僕と彼女の左手 (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
3.52
  • (15)
  • (59)
  • (51)
  • (11)
  • (3)
本棚登録 : 375
感想 : 49
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120050411

作品紹介・あらすじ

幼い頃遭遇した事故のトラウマで、医者の夢が断たれた僕。そんな時に出会ったのは、天真爛漫な少女・さやこだ。彼女は左手でピアノを弾く、不思議な子だった――。《欠陥》をもつ二人が奏でる、爽やかな青春恋愛ミステリ!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この本の感想を書くのは私には難しいのでやめておくことにした。
    でも一つだけ言えるのは音楽は人を支えてくれるってこと。
    あと悪い本でもない。
    良い本だった。

  • 悲しい出来事に傷ついた習が、ここまで心を壊していたことに驚くと共に辛かった。

    一方で、そこまで壊れた心でも人の優しさと愛情で修復していく可能性があることに希望が持てた。

    でも、全部読んでから、ここまで心を壊していた習を、自分の夢のためとは言え長期間ほっといたさやこに驚いた。もしかしてっていう怖さの中で戦っていたのだろうか?

  • 「明日から私の家庭教師をしてください」
    幼い頃遭遇した事故のトラウマで、医者の夢が断たれた僕。
    そんな時に出会ったのは、左手でピアノを奏でる不思議な子・さやこだった。
    天真爛漫な彼女にいつしか僕は恋心を抱くようになるが、
    同じ時間を過ごせば過ごすほど、彼女の表情は暗くなっていく。
    彼女はいったいどんな事情を抱え、僕のところへきたのだろうか。
    その謎が解けたとき、僕らはようやく最初の一歩を踏み出すことができる―。


    12年前の電車事故のトラウマから目指していた医師の道が閉ざされた。
    もう生きてても仕方がないと思っていたどん底の時に、
    偶然学校に迷い込んできた入学希望のさやこと出会う。
    笑顔の素敵なさやこ。
    右手が動かないハンディを苦にせず、とても前向きに
    左手一本でピアノを弾いてる。
    彼女が奏でるピアノの音色どんなんだろうって想像しまくりました。
    そんな彼女と過ごす内に惹かれて行く習とさやこ。
    ある日突然無連絡が来なくなった。

    最初は大学生の爽やかな恋愛とクラッシックとピアノを交えた
    お話かなぁ~と思って読んでいた。
    プロローグは一体何だったのだろう?
    医学部棟の屋上での出会いは何だか不自然だなぁ?
    気になりつつ二人の恋模様を見ていた。
    少しずつ明らかになった真実。
    そっかーそうだったのか…。
    謎解きは楽しいですね♪

    このお話を読んで福知山線の脱線事故を思い出した。
    生き残った人や周りの人々、やっぱり今でも大変な思いをして
    生きているんだろうなぁ…。色々思いを馳せました。

    この本の主人公達二人の未來が気になります。
    知りたいなぁ

  • 突然現れた右手が不自由な少女と。
    目標を見失って彷徨っていた医大生の物語。
    最初は何とも甘酸っぱい物語かとも思ったけど。
    進むにつれ関わってくる過去の列車脱線事故。そのトラウマ。
    それを乗り越えて未来へと向かう様が描かれていました。
    前向きな気持ちにさせられる。そんな作品でした。

  • 映画でありそうな感じの話。
    過去に巻き込まれた事故のトラウマで苦しむ僕が、ある日出会った彼女は、左手だけでピアノを弾く。

    彼女の嘘の理由等は分かりやすいので、ミステリーというよりは、恋愛小説という感じで読んだが、さらさら読みやすく、嫌な人もいないので読後感も悪くなかった。

    ちょっと不満なのは、最後の手紙。
    ミステリーとしては種明かししたかったのかもしれないが…。
    そして何より、この作品は校閲をきちんと受けているのかなぁ。
    最後の一行でまさかの誤字なのか、それとも違うことに何か意味があるのか?
    個人的には、あの手紙によってプロではない作品に思えてしまうのが、残念です。

  • 小学生のときに遭遇した列車事故がトラウマとなり、医師として致命的な欠陥に向き合うことになった「僕」。その前に右手を麻痺した少女が現れ、「僕」は彼女と彼女が弾くピアノに魅せられていく。
    静かでまっすぐな再生の物語。

    さやこが弾くピアノを聴いてみたい。

  • 後半のさらさら進む感じがすごく良くて
    あっという間にだーっと読んだけど、
    最後の一文がどうしても理解できない。

    どこかちゃんと読めてないのか…
    気になっていろいろ調べたけど出てこないし、
    わざとじゃないことはないよね?

    もやもや

  • トラウマを抱えた医学部に通う男性が、ある時突然、右手の不自由な女性と出会う。

    女性は左手だけで見事なピアノを弾き、男性はそのピアノに惹かれる。

    最初に感じた不自然さは最後にちゃんと回収される。

    綺麗なお話でした。

  • とってもふんわりとしたあったかい気持ちになれる物語だった
    人間の弱い面を書き出しつつも
    今回は悪い人が出てこない。
    だんだんと主人公が変わっていく姿に嬉しさを覚えた。
    この作家さんの本の中でおすすめの一冊

  • 左手だけで弾くピアノへの情熱が感じられました。
    さやこが基本ポジティブで自分も他人も肯定して生きていける子なので、物語り全体も明るく軽やかで読みやすかったです。内容は深刻ですが力強さが後に残るのが良かったです。

全49件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

神奈川県生まれ。東京大学在学中の2014年、「夢のトビラは泉の中に」で、第13回『このミステリーがすごい!』大賞《優秀賞》を受賞。15年、同作を改題した『いなくなった私へ』でデビュー。21年、『十の輪をくぐる』で吉川英治文学新人賞候補、『トリカゴ』で大藪春彦賞受賞。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

辻堂ゆめの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×