アメリカを超えたドル: 金融グローバリゼーションと通貨外交 (中公叢書)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120031496

作品紹介・あらすじ

国際金融の世界は、あらゆる人間の営みが、為替レートや金利といった数字に翻訳されて売買されるドライなビジネスの場で、国家や政治とは無関係であるかに見える。だが実は、それは諸国の対立と協力の織りなす外交の場であり、人々のさまざまな思惑や世界観が交錯する人間のドラマの場でもある。国際金融における国家と国家の政治的関係に焦点をあてて分析した本書は、通貨外交を通して見た戦後国際政治史でもある。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルは割かし過激に思うのだが、内容の方は真っ当な通貨外交に関する一冊になっている。つまり、アメリカがドルに関する問題にどのように対応したのかについて、戦後から現代までを描いた通史となっていて、初めに分析枠組みらしきものが説明されていたり、終わりにグローバリゼーションの弁証法などと大仰なものは存在したりしているが、案外中身は堅実な外交史ものである。こういったまとまった学術書は稀少であり、とは言えタイトルや大風呂敷との乖離感じられ、その意味では喜ばしくも少し残念でもあった。
    国際政治経済学者ということらしいが、結局は通貨史とどう違うのか、どうにも判然としない。結局この分野は今一つ確立しきらなかった印象がある。十分面白かったが。

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著者プロフィール

慶應義塾大学法学部教授。専門は国際政治経済学。
京都大学大学院法学研究科博士課程中退。博士(法学)。
主要著書に『越境の国際政治』(有斐閣、2019年)など。

「2021年 『素顔の現代インド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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