窓辺の風 - 宮城谷昌光 文学と半生

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120047824

作品紹介・あらすじ

作家生活25周年を記念する唯一無二の自叙伝。秘蔵写真多数収録。

感想・レビュー・書評

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  • 京都鷹峯の光悦寺。山門が道路より低く石段を下りてゆくことになる。広くない石段の左右に萩が続いていて、参詣者のからだにあたる。萩は花をつけていなかったが、風情があり、寺に雅趣を感じた。氏の想念に去来するのが柴田錬三郎の小説の光景。よほど好きなのだと自嘲される。文章に綾を織り込む直截的な方法は対象を明示する。文章の美しさとはそういうものと思っていた二十代の頃は、司馬遼太郎氏の小説をわずかに読み、すぐに棄てられたという。直木賞作家ではあるが、基本には美しさを信奉する川端がある。自分自身が宮城谷の美しさに強く心惹かれるのは、あぁだからなのかと妙に得心した。巻末の未発表作品はむき出しの美しさを伝えてくれる。商業的には難しいのかもしれないが、自分ひとりの心を打つのにはあまりあるものばかりであった。ファンにはたまらない一冊。

  • 中国歴史小説の大家が初めて明かす生い立ちと文学修行。すべてが文学へと昇華していく半生を語った読売新聞好評連載「時代の証言者」に、書き下ろしエッセイ「おまけの記」を付す。

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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