日本人の老後 (新潮選書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106035777

作品紹介・あらすじ

かつて先人たちは「老い」をいかに受け入れ、余生をどのように過ごしてきたのか-?経験と知恵を伝え、尊厳を保っていた昔日の隠居制から、年金制度崩壊や熟年離婚激増など不安多き現代社会まで…時代ごとに、高齢者の姿と余生のあり方の変遷に光を当て、考察した画期的な一冊。先人たちの生き様に、未来のあなたの姿が見えてくる…。

感想・レビュー・書評

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  • 先人達に老いを学ぶ本。自分は著者と同じ世代で、この先の人生について考える事が多くなった。老後の経験が無いので、親、先輩、先人達に学ぶしかない。著者が考えていることも参考にしてみたいと思って読んでみた。
    第1章 いまどきの老後問題
    第2章 三つの老後不安
    第3章 老人観の歴史
    第4章 隠居願望の真実
    第5章 再就職、起業、ボランティア
    第6章 スポーツ、レジャー、学問の世界
    第7章 家族関係の再構築
    第8章 どこで暮らすか、誰と暮らすか
    第9章 死との接し方

  • 定年後の人間が何かするなら、
    「老人になるための準備」を組み込んでおくべし。
    計画を建てても健康問題などうまくいかないが、
    それだからこそあらかじめの計画が必要。
    寿命が延びるということは老人でいる期間が長くなるということなのだ。

    老人は家族が支えるという美意識が、
    社会制度の不整備の言い訳にされてはいけない。

    予防の観点からは、
    行政やボランティア団体などが主催する健康講座をうけておくべき。
    問題が起きたときはどこにどのように相談すればいいのかを事前に調べておくべし。

    子どもは親はいつまでも元気と思っている。
    頼りになると思っているが、現実は先に老人になり先に死ぬ。

  • どんなキレイごとを言っても老いは哀しい。しかし誰でもいつかは老いへの覚悟をしなくてはならない。生産をしない老人は社会のお荷物なのか?豊かな高齢社会とは老人たちが大切にしてきたさまざまな事象を次世代が継承し、生活に役立てていく社会だろうと著者は言う。お金で取引する関係ではなく敬意と感謝が世代間で感じあえる社会は理想にすぎる。自分らしい人生を過したいとの望みも最後には経済力がものを言う。辛い時代であり社会だ。日本人の老後に楽観はどこにもない。自己責任はどこまでも付いてくる。経済力のない老人はカス以下、消費でしか存在価値のない老人。読後感は絶望に襲われますが、理想を忘れず達観するしかないようです。

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著者プロフィール

長山靖生(ながやま・やすお):1962年生まれ。評論家。鶴見大学歯学部卒業。歯学博士。開業医のかたわら、世相や風俗、サブカルチャーから歴史、思想に至るまで、幅広い著述活動を展開する。著書『日本SF精神史』(河出書房新社、日本SF大賞・星雲賞・日本推理作家協会賞)、『偽史冒険世界』(筑摩書房、大衆文学研究賞)、『帝国化する日本』(ちくま新書)、『日本回帰と文化人』(筑摩選書)、『萩尾望都がいる』(光文社新書)など多数。

「2024年 『SF少女マンガ全史 昭和黄金期を中心に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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