覘き小平次

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 816
感想 : 90
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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120033087

感想・レビュー・書評

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  • 静かで静か。周りはどろりと熱い。面白かった!読み終えるとしんとした気持ちになる。

  • 主人公の小平次が極端に喋らない。動かない。しかし、それでも人は小平次を嫌い、厭い、恐怖し、羨望の眼差しで見る。小平次はいないものであろうとするが、周りはいないものとして見られない。そうして、業を煮やした連中が小平次に行動をしかける。
    同じ名前が出たので、百物語に出ていた人物も出ているってことでいいのかな?似たキャラ設定だったしね。
    小平次が嫌がりそうなことをしてなんとか気を引かせようとするお塚がなんか可哀想にも見えたけれど、多分彼らはこれでいいんだろうなぁ(笑

  • 巷説でおなじみの治平や徳さん、又市が登場するので
    仕掛けが主かと思ってしまったけど

    あくまで小平次とお塚の心情が主だったのだと
    読み終わって感じました。



    お塚は小平次のことが
    心底嫌いなんだろうけど
    どこかですごく好きなんだろうなあ。



    女心はふくざつ‥‥‥‥‥
    男女の仲はもっとふくざつ‥‥‥‥‥

  • 涙もでなかったのに、揺さぶられた一作
    死んだ人も生きている人もいる

    あの人の働きは相変わらずのようでわかりやすくはあるが、今回は全くの水面下
    作戦は失敗なのか成功なのか知らないけど、全て丸くでは収まらず

    シリーズの真骨頂
    覚悟とは別に ひとは矛盾に生き、戸惑いもがき抗う
    自分の好みの一つを再認識

  • 優しい、物語なのだ。生きている、ひとの。

  • ツンデレ

  •  又市たちの仕掛けを枠の外から感じざるを得ない、『必要人物以外の者』の立場を体感し、これも作者の策の内かと苦笑する。
     個人的に、治平の胸の内を聴けたのが良かった。
     ――コトは、語らなければモノにならない。
     物語にすることで、血が通う。
     また、語る故の怖さが解かるほどに、語れなくもなる。
     楽に生きるばかりが能ではないと言われる通りだし、生きる怖さにそ知らぬ振りをせず、怖いなら怖いままでいいのではないかと思う。
     何だか解からないものというのは、漠然と怖い。
     けれど、解かっていた筈のものが、そうではないかもしれないと気付いた時の戦慄は、もっと怖い。
     そんな薄ら寒い震えと掻き消えぬ怖さを、当然とやり過ごし、あるいは気付かずに済みながら、人は生きているのだろうか。
     人を壊すのも人で、人を癒すのも人で。
     結局、人にとって、良くも悪くも一番怖いのは、人なのだろう。
     じわじわとひたひたと、人の『現実』が『創られ』ゆく過程の、怖さと微妙な快感に酔うてみる。

  • 読み終わって、なんというか、

    嗚呼、幸せなんだ。

    と思った。


    小平治が羨ましくなってしまった。

  • 小平次はなにもしていないのに、彼をめぐってまわりが大きく動いていく。

  • 途中もどかしかったりするけれどかなり好き
    心に届く台詞がたくさんあった


    2月5日 読了

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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