しょうがない人

著者 :
  • 中央公論新社
3.39
  • (4)
  • (37)
  • (46)
  • (8)
  • (0)
本棚登録 : 219
感想 : 43
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120042348

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • パートで働く中年主婦が主人公。親戚とか、家族とか、旦那の家族とか、娘とか、パート仲間とか、お客さんとか、いろんな「しょうがない人」が出てきてそれに愚痴るのだけど、実は自分もそれなりに「しょうがない人」なのだ。きっと誰もが「自分だけが常識的でちゃんとしてる」と思ってる、そんな心の奥をつつかれます。ホントに困った「いるいる」な人たちが出てきて、ニヤニヤできる作品です。

  • +++
    ネットショップ「スマイル・スマイル」のパート従業員・河埜日向子は、夫と中学生の娘がいる43歳の主婦。社長にして親友の渚左や、パート仲間と盛り上がる話題は、今まで出会った「しょうがない人」たち。―仕事、結婚、不倫、見栄、子育て、心の癒し、老後、財産などをめぐり、常連客や商売相手から、親戚、家族に至るまで、「私の事情」を盾に迫る人々を、著者ならではの軽妙なタッチとユーモア溢れる筆致で描く。
    +++
    「「はいはい、あんたはエライ」」 「結婚にはつきもの」 「ドラマチックがとまらない」 「思春期モンスター」 「狸男に未来はあるか」 「スピ様、お願い」 「普通にお家騒動」「厄介な荷物」 「世界で一番しょうがない人」
    +++

    要するに、日向子の周りのさまざまなしょうがない人の愚痴話である。日向子はそんなことは思ってもいないだろうが、日向子自身も実はしょうがない人のひとりのように見える。そして、日向子や「スマイル・スマイル」の社長やパート仲間の愚痴に、そうそうそうなのよ、と何度も深くうなずく自分自身も問答無用でしょうがない人の仲間入りであることを思い知らされるという仕組み(?)にもなっている。あーだこーだと愚痴をいい自分に言い訳をしながらなんとか日々をこなし、人間関係を捌いて生きていくのが人生というものなのよ、とまるで自分の愚痴を思い切り聞いてもらったような心地になる一冊である。

  • 中高年女の愚痴や行動を書くのが、相変わらず面白いですね(苦笑)
    介護、定年になりお荷物(?)になっている夫、嫁姑、同居、姉妹・姉弟間だから起こる肉親の争い、心の読めなくなってきた子どもたちなどなど、身近なことばかりです。
    何だかんだ言って、それでも主人公はとても恵まれて幸せなような気がします。(というのも、読者の僻み根性か?)

全43件中 41 - 43件を表示

平安寿子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×