ロング・アフタヌーン (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 97
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120055119

感想・レビュー・書評

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  • 編集者の元に、1人の小説家志望の主婦から原稿が送られてくる。
    最初はその原稿からで始まるんだけど、その小説自体も切り口がすごくて唖然とした。
    これは小説にしかできない表現で、呪いを解いていく女の話で、もうなんか言葉にできない。

  • 女性の生き方について思い巡らしながら読み進めていった。
    作中作の中で、コンビニで見たクレーマーの男が実は自分の夫だった、という表現にはギョッとした。
    女性が一人の尊重されるべき人間として、どう生きていったら良いのかを問うている小説なのかな…と感じたが、終わり方は今ひとつよくわからなかった。

  • 実際の話、小説の話が混同してくるけれど、それぞれの登場人物の魅力があって面白い。
    夫や息子の、この価値観の人と過ごすのはしんどいなと感じたり、仲が良いと思っていた友達が、実は自分の中の存在でハッとさせられたり。最後のたえさんのイメージもいい意味でギャップがあって、面白かった。

  • 03月-13。3.0点。
    女性編集者の主人公。以前短編で新人賞を取れなかった主婦が、再度短編を主人公に送ってくる。。

    作中作の出来はかなり良い。のめり込むように読める。
    主人公の心の葛藤と、作中作が共鳴し合うような物語。

    面白かったのだが、ラストがあまりにもあっさりし過ぎる気がした。

  • 穏やかな午後の昼下がりをイメージして読むと良い意味で裏切られる。

    物語全体に漂う不穏さとスリリングな展開から目が離せない。

    本作には『犬を飼う』『長い午後』と題された作中作が二編登場する。
    前者は「小説新央短編賞」の最終選考まで残った作品。
    後者は7年後に再び出版社に届いた原稿。

    この作中作で語られる男性性への嫌悪は、そのまま作者の実体験が反映されているかの様でノンフィクションを思わせる。

    更に女性性ならではの生き辛さに葛藤する編集者の思いと共鳴する事で生まれる共犯関係。

    自分の意思を持ちたいと願う女達の想いが刺さる。

  • 構成も内容も面白かった。

  • もう一回読み直してみたい。
    文中小説もよくできてる。

  • 2022.11.5-564

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50296854

    ミステリーですが、リアルな心情と作中小説との絡みによって一層引き込まれる作品です。(病理学研究室 尾崎清和先生推薦)

  • たまたま「同志少女よ敵を撃て」の後に読んだのですが、類似点が多くてちょっとびっくりしました。男に抑圧された女性の反撃が描かれていて、レズビアンを思わせる関係もあり、作者は共に男性。にもかかわらず女性の心理描写が秀逸で、途中でほんとにこの筆者は男性なのかとググってしまったところまで同じ。

    フェミニズム文学を読んでいる気持ちになってしまい、そのせいかやや物足りなさを感じてしまいました。ミステリーとしては十分に面白かったです。

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著者プロフィール

葉真中顕

1976年東京都生まれ。2013年『ロスト・ケア』で第16回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞しデビュー。2019年『凍てつく太陽』で第21回大藪春彦賞、第72回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。

「2022年 『ロング・アフタヌーン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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