知的DIYの技術: 木製玩具から山荘作りまで (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106035296

作品紹介・あらすじ

一にやる気、二に頭脳…たとえテクニックがなくても、楽しく安全に日曜大工はできる!材料の調達から、電動工具の力を借りた木材加工、身近な家具作り、建物の設計と施工の手順、そして実際の基礎作りと組み立てまで、趣味が高じて自分で山荘まで作ってしまった著者が伝授する「Do It Yourself」の極意。詳しい図解付き。

感想・レビュー・書評

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  • ハウツー本ではなく、いわゆる日記やエッセイに近く最後は子供たちの教育の話。
    専門的な話ではなく、こういうものがあったら便利になった、ここはこういう考えで進めていったといった感じで技術書として読むには不十分。
    2003年(20年前)の本ではありますが、DIY精神とはもの作りの心とは何なのかというものは今でも変わらず、共感出来る箇所も多かったです。
    筆者の考え方・教育論には納得・感心出来ることも多く、読み物として読んだなら面白いと思います。

  • 趣味の日曜大工の本だと思って、いつも通りネットで買ったのですが、中身は全然違った。前半はオーストリア、ドイツ、オーストラリアと日本の文化比較みたいな内容です。後半は「ものを創り出す」という子育て論みたいな感じで、期待した内容とは全く違ったが考えさせられる事が多く良い本でした。

  • 最近DIYにハマっていて(とは言えまだ電動ドライバーを購入し、棚板を作っただけだが)家のどこを改造しようか考えていると楽しい。関連の本を読もうと手に取る。

    殆ど素人だった著者が木のおもちゃから段々と色々作れるようになっていき、最後は別荘を作る話。話が脱線しすぎる上に、その話はおもしろくないところは読み辛い。

    子供たちと一緒に、DIY、料理何でもやって(やらせて)一緒に経験し、試行錯誤する事の大切さ、面白さを伝えていくというのは共感。

  • 201002/電動ドリルと電動丸ノコで、私は自信と夢を持った/日本における機械という文化は、結局は技術者たちの専有物のままだった/動力をともなう電動工具は「誰が操作しても製品の品質を一定に維持できる機械」のはずなのだが、「訓練を受けた技術者たちの専有物」であるかのようなイメージが今もあり、なかなか手を出せないように思うのだ/電動丸ノコとガイド、電動ジグソー、卓上糸ノコ盤、電動サンダー、刃物研磨機、チェーンソー/レンガ造りのバーベキューコーナー/道具を選ぶとき、第一条件としているのは、消耗品が専用でないことである。電子機器のバッテリーもそうだが、メーカーが指定したタイプしか使えないというのは、ほんとうにうっとうしい。いつでもどこでも入手できるというのが、第一条件だ/「との粉(目止め用の細かい粉末)」は、どこのホームセンターでも売られている。日用大工といえども家具や床板の塗装には必需品で、これを使うと仕上がりの滑らかさが抜群/DIYとは、たんに棚を作り、テーブルを作り、山荘を作ったりすることではない。自分で考え、家族で考え、そして「自分たちでやろう」「できるところまで自分たちでやってみよう」というライフスタイルが、DIYだと思うのである/

  • タイトルがサライかブルータスの記事みたいで安っぽいな,と一瞬思ったがこれは,梅棹忠夫の名著「知的生産の技術」の見立てか.内容を読んでみると実に各章我が意を得たり.
    特に卓抜なのは第二章「電動工具と戦闘機」で,旧海軍空母「蒼龍」飛行隊長であった藤田怡与蔵へのインタヴューを通して零戦の生産体制を論ずる箇所.

    戦況不利になるに従い品質がガタ落ちした日本の生産力脆弱性の一因として,女子・年少者などの未熟練工による工作精度の低下があったことは夙に知られるが,一方,米とて実際には,グラマン等の工場では多くの女子工員が働いており,それでいて常に一定の品質を保ち続けられたのは自動工具の使い方に対する日米の国民性の違いがある.との指摘は極めて重要.事は器用不器用の問題ではないのだ.

    ここがつまり「知的行為としてのDIY」の眼目なのであって,終章に語られる「技術の継承」にも強い繋がりを持つところだ.ワタシならここで,「誤った職人技至上主義に囚われた旧日本人」をケチョンケチョンに叩き,返す刀で「口ばっかり達者で手が退化した現代日本人」に機銃掃射を加えるところだが.

    書籍のバランスとしては,具体的なDIYのノウハウ本なのか,それとも科学技術エッセイなのか,どちらともつかない居心地の悪さがあると思うが,それこそが,手技と知が乖離してしまっている日本の悪況を反映していると観たい.中高生から定年を控えた熟年まで,多くの人に推奨出来る良書.

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