応天の門 12 (BUNCH COMICS)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 469
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784107722584

作品紹介・あらすじ

「そなたの兄は間違えた――そなたと家のために」。盗人の疑惑をかけられ検非違使に連れて行かれた道真を解放したのは、藤原基経だった。真意を知るため、基経の元を訪れた道真は……!?  歴史が動き出す、第12巻。

感想・レビュー・書評

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  • 無実の罪で疑われているのに、訴え人を恨まない道真が偉い。
    自力で解決したのに根回しが良いなどと言われるのもどうにも不愉快だ。自分たちが間違えたのに道真の話を聞かず、偉そうな坊っちゃんとはご挨拶である。
    基経は吉祥丸との思い出が分かってからちょっと印象が変わってきた。

    隠り世の話の中でそんなに京都に憧れるのかという道真に
    道真が唐を夢見るのと同じと言う業平の言葉が中々厳しい。
    お前はそうすればいい、お前の番になったらなというのも痛い。
    祠とはなるほど、流石道真である。
    是則の忠誠心も見上げたものだ。

    タマちゃんが元気そうで嬉しいが、災難なことだ。

  • 前巻までの展開、すっかり忘れてたけど、そう言えば確かに道真捕まってたわ。そしてまともに機能していない地方の実態などを目の当たりにして、悩まないまでも考えるところがあったのでしょうね。「隠り世」に繋がる村なんてのも、今昔物語で「奇譚」とされそうなものを、至極現代的な解釈で成立させているところが魅力的です。巻の後半で登場した甲斐国の土師忠道。見るからに善人そうな巨漢だけど、この後どうされてしまうのだろう…?貞観の富士山大噴火と絡んでいくみたいだけど。タイトルロールとも言える伴大納言がなんかしようとしているし。

  • 隠り世の話が好きだなあ。

  • 道真の無実を証明するための探偵業と、なぜか手を差し伸べてくれた藤原基経との対話。兄の話から、我が傘下に来ないかと言う誘い、遠回しの拒絶まで。そして、在原業平の桃源郷譚にまつわる当時の徴税の話。意外と実態はわかっていないのだろうかとコラムからは感じた。

  • 菅原道真、盗人に疑わるる事
    藤原基経はわかりやすく怖いけど、島田忠臣は忠臣で怖いな。顔が無表情で怖い。

    在原業平、山中に桃源郷を見る事
    税金がうまく集められなくなって国が滅ぶってのは、洋の東西を問わず言われている事ですが、この事態の日本なんてひどいものだったんじゃなかろうかと勝手に想像。

    土師忠道、菅原道真と遇する事
    864年の貞観大噴火の6月の話、どうも土師忠道は翌年の865年に源信の武力を削ぐ目的で昇進して飛ばされる模様。
    最後の伴善男の顔が悪いな。これは完全に悪者。
    まぁ、あと2年で応天門の変だし悪者顔にもなるか。

  • なんか基経にも気に入られた?/当時の戸籍と徴税制度の解説、戦国時代あたりまでずっと変わらなかったのかねえ。

  • 面白かった~ヾ(≧∇≦)〃
    自力で硯盗難事件の解決…したはずなんだけど
    なぜか基経により解放された道真。
    ???と思いつつも基経の真意を知るため
    屋敷を訪れるが…!!
    『頭を垂れる先を誤るでないぞ』と、
    怖い、怖い、宮中は恐ろしいところヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

    そして「隠り世」こと桃源郷の秘密。
    当時の税の仕組みや理不尽さがよく分かる、
    ここで道真は地方の現実を知ることになる。

    で、一息ついたところで864年の貞観の富士山の大噴火、
    ここでも道真が何らかの策略に巻き込まれる予感!!!!Σ(ll||д゚ノ)ノ

  • 安定だわ~

  • 道真が基経に明らかロックオンされてて危ない危ない。
    現実的な業平となるだけ理想を追いたい道真のコンビも毎度心地よい。
    土師忠道、この人はいい人だ(確信)。

  • 前巻から続く硯泥棒の解決し、業平の出会った『隠り世』の真実を求め共に山中に赴き都の外をその目で見ることになる道真。
    硯泥棒に絡み、藤原基経と不本意ながらも接近することになり段々と物語が政の厭らしさを含んでいきます。
    『隠り世』で人々の暮らしの悲惨な実情と貴族である自分の現実に歯痒さを覚えたり、正論と現実の矛盾に悩んだりと学問だけの世界で生きていた子供から世間を知り成長する様は将来の右大臣の基となるものを吸収しているように思えます。
    歌と女にうつつを抜かしているらしい業平の正論だけでは解決しない世間を道真に教え、ヒントを与える姿も好感が持てました。

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著者プロフィール

はいばら やく
漫画家。東京都在住。女性。
元々は同人作家として和泉八雲名義で活動。2006年に「コミックZERO-SUM」にて『とかげ』でデビュー。2017年、在原業平と菅原道真が怪奇事件の謎を解き明かそうとするクライム・サスペンス作『応天の門』で第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞し、これが代表作となる。

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