国家の矛盾 (新潮新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106107030

感想・レビュー・書評

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  •  安倍政権がものすごく抑制的な政権だってことがよく分かった。

    高村「安倍政権は後方支援にも参加しない方針をとっています。」

    三浦「実際に派遣される陸上自衛隊のほうが、性急な派遣に慎重な姿勢を見せた一方で、民主党の中では自衛隊員のリスクを問題にしない方が結構おられた印象があります。彼らは軍事問題をリアルに考えていないので、軍人の安全性という常にグレーである部分を「どれだけ白に近づけるか]という発想がないんですね。」

    三浦「軍隊の派遣についても、「民主主義の実現のため」とか「アメリカ、もしくは自分たちが協力しようとしている国の政権がリベラルだから」といった判断に基づくと、縛りがなくなってしまう。自分たちはアプリオリ(=先天的)に抑制的だと思っているから、いざ自分が軍隊の派遣を決定しても、「これは抑制的な派遣である]と思い込んでしまうわけです。

    高村「もともと限定容認派だった安倍総理」

  • 読み易い。

  • 第一章 安全保障の矛盾
    安全保障は「確率のゲーム」
    戦前の「翼賛勢力」に似ているのはどっち?
    「原罪としての敗戦」という考え方
    「国益」の縛りがあった方が軍隊の派遣は抑制的になる
    個別的自衛権の拡大解釈が孕む危うさ
    トランプの「安保ただ乗り論」
    SEALDsの学生は「日本のいい子」
    「中国の脅威」はどの程度なのか
    尊重すべき「砂川判決」の法理
    もともと「限定容認派」だった安倍総理
    高村説、自民党を平定す
    25回にもわたった公明党との協議
    「安全保障環境の変化」は理解されにくい
    原爆で生まれたアメリカに対する道徳的優位の感情
    憲法学者の「領海侵犯」
    イメージと現実の乖離が激しい自民党
    軍事力の行使にリアリティが伴わない日本
    自衛隊の現場に溜まるマグマ
    憲法改正は可能なのか
    第二章 外交の矛盾
    「法理」はキープし、「当てはめ」は柔軟に
    米軍駐留の必要性と国民感情の相克
    対北朝鮮政策に「正解」は存在しない
    「ガツン」とやっても拉致被害者は帰ってこない
    「トランプ大統領」で日本外交の選択肢は増える
    安全保障論議はなぜ深まらないのか
    安倍、石破、小沢の政治スタンス
    与党内タウンミーティングという「擬似国会」
    集団安全保障の議論はしなかった
    北方領土問題は解決するのか
    「イラン、ミャンマー、キューバに行きたい」
    アメリカのメッセージをイランに言伝
    第三章 政治の矛盾
    小選挙区制が生んだ「政治主導」
    「政高党低」か「党高政低」か
    筋金入りの平和主義者・河本敏夫
    候補者発掘をどうするのか
    政界に自浄作用は働いているか
    議員の能力は人それぞれ
    許せるポピュリズム、許せないポピュリズム
    構造改革を支持する層が投票できる政党はあるのか
    「一本の矢」ではなく「千本の針」を
    「国益」がタブーだった時代
    自民党議員は「お勉強」をしない
    国会も「グローバルスタンダード」にせよ
    来るべき二大政党制のかたち




    なかなか読み応えありました。

    根っこから9条2項の改正ないし削除
    の正面突破するべきだとおもうけどなぁ


    青山繁晴さんは
    『現憲法下でも国際法上、拉致被害者の
    救出が認められてるって外務省が答弁してる。
    自衛隊もしくは警察の部隊で救出できることを意思表示
    をすることで交渉が加速するし変わる』
    って言ってたんで、奪還しに行けって言ってるんじゃないと思うけど。

    三浦さんの半笑いに怒る青山さん
    https://youtu.be/qTEY0D8A4Go

    三浦瑠麗×高村正彦との対談
    https://youtu.be/Cd4RmsaHzfs

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著者プロフィール

自民党副総裁
1942年生まれ。65年中央大学卒業。68年弁護士登録。80年衆議院議員初当選(現在まで12回連続当選)。94年自社さ3党連立・村山政権で経済企画庁長官として初入閣。以降、外務大臣2回、法務大臣、防衛大臣を歴任。2012年から自民党副総裁。17年9月、衆議院議員を退く。

「2017年 『振り子を真ん中に 私の履歴書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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