- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106004056
作品紹介・あらすじ
虐殺と流浪に明け暮れた民族の興亡。大国のはざまで、つねに民族の誇りを持ちつづけるアルメニア-。その苦難の道のり。
感想・レビュー・書評
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民族の自立を完全に奪われたアルメニア人にとって、最後の拠り所となったキリスト教は修道院に頼り、活動を続けち得た。凄まじい弾圧の時こそ、かえって文化の遺産を残すのがアルメニア人の特徴。
世紀末の弾圧以降、生き残りのアルメニア人は退去してっ国外に脱出した。行く先は中近東がもっとも多く、他にはギリシア、フランス、アメリカだった。
本当に悲惨な虐殺が繰り返された。トルコ政府はどうしてアルメニア人の虐殺を否定し続けているのだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アルメニアという小国を知っている人は、ほとんどいないだろう。自分もそうだった。
しかし、書名が目に付き、手に取り読んだ。
歴史、文化、について丁寧に解説されていると思う。
そして、隣国との闘争、「トルコによるジェノサイド」について詳しくかつ客観的な説明がなされている。
トルコ側は、この過去の歴史については長年認めていなかった。(2014年にトルコのエルドアン首相は、初めて公に謝罪したという記述がwikipediaにある)
最後の章「アルメニア人であること」では、アルメニア文学を通してに考察がなされているのも興味深かった。
本書が出版されたのは、1991年。湾岸戦争が発生した時である。
それから時間が経た現代でも、中東は東アジアでの紛争が起こっている。
民族対立の歴史が、深いところで繋がっていると、本書を読了して、感じた。 -
<a href="http://www.bk1.co.jp/product/00760688"><B>悲劇のアルメニア</B></a><br>(新潮選書) 1991.8<br><br><br>品切・絶版のようですコレ。アララト山への憧れから、<br>この山を「聖なる山」と崇めていたアルメニアに興味を持ちました。<br>「世界で一番最初にキリスト教を国教とした国」でありながら<br>同じキリスト教諸国に利用され、裏切られ続けてきた歴史を持つ民族です。<br><br>それまで「国を持てただけ幸せなのでは?」と思っていましたが<br>「独立させられた」経緯を読むと、そう一概には言えないことに気付かされます。<br><br><br>06年のGWに実際に訪問することが出来ました。<br>周囲にはイスラム国ばかりで<br>アゼルバイジャンとの領土問題を巡って経済封鎖を受けています。<br>「閉じ込められた」状態でありながら誇り高く生きている人々が眩しかったです。<br><br> “加害者側”の彼等については、今後旅行記で語ります。