- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120056475
作品紹介・あらすじ
コメンテーターや情報番組MCが唇を削がれ十指を切断される連続殺人事件が発生。額には「粗大ごみ処理券」のシールが。被害者の共通点はこの国の「老害」を糾弾していた。一方事件を担当する神谷刑事の娘は、出会い系アプリで知り合った男と会った後失踪した友人の行方を追うが、片胸を切り取られ殺害されていた。これらの殺人事件にはある共通の人物が浮かび上がったが、その背後に「昭和殿堂会」なる組織の存在があった。
感想・レビュー・書評
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※
自己中心的で身勝手な欲望に人生を狂わ
された父娘の闘いと互いを思い合う絆の物語。
汚い大人に騙され、絶望感の底の底まで
追い詰められた末の結末が哀しかった。
巨悪に対抗できない自分の無力さと
法で合法的に裁かれない理不尽さに
行き場のない怒りとモヤモヤが残りました。
ーーーーー
出会い系アプリをきっかけに昨日までの
平凡でありきたりな時間が一変した刑事の娘。
損得を考えず正しいと思ったことを貫き通す、
頑固で不器用な父親の刑事。
常に事件の傍に身を置き、犯罪を日常的に
肌で感じてながら暮らしていても、まさか
その火の粉が自分の身近に降りかかるとは
思ってもいなかった。
そのまさかが現実になって不安や恐怖に
あっという間に飲み込まれ、絶望の底に
瞬く間に転がり落ちるような急転直下の
ミステリー。
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眼を逸らしても、事実は変わらない。
現実から逃げても、事実は変わらない。(P.226)
パパ活や出会い系といった現代の闇というか、お金と欲が渦巻いている現実を身近に感じさせるような作品。失踪した親友を助けるために、敵に向かっていく朝陽ちゃんの行動力、そして何より印象的だったのが、佐藤をメッタ刺しにするシーン。女子高生、雨、血の赤、新堂さんの文章だけで、残酷なのに美しいシーンへと変わっていく。神谷の暴力的だが、娘は人一倍大切にしている2面性のある人物で、実際に私の上司だったら嫌なタイプかもしれないが、どこか憎めないキャラクターだった。金と権力のある高齢者が、老害と言われ、実際に怒りを持っている人も大勢いるのだろう。ポールみたいにクズで気持ち悪い人物の描き方が秀逸で、こんな人間に出会いたくないと思わせる新堂さんは、実際にこのような人物と関係を持ったことがあるからこそ、描けるのだろう。
私の知らない世界が広がっていて、現実味はあまり感じられなかった。 -
タイトルに惹かれて読んでみた久々の新堂さんだったけど、短絡的でツッコミどころ満載の…新堂さんらしいと言えばそうなのかもしれないけど、やっぱまたしばらくスルーでいいやw
この内容でハードカバーで出版されるなんて、大物だなぁ。 -
色々とヒドすぎた…
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最悪,読まない方が良い。後悔した。
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なんて救いのない物語なのだろう。
友情と親子の絆の深さ以外に、肯定できる要素がなさすぎる。
だが、描かれていることは、まったくの荒唐無稽と言い切れそうになく、それが一層歯がゆいやるせなさを誘うのだ。
老いも若きも、一体全体何を考えているのだと、拳を机に打ちつけたくなる一冊。 -
星1もつけたくないくらい、のっけから反吐が出そうなほど酷い。気持ち悪いし、人としてどうなんかって思える部分が多々ある。
読もうと思っている人、1回踏みとどまってください。
ホンマに結末まで気分悪くなるから。
それでも読みたいなら覚悟の上。
でも、現実から見た上では、こういうことが知らないだけで多くあるんだろうなと思う。
小説の内容としては星はマイナス。
しかし現実世界ではこれがありうる題材、目を背けたくなるようなこと、そして正義が勝つでは終わらない、人生を全て悲嘆と絶望で過ごす人がいることを踏まえると、よく書いたなと思う。
ただ、タイトルと内容一致しないよね…
誰か第三者が刑事の娘は何してるってハッシュタグでSNSにあげてるわけでもなんでもない…
単行本化にあたってタイトル変えた方が良かったんじゃないかな…じゃないと知らなくて読んでショック受ける人出るよ… -
いつもの新堂冬樹ですね
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なかなか後味があまり宜しくない感じでした(^^;
捜一刑事とその娘が戦う相手は、巨悪の塊のような老害たち。自分たちが殿上人のように振る舞いに嫌悪感が否めない。
展開は読みやすいが、如何せん後味が。。。