未亡人の一年 上 (John Irving Collection1989-1998)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105191085

作品紹介・あらすじ

1958年、ロングアイランド。4歳の少女ルースは、母がアルバイトの少年エディとベッドにいるところを目撃する。死んだ兄たちの写真におおわれた家。絵本作家で女ったらしの父。悲しみに凍りついたままの母は、息子たちの写真だけもって姿を消う。母を失ったルースと、恋を失ったエディがのこされた。夏が終わろうとしていた-。母の情事を目撃してから37年。こわれた家族とひとつの純愛の行きつく先は?『ガープの世界』以来の傑作と各紙誌絶賛。20世紀最後のアーヴィング最新長篇。

感想・レビュー・書評

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  • 走り出しからエグいな…エグく書いていないのが逆にエグい…

  • 血湧き肉躍る……わけではない。スリリングでもない。ただ登場する人たちが愛し合い、オトナの関係を結ぶ。そんな人間模様が延々と続くのだけど、なぜかアーヴィングの筆致はそんなダラダラした出来事の串刺しを読ませる。それは語りの中にわざとらしさやあざとさがなく、極めて誠実に登場する人たちの人間性をその偉大さも卑小さも含めて丸ごと描こうとする、そんな真剣さから来るのかなと思う。だからこの作品も膨らみを帯びた人々が織り成すタペストリーのように、細部まで味わい深いものとして成り立っているように思う。ただ少し変態すぎかな?

  • 1958年、ロングアイランド。4歳の少女ルースは、母がアルバイトの少年エディとベッドにいるところを目撃する。死んだ兄たちの写真におおわれた家。絵本作家で女ったらしの父。悲しみに凍りついたままの母は、息子たちの写真だけもって姿を消う。母を失ったルースと、恋を失ったエディがのこされた。夏が終わろうとしていた-。母の情事を目撃してから37年。こわれた家族とひとつの純愛の行きつく先は?『ガープの世界』以来の傑作と各紙誌絶賛。20世紀最後のアーヴィング最新長篇。
    原題:A widow for one year
    (1998年)

  • 不幸な人妻を見ると誘惑しないではいられない父と、交通事故で二人の息子を亡くしてから、息子達との思い出の世界だけに生きている母。そして家じゅうに飾られている二人の兄の写真。
    4歳の少女ルースは、そんな家で3人のシッターに面倒をみてもらって暮らしている。
    そこへ、作家である父の手伝いと称して17歳のエディが住み込みのアルバイトとしてやってきて…。

    ルースが4歳の夏に、彼女の家は壊れた。
    彼女が生まれたときからすでに歪ではあったのだけど。
    亡くした二人の息子のかわりに新しい息子を欲しかった父と、二度とふたたび母親にはなりたくないと思っている母から生まれたルース。

    第一章は、そのひと夏の出来事を、概ねエディの目を通して(三人称だけど)語られる。
    人妻との時間が中心のテッドの手伝いなんて、ほとんどすることもなく、エディはひたすらマリアンに惹かれていく。
    けれどエディは17歳ではあるが、周囲の人たちの気持ちを慮ることができる、不器用だけどいい青年で、ルースのことを傷つけないように細心の配慮をしていたはずなのだ。
    ただ、4歳児というのは予想外のことをしでかしてくれるわけで。

    第二章はそれから30に年後、エディは売れっ子とは言えないが、そこそこの作家となり、ルースは有名売れっ子作家となった。
    エディはいまだにマリアンのことを忘れられず、ルースは結婚・出産に踏み出すことができないでいる。

    マリアンが家族を捨てたことがこの先の物語にどういう影響を与えるのか。
    どろどろした物語のはずだけど、ぐいぐい読ませるのはさすが。
    今のところ誰が未亡人なのかわからないけど、多分ルースが母に捨てられた過去から立ち上がる話だと思う。
    エディは相変わらず要領が悪く誠実な人。
    彼が、どう係わってくるのかが楽しみ。

  • 4.9読了。
    お昼休みに30分ずつ読むのにぴったり。
    愛人に轢き殺されそうになる男に『逃げろ』と庭師が叫ぶところとか、声をあげて爆笑すること度々。下巻の展開が気になって仕方がない。うねるような物語の楽しさを存分に味わわせてくれる。

  • やっぱり好きだった!!
    アーヴィングさんの中ではコチラが一番好き。
    現実離れしているとはいえ、せつなく、激しく感動☆

    それにしても、公に「この本はいい本だ!!」とおすすめしたいけれど、
    プッシュするに憚る性描写には困る・・・

  • 数年前に観た映画「ドア・イン・ザ・フロア」の原作。映画化されたのは上巻の一部分だったらしく、原作で描かれている「その後」がおもしろい、というレビューを見かけて、いつか読んでみたい本のひとつだった。たまたま図書館で目に入ったので、読んだもの。

    以前から、ジョン・アーヴィング原作の映画を見るのが好きだったけど、肝心の原作はあまり読んだことがない。映画がすごくいい出来だから満足してしまう。でも今回は、原作を読んでよかった。テーマは重いのに、登場人物ひとりひとりの描写がやわらかく的確。寛容で、とげがない。
    下巻もたのしみ。

  • 生涯ベスト1の小説。毎回アホのように号泣。
    読めもしないのに原書本まで買ってしまった。
    登場人物達が身近な人のよう。

  • 発売と同時に購入し、以来、最も好きな作品の内の一つ。
    文庫もある。

    ちゃんとしたレビューはまた今度。

    大切な人に勧め、褒められたことも良い記憶。

  • 忘れられなかったひと夏の恋を追い求めたエディの頑なさがとても良い。
    ルースの手の傷のエピソードが特に秀逸。

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