白百 (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
3.24
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本棚登録 : 222
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120050367

作品紹介・あらすじ

――白があるのではない、白いと感じる感受性だけがあるとかつて書いた。白が、色ではなく白いと感じる感受性や心理であるなら、その現象を連ねていくという方法で、白に接近してみるのも自然である――

著書『白』(2008年、中央公論新社刊)では、日本の美意識に潜在する「空」=空っぽで何もないものについて、「白」をキーワードに語った。それは、著者自身のデザインの根幹にかかわる感覚でもあった。本書『白百』では、概念的だった『白』に対して、より具体的な事象としての百例の白を挙げて語る。日常で接する道具や食べ物、記憶の束から引き抜いたもの、日本文化のなかの白、仕事のなかで感じていることなど、様々な白を通して、著者が考えるデザインの思想がうかびあがる。前著から10年のあいだ反芻してきた「白」についての完結編。

感想・レビュー・書評

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  • 白フェチなので嬉しさのあまり頭の中が真っ白に。

  • 白を読んでから

  • 【繊維学部図書館リクエスト購入図書】
    ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB25333955

  • 著者本人の装丁。何から何まで潔く白い。読むと心が穏やかになる。

  • 小さめの字で改行少なく印刷されているので、余白が多い割には読了に時間を要した。
    視点や感覚が面白いなと思うと同時に、1つのテーマで長期間考え・書き続けるってのも面白いことだなと。色々に解釈や着眼点が展開していく。
    "もの凄く面白い本" って訳ではなかったが、"読んで時間を損した" 感じは全く無い。 たまにはこういった理屈コネ回し系の?文章を読むのも、ダレ切った頭の体操になるような気がする。

  • 日本文化を支える要点であり、自身のデザインの根幹にある感性「白」について百の具体例を挙げて語る。前著『白』と対をなす完結編。


  •  百に一つ足りない。

    空気
     なぜ透明か?
     見分ける必要がなかったから・・・


     脂肪やたんぱく質がすべての光を乱反射させる白。
     生温かく安心感ある匂い。
     三島由紀夫「金閣寺」の和装の女の乳の色。

    日本文化の中の育まれてきた創造性
     人跡未踏のみではなく、
     さっぱり個を始末し、普遍に手を伸ばそうとする姿勢。
     そこに自分の足跡を重ねる。

    文化の本質
     その土地の固有性にある。
     一途な思いによって育まれた価値は
     どういう時代でも生き抜いていける。

    虚を衝くリズム
     鼓は予測された間を巧みにかわしつつ響く。
     尺八は待ち構える耳の緊張がふと緩んだその隙を衝いて鳴る。

    空「うつ」
     中が空白で虚ろな状態。
     満たされる可能性そのもの。
     そこに豊かさを見立てる目。

    わたし
     生に対する概念を
     一世代を中心に限定する。

  • 100殺!ビブリオバトル No.24 午後の部 第4ゲーム(3班)

  • 白をテーマに100のことを書いた本。最後の方は白にするには無理がある…

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著者プロフィール

グラフィック・デザイナー。1958年岡山市生まれ。武蔵野美術大学教授。日本デザインセンター代表。
文化は本質的にローカルなものととらえつつ、日本を資源に世界の文脈に向き合うデザインを展開している。広告、商品、展覧会、空間など、多様なメディアで活動。
著書は『デザインのデザイン』(岩波書店/サントリー学芸賞受賞)、『白』(中央公論新社)ほか多数。

「2014年 『みつばち鈴木先生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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