- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106037078
作品紹介・あらすじ
「本日敵出撃ノ算ナシ」-全艦に発信されたこの敵情報告に油断し、正規空母四隻の南雲艦隊は待ち構えていた米機動部隊に大敗北を喫した。絶望的戦況で米軍に一矢報いた空母飛龍の反撃など、生き残った戦闘員への綿密な取材を元に、参謀や指揮官の言動、パイロットや整備兵の奮闘まで、「太平洋戦争の天王山」全過程を克明に描く壮大な戦史ノンフィクション。
感想・レビュー・書評
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武蔵野大学図書館OPACへ⇒https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000260274
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一兵卒から司令長官まで驕り侮り、まじめに戦争してた者が見当たらない。
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この選書シリーズには珍しいノンフィクション小説。いよいよ後編にあたる本書では、具体的な戦闘の内容に入る。米軍機襲来がもう五分遅ければ、戦闘機の準備が整えられて適切な反撃も出来たとする「運命の五分間」という俗説を暗に全否定。そして戦後処理の「甘さ」を痛烈に批判している。いずれも共感できるところが多く、とても興味深く読んだ。
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今日でも、日本人がミッドウェー海戦の敗戦から学ぶべきことは多々あると思う。
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歴史は繰り返されるのだと改めて思った。ミッドウェー海戦は今から70年前の惨劇であった。この海戦敗北の事実を公表するかどうかで三日三晩対策にあけくれ、その結果大本営発表は虚偽に満ちたものになった。以降もミッドウェー海戦敗北の真相は軍関係者達によって、意図的かつ徹底的に隠蔽され続けたのである。同じことが2011年東日本大震災による福島第一原子力発電所事故における真相解明についても言えるのではないのだろうか。日本国の人(政治家)や組織(特に役人や企業)はいったい歴史から何を学んで来たのであろう。あまりに悲しい。
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20120704紀伊国屋書店三宮
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ミッドウェー海戦だけに特化してここまで詳しい本は初めて読んだ。
関係者への実際のインタビューや書簡の引用が多く、記述の信頼性は高いように思う。「本日敵出撃の算なし」との誤認識が敗戦主因だとする見解はやや新鮮だが、指揮官像や情報軽視に関して随所に顔をだす著者の主観が、先行他書や既存の分析によるバイアスがかかっており、著者自身が一次情報にあたって抽出したものではないように感じた。