空港爆弾テロが及ぼす北方領土交渉への影響
     ロシアが私を攻めてきた!
     池田大作・ゴルバチョフ会談の謎解き
     ウィキリークスが日本に仕掛けたインテリジェンス戦争

    第2章 民主党はなぜ官僚に敗れたのか?
     政権交代で生き残りに蠢く外務官僚たち
     小鳩政権崩壊の真実
     なぜ日本はかくも弱くなったのか

    第3章 「外務省」という病
     童貞外交官の罪と罰
     外交特権を濫用した蓄財の天才たち
     自殺者、幽霊、伏魔殿
     セクハラ、パワハラ
     空飛ぶ密輸便
     外務官僚の語学力

    第4章 「国家の罠」その後
     ムネオ詣でを始めた外務官僚たち
     小沢一郎秘書逮捕と政権交代の恐怖
     あえて特捜検察を擁護する
     特別対談 元特捜部長VS.佐藤優
     特別対談 鈴木宗男VS.佐藤優

    第5章 「機密費」をめぐる最終戦争
     機密費
     特別対談 元警視庁捜査2課刑事・萩生田勝VS.佐藤優
     宗男VS.平野官房長官、機密費をめぐる最終戦争

    第6章 沖縄への想い
     実は決断の専門家、鳩山研究論文で読み解く総理の実像
     密約問題の全舞台裏
     亡き母にとっての沖縄と日本
    登録日 : 2011年12月19日 11:33:50

  • すごく参考になる。

  • 二律背反か。傍立か。

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著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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