中国のジレンマ日米のリスク (新潮新書 432)

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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106104329

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  • 北京オリンピック後または上海万博後中国の不動産・株バブルは崩壊すると誰もが思っていた。しかし、かなりの偽りがあるとしても、リーマンショック以後、先進諸国が苦悩する中、中国では世界で唯一といっていいほどの高い経済成長率を実現した。
    後付でもかまわない。これに対して説明が必要があるだろう。中国がこれから直面する問題は、明確である。輸出頼みで稼いでいるGDPを消費するのは誰なのか。10億を越える人々の作った工業製品を誰が消費し、豊かになった10億人以上の人々の食料を誰が生産するのか。
    環境問題、労働争議、エネルギー需要の拡大とその価格の高騰、変動相場制への移行など1970年代の日本と正に同じ矛盾が中国を襲う。しかもそれは日本の10倍の規模で。
    共産党独裁の政権があと何年現在の中国を保てるのかをじっくり見てみよう。分裂か覇権国化か。この2つのビジョンを持つとき、明確に目の前に立っている大国がある。それは、アメリカである。
    アメリカとの歴史を日本と違う方法で解決できるかどうかに注目しよう。
    軍事か経済か文化か。いや全ての国力に注目しよう。
    日本はそこでどう振舞うのか。私は、すべての答えはやはり日本にあると思う。

著者プロフィール

クレディ・スイス証券チーフ・マーケット・ストラテジスト。
1987年明治大学卒。和光証券、クレディ・リヨネ証券調査部長兼ストラテジストを経て、2000年12月、クレディ・スイス・ファースト・ボストン証券(現クレディ・スイス証券)へ。
構造改革特区評価委員、規制・制度改革委員会委員などを歴任。WBS(テレビ東京系の報道番組ワールドビジネスサテライト)コメンテーターなども務める。
著書に『政策論争のデタラメ』(2009年9月、新潮新書)、『中国のジレンマ 日米のリスク』(2011年8月、同)、共著に『国際的マネーフローの研究』(2012年11月、中央経済社)。

「2017年 『あなたはアベノミクスで幸せになれるか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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