日教組 (新潮新書)

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レビュー : 39
  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106103971

作品紹介・あらすじ

日教組とは何か?生徒の学力低下に荷担したと糾弾され、先生の指導力低下を放置したと非難され、挙げ句には日本をダメにした元凶とまで名指しされてきた。そして今、民主党政権の誕生によって再び注目されている。が、実態は意外と知られていない。GHQ指令下、文部省によって作られ、かつては校長以下九割以上の先生が加入していた組織の歴史をたどりながら、その思想、所業、暗部、すべてを丸裸にする。

感想・レビュー・書評

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  •  この日教組研究入門書、やや保守っぽい気がしないでもないけど、間違いなく読む価値がある。教育に少しでも関心のある人は読むべきだね。僕も日教組については具体的な内容をあまり知らなかったけど、この一冊でそこそこ知識を吸収出来た。難しい言葉も使ってないし、とっても分かりやすい。新潮新書では、創価学会研究入門書である島田裕巳の『創価学会』が良かったけど、この本も同じくらいに良いね。新潮新書は入門書系に強いな。

  • ●日教組という組織について、おおよその概要をつかめた。

  • どうもよく知らないと思っていたら、
    私の育った県は、組織率がほぼゼロだそうだ。

    [more]

    【読書メモ】
     ・満蒙開拓青少年義勇軍。そこに教え子を送り続け、開墾と国防を担わせて、内地の日本人よりもはるかに高い確率で死へ導いたのは戦前の教師です。しかも彼らは嬉々として胸を張って生徒を戦場に送ったのです。/その現実を直視することから逃げ、罪の意識から逃れるために過激な戦後民主教育の宣教師となるしかなかった。それが戦争直後の教師の心理構造だったのではないでしょうか。 p87
     ・もう一つの間違いは、日教組が組織されるはるか以前、つまり戦前から日本の法律は一貫して体罰禁止だったという点です。 p93
     ・このようにエリート用の本音と大衆用の建前が分離している状態のとき、社会学者政治学では宗教になぞらえて前者を「密教」あるいは「秘儀」、校舎を「顕教」あるいは「公儀」と表現することがあります。//日教組も同様で、幹部用の思想=「共産主義」と、一般組合用の思想=「戦後民主主義」を分離したといえます。ただ、日教組が明治国家と異なる点は、組合活動を通じて徐々に密教信者へと変わっていくことでした。 p111
     ・密教から派生したという自覚のないまま、偽りの平和教育や人権教育が民主党政権の下で拡大していくことの方が、日本国民にとってより不幸な出来事かもしれません。 p131
     ・勤務評定実施の目的は、信賞必罰を導入して教員の職務精励を促すためではなく、日教組弱体化だったと考えれば、1958年から文部省が日教組の組織率統計を取り始めた理由も分かります。行政統計調査の目的は、政策立案の根拠か、政策効果の検証のいずれかしかありません。 p136
     ・教員の政治活動は禁止されていますが、何とこれに対する罰則規定がないのです。 p184


    【目次】
     はじめに――日教組による日教組のための教育改革が始まった
     序 ある平凡な日教組教員の日常
     1.「日教組」の誕生
      すべては「新教育指針」から
      「押し付け=悪」の原点
      敗戦をどう捉えたか
      文部省の驚くべき日本人観
      民主的修養としての組合のすすめ
      教職員組合の爆発的拡大の果てに
      戦後民主教育の申し子
      所業? 1947年「六・三制完全実施」
      所業? 1949年「レッドパージ反対」声明
      所業? 1951年「教え子を再び戦場に送るな」
      所業? 1953年〜55年「偏向教育批判」批判
      所業? 1956年〜59年「勤評闘争」
      所業? 1959年〜60年代「高校全入運動」
      所業? 1961年「学力テスト」反対運動
      所業? 1973年「主任制度」反対運動
      中曽根臨教審に翻弄される日教組
      内部対立から分裂へ
      文部省との和解
      「わが世の春」到来
     2.「教団」としての日教組
      なぜ教師が「聖職者」なのか
      戦後民主主義の布教者
      満蒙開拓青少年義勇軍と教員
      教師は嬉々として戦場に教え子を送った
      体罰は「宗教的」確信の産物
      体罰禁止は明治時代から
      新たな経典の誕生
      日教組を理解するための基礎知識
      共産主義を信奉する教員の行動原理
      「顕教」「密教」並存体制の確立
      社会主義協会による日教組支配
      学校内世論に訴えて巻き返す非主流派
      日本共産党の教師聖職者論
      常識論に歩み寄る非主流派、暴走する主流派
      研究研修を通じて力を増す非主流派
      日教組主流が親ソだった理由
      新左翼の流入
      密教信者は消え、日教組教育が残る
     3.「ムラ」としての日教組
      校長も教頭も加入していた
      勤務評定を拒否した校長たち
      勤評闘争が学校を変えた
      地域を巻き込んだ闘争
      管理職手当てが進めた校長の組合脱退
      校長のタイプと組合支配の相関
      情実採用の構造
      転勤も昇進も決める教職員組合
      雑多なムラ人たちの素晴らしい教育
      安易な日教組批判の危険性
     4.「戦犯」としのて日教組
      「日教組が日本の教育をダメにした」という神話
      とにかく批判されつづけた
      飲み屋論壇的戦犯説
      データが示す戦後教育のダメさ加減
      密教信者を守り続けた自民党政権
      なれあいの状況証拠
      学校から国旗国家を奪った自民党政権
      黙認?日本型リベラリズム
      黙認?占拠に役立つ日教組
      黙認?足して二で割る調整型政治
      もはや日教組は無害?
     5.日教組とのつきあい方
      なぜ民主党は日教組の言いなりなのか
      正常化を装う日教組
      丹頂鶴からフラミンゴへ
      悪夢?免許更新制度の廃止問題
      悪夢?全国学力テストの事実上の廃止
      悪夢?「こころのノート」の廃止
      悪夢?教員免許のための大学院必修化
      弱体化と正常化の同時進行
      変化する政治方針
      結局「日教組」とはなにものなのか
      対処?共産主義ワクチンの摂取
      対処?人事オンブズマンの導入
      対処?偏向教育情報センターの設置

  • レビュー省略

  • 教育に携わる人ならば、読んでおきましょう。
    いろいろ問題があるだろうが、日教組と長い間馴れ合っていた自民党が一番問題のような気がする。どうにかできたものであろうが....。
    罪は大きい。

  • 一気に読み終わった!
    日本の誇りを教えようとして、わけのわからない言いがかりをつけて呼び出しをくらった。
    怖い!日教組。

  • 日教組の成り立ちから今までの経緯を著者の視点から描いている。
    教育行政に携わる著者は、中立的な立場とはいえないが、根拠を示しているので、説得力はある。

  • 面白い。
    謎の悪の組織「日教組」は物心ついたころに知った。この組織が戦後日本をおかしくしたとか、国旗や国歌を踏みにじる教員がいるとか。
    ただ、本当に日教組に所属する教員がみんな共産主義者なのかというとさにあらず。実態に切り込んだ上で、現在もある程度の力を持つ日教組に対する処方箋を提示する。

  • 日教組というイデオロギーを知ろう!アンチ寄りな本です。ただ内容はちゃんと広く浅くだと思う。無理に中性的よりもこのくらい偏見を素直に出している方が読みやすいです。

    ただ流されやすい人は読むのに注意は必要。右に流れる。


    _____
    p3 学力テスト
     1964年に日教組が潰した。階級意識を生み出す学テは社会主義の敵を生み出すしくみ。

    p53 日教組はGHQの出した法に従っていただけ
     戦後の文部省は戦前の日本を完全否定する教育をする姿勢を見せなければいけなかった。「新教育指針」に則って日教組は教育活動をしただけ。
     聖職者である教師を労働者と考えるのは間違っているというのも、文部省が労働協約を結んで労働者としたんだから。
     政治活動をする日教組は政教分離を知らない。というのも当初政治活動は許されていた、それを文部省が後だしジャンケンで封じた。
     色々ある。悪いのは日教組だけではない。当然教育の柱を決める文部省と政権に一番の責任があるはずだ。

    p60 日教組の組織率減少
     1958年から減少し始めた。勤務評定の闘争でストライキを起こしたりして、世間からの見られ方も変わった。子供をないがしろにして自分たちの賃金闘争を繰り広げる教員への不信が広がった。

    p62 学力テスト②
     詳しく書いてある節

    p76 教育の神性
     教師が聖職者だったのは天皇が神様扱いされていたから。天皇の勅令(教育勅語)という神のお言葉を臣民に伝道する聖職者ということだったのだろう。戦後手のひら返しをします。
     丸山眞男は教師という疑似インテリゲンチャが日本にファシズム(全体主義)を蔓延させたという。

    p79 敗戦
     聖職者である教師にとって、敗戦は神の死であった。一億総手のひらを返しです。教師には新たに「民主主義」という唯物史観的絶対原理が与えられ、日教組という「教団」の代わりを作ることを認められたのである。
     新たなる…光!

    p80 平和教育
     教員は戦後平和教育に熱心だった。というのも、戦時中、若者を戦地に後押ししたのは教師たちであった。p84のデータでは青少年の義勇軍訓練所への入所動機は教員の勧めが一番だったとある。
     その罪滅ぼしである。反省しているのだから良いじゃない。もう二度と子供たちを戦地に送ってはいけない。
     …自衛隊も??

    p91 ピューリタンの体罰
     アメリカにおける体罰容認の根拠はピューリタンの宗教観である。「人は本来的に弱く、罪を背負っており、真の道徳的・自律的行為は成しえない」だから愚かな人間を成長させるには人格者である教師の愛のむちがあるくらいでないとダメなのである。という理論。

    p92 日本の体罰
     明治時代1879年の教育令の時代から体罰は禁止と法律にある。昔は体罰なんて当たり前だったというのは、「昔は法律なんかあってないようなものだった、それがよかった」というようなものである。おさるさんだね。
     日教組のせいで体罰がなくなったというのも微妙らしい。時期的に1970年代から減少するが、日教組の組織率が下がり始める時期と呼応する。単に戦前の体罰教師がやめていったからである。

    p98  人権は神なくしてはありえない
     人々に人権があるのはなぜか。それは神が与える絶対的な権利だからである。だから何人たりともこれを冒せない。というのが天賦人権論である。
     社会主義者が人権を言うが、唯物史観で言えば神なんてないのだから神家という用語を使うのは変だよね。
     1952年に日教組が作った「教師の倫理綱領」には人権について書かれていない。代わりに科学という言葉が多用されている。

    p112 八分の一理論
     田中角栄の権力理論。国政選挙で過半数をとる、自分の党で主流派(政権に近い派)が過半数をとる、主流派で自分の派閥が過半数をとる。つまり国会議員の八分の一が自分の派閥の人間なら首相になれるのである。

    p161 明日から使えるいじめ対処法
    ①いじめの認知は被害者、親、友人、加害者、誰からの報告でも「この事態を心配する人からの報告」で統一する。
    ②教員は複数人のチームで対応する。
    ③複数の加害者と複数の教員が一対一で別室で話す。(加害者の話の矛盾を見つける)
    ④15分後に加害者を一人で残し教師で集まり、情報共有・矛盾点の分析を行う。
    ⑤ ③④を繰り返し加害者にいじめの事実を認めさせる。
    ⑥加害者に対し泣かせるまで対処する。
    ⑦すぐには謝らせず、罪の意識を覚えさせる期間を作る。(すぐに謝ると加害者はスッキリして反省が足りなくなる)
    ⑧一週間後に加害者に謝ることを「許す」。(そう簡単に罪の清算ができないということを意識づける効果かな)

    これは日教組の先生が実践しているいじめ対応である。日教組の先生に偏見を持つ人は二元論でしか物を見れない視野の狭い人間である。日教組に加盟するくらいまじめな先生がダメなわけがない。ダメなやつもいるというだけ。

    p176  かんがえるろう
     管賀江留郎『戦前の少年犯罪』という本が面白そう。戦前の子供たちはさぞ優れた倫理的人物ばかりのように思えるが、凶悪犯罪もあったという事実をまとめている。作者名からしてふざけているが、一見の価値はあるかも。
     「戦前教育は戦後教育より良かった」という印象はデータでは確かにそう読み取れるかもしれない。殺人・強盗など凶悪事件が最も多いのは1960年台の子供たちである。それから減少するが、反比例して窃盗・横領など経済犯罪が増加し続ける。戦後教育では正義というものを教えられないのだろうか。
     まぁ昔の統計がどこまで現代と同水準なのかは怪しいが…。

    p185 法の穴
     地方公務員法には政治活動の禁止が乗っているが、罰則規定はない。公務員法は倫理的に縛っても罰則で封じるという手段は講じない片手落ちなのである。だから日教組の先生はやったもん勝ちでガンガン政治活動する人がいる。この状態を見て見ぬ振りしたのが自民党55年体制である。

    p192 国旗国歌問題の本質(慣習と法制の愚)
     この問題が噴火したのはなぜか。1989年の竹下政権下で学習指導要領が変えられ、「国民の祝日などに儀式をなど行う場合には、児童に対してこれたの祝日などの意義を理解させるとともに、国旗を掲揚し国歌を斉唱させることが望ましい」とあったのを「入学式や卒業式にはその意義を踏まえ、国旗を掲揚し、国歌を斉唱するよう指導するものとする」となった。
     法律で国旗・国歌を規定した場合、例えば共産党なんかが政権を握れば速攻でそれらを変える法律を作るだろう。それが国民の慣習で決まっているものなら、法律で権力者に縛ることはできなくなる。
     法律の落とし穴。無理に決めようとするから反発が噴出したし、君が代・日章旗を失う危険性も生まれた。

    p196 反共=軍国主義というロジック
     日本において共産党は戦時中ファシズムと闘った唯一の勢力だった。だから戦後共産党は奮った。そのせいで反共=軍国主義への回帰を求めるものというロジックができてしまい、反共アレルギーができてしまった。

    p198 日教組を維持した方が票を稼げる
     自民党がなぜ日教組を本気で潰そうとしないのか。
    ①反共アレルギーがでて、軍国主義への回帰だと誤解を騒がれるから
    ②日教組という嫌われ者がいたほうが、選挙相手のネガティヴキャンペーンに利用できて、浮動票確保につながる。

     特に②が納得。いいこと聞いた。

    p205  選挙とバイト
     選挙活動でバイトを雇ってはいけない。公職選挙法違犯になるのであくまでボランティアになる。このボランティアをどこから捻出するか、教団の会員か、後援企業の社員か、後援組合の組合員か、のどれかだろう。こういう選挙に必要だから日教組も政党との繋がりから免れない。

    p219 ハードルを下げると優秀な人材は集まらない?
     民主党の政策では「教員免許更新制の撤廃」「教員資格に大学院卒を加える」というものがあった。これは明らかな既得権益者保護政策。大学院卒の資格は風前の灯になっている教員養成系大学の延命政策である。
     ハードルを下げると教師の質は落ちるのか。参入障壁の撤廃は競争により質の向上が見られるのは経済現象の基礎である。教育に経済理論をあてるのはタブーみたいな考えがあるけれど、これは経済どうのではなく、単純な意見である。大学院卒業したからって優秀とは到底思えない。それどころか、まさか教員になるのに経済格差を発生させるとか、それこそ悪である。

    p234 検非違使の放免・目明し
     どちらも平安時代と江戸時代の、警察機構が犯罪者を釈放する代わりに働かせるというしくみ。悪い奴というのは言い換えれば能力のあるやつであることが多い。これを生かす方法である。
     筆者は日教組もこのようにうまく使えばいいと考えている。毒を以て毒を制す。
     組合にいる保守派層の人々を決起させ組織の正常化を図るということか。

    ____

     やはり組織が大きくなると運営に多大な労力が生まれ、自己矛盾や腐敗が生まれてしまう。日教組も全部が悪いなんてことはない。しかし、社会主義的イデオロギーの押し付けになっているところはいけない。教育は中立でなければいけないのだから。
     なにが中立なのかという答えのない議論を吹っかけられるかもしれないが、答えは「あんたと私の意見の中間だ」である。

     2014年、第二次安倍内閣がきっと大きく教育を変えるだろう。自民党が長年なぁなぁにやってきたツケを今こそ清算する時なのでしょう。

     日本はぶっ壊れてしまうだろう。まぁ、今が必ずしもいいわけではない。新しく作っていく、その心が大事なんだ。

  • 分かりやすく説明されてる。

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著者プロフィール

教育評論家。中央教育文化研究所代表。元東京都職員。1995~2005年まで、都内公立学校に出向経験がある。著書に、『いじめの構造』『日教組』『戦後教育で失われたもの』(以上、新潮新書)、『なぜ日本の教育は間違うのか』(扶桑社新書)、『校内暴力(いじめ)からわが子を守る法』(育鵬社)など。

「2017年 『自治労の正体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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