そして誰かがいなくなる (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
3.49
  • (9)
  • (38)
  • (48)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 784
感想 : 48
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120057441

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 読売新聞の書評欄に作家の実際の自宅をトリックにした小説で、もの凄い豪邸である。と載っていたので図書館で借りました。


    ミステリー作家でデビュー20周年の御津島磨朱李の自宅に招かれた作家の、林原凛、錦野光一、藍川奈那子と娘の美々、獅子川正と文芸評論家の山伏大悟、編集者の安藤友樹、名探偵の天童琉、執事の高部。

    そしてお約束。
    館は大雪でクローズドサークルになります。

    そして、御津島はいいます。
    「私は今夜、あるベストセラー作家が盗作であることを公表しようと思う」

    そしてその夜、御津島は叫び声を上げてどこかに消えてしまいます。

    御津島は殺されたのか…?
    そして第二の殺人も起こりますが…?

    考えたのは、作家と盗作のことくらいで心に訴えかけてくるものはあまりありませんでした。

    豪邸の写真がもっとみたかったと思いました。
    写真の数が少なく、新聞で書評に載るほどではないと思いました。

    • くるたんさん
      まことさん♪こんばんは♪

      レビューの最後の一文がいいですねꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)アハハ

      まさにその通り!
      雰囲気といい、バツグンなんですけどね...
      まことさん♪こんばんは♪

      レビューの最後の一文がいいですねꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)アハハ

      まさにその通り!
      雰囲気といい、バツグンなんですけどね〜。
      下村さんは初期の作品の方が光ってたな…なんて思う今日この頃です^^;
      2024/04/19
    • まことさん
      くるたんさん、おはようございます♪

      コメントありがとうございます♪
      下村さん、私はこれが3作目で初期の作品は知りませんが、
      『アル...
      くるたんさん、おはようございます♪

      コメントありがとうございます♪
      下村さん、私はこれが3作目で初期の作品は知りませんが、
      『アルテミスの涙』は一風変わった面白いお話でしたね。
      『コープスハント』はなんか残虐だったような覚えがありますが。
      うん、そうですね。
      もっと豪邸の写真たくさんみせて欲しかったです。
      2024/04/20
  • 豪雪で閉ざされた洋館で… 超現実的な世界観に吸い込まれる本格ミステリー #そして誰かがいなくなる

    ■あらすじ
    大御所の覆面ミステリー作家である邸宅に、新人作家や評論家たちなど、ミステリー書籍関係者が招かれた。初めて見る大御所作家と豪華絢爛な洋館に圧倒されつつも、彼らは楽しい時間を過ごしていた。ところが招待されたその晩、突如叫び声が聞こえて…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    館ものクローズドサークルの本格ミステリーです。元々どういう背景をもとに作られたミステリーであるか分かっていたのですが、どうやってまとめてくるか興味津々でした。落としどころもバランスも見事で、しっかりと作品を堪能させてもらいました。

    内容はド定番の本ミスで、豪雪で閉ざされてしまった洋館と、然もありなんなキャラクター達が登場。最たる人は大人気のミステリー覆面作家で怪しさ満点。そして完全に死亡フラグなんですよね。

    ストーリーもこれまたスタンダードで盗作疑惑からの人物消失という展開。これからどんな事件発展があったり、推理や解法が待っているかとおもうと、ファンとしてはワクワクが止まらないすよ。

    特に本作は世界観の出し方のコダワリが半端ない、特に導入の数ページ、この雰囲気は素晴らしい。いきなり犯人と被害者の緊迫のシーンから、館の写真や見取り図がキレイ…そして読めば読むほど素直なミステリー展開で、まるでその館にいるメンバーになってしまったかのよう。すっかりと物語に没入してしまいました。

    本作でイチ推ししたいのは、核となるメイントリック。もちろん詳しくは言えないんですが、私が何より気に入ったのは、間違いなく下村敦史先生本人が楽しんでトリックを書いているということ。作品への愛情も伝わってくるし、読者としてはこれほど嬉しいことありません。

    ■ぜっさん推しポイント
    いつもたくさんの作家先生の作品を読ませていただいてます。本作はそんな先生たちのご苦労が垣間見れる作品でもあります。デビューできてもベストセラーがなければ食べていくのも大変だし、一億総SNS時代で誰かれ構わず作品についてアレコレ言われちゃう。盗作なんてするつもりなくても、どうしても作風やトリックも似ちゃうし、有り体などんでん返しでは誰も驚いてくれない。

    …いやーすみません、私もいつもアレコレ言ってしまって。でもでも読書大好き人間としては、まだまだ楽しませていただきたいですよね^^ 次回作も期待しています。

  • 社会派ミステリーの印象が強い作家さんだが、今回は洋館を舞台にしたクローズドサークル。

    大人気作家の新邸のお披露目会に招かれたのは作家や編集者、評論家である。
    覆面作家がいきなり素のまま登場し、挨拶だけで書斎に引きこもり…
    叫び声と同時にいなくなり…。
    これだけではないだろうなと思っていたが、エピローグでこういう結末か…となる。

    どうもこういうのは一気に読まなきゃ落ち着かないわけで、結果私にとっては薄い感情しか残らない。
    凝った構成になっていて凄いなぁとなるが、心が揺さぶられるというのはないところが物足りなさを感じる。




  • 図書館に早くから予約しておいたので、早目に借りられた。ありがたい。

    まず表紙をめくってからの冒頭の写真が「うわ〜!いかにも(何かが起こりそう)なお家!」だったので、CGかスタジオかと思った。

    黒地に白文字の部分と、プロローグを読んだ段階で、後ろのQRコードと謝辞を読んだ。
    既にマスコミ等で公表されていたり、作家さん達のSNSで話題になっていたようなので、このこと自体はネタバレにはならないと思うが、この凄い「館」は下村敦史氏が数年前に建てた実邸だということがわかった。
    私が知らなかっただけだ。

    謝辞に出てきた施工会社の方々が、プロローグにそのまま実名で出てきていたので、この方々はこれから起きる事件の犯人てことはないなと確信して続きを読んだ。
    ところが本文に「犯人役でも殺される役でもいいから自分の名前を出して欲しい」と作家さんは頼まれることがあると書いてあったので、自分の思い込みはそこで覆された。

    ちなみに先頃読んだI氏のエッセイでは、殺し屋の名前にはI氏が好きな人物や書物名から取っていることが知れたし、やはり最近読んだO氏の小説には私の知人と同姓同名の登場人物がいたし、大物作家H氏のある小説の犯人の苗字(珍しいほどではないが、ありふれてもいない)が我が家と同じだったこともある。
    きっとH氏のお知り合いに、うちと同じ苗字の方がいらっしゃったのだろう。

    さて本書の内容に関しては、他の方のレビューにも有るが、地の部分で非常に読みにくい所が多かったように思う。
    大体は直前のセリフを言った人物目線なのだろうが、それにしてもどうも誰の視点なのかわからなくなる書き方だ。
    著者の『同姓同名』は、そのまま同姓同名が山ほど出てくるのに、もの凄くわかりやすく書かれていたことをレビューで絶賛した私なので、同じ作家さんなのに本書のその部分は少し残念だ。
    地の部分が誰目線で書かれているのかがわかりにくいこと以外はとても読みやすかったので残念に思う。

    また、本筋ではないが妙なところに引っかかる私が悪いのだが、「いかがいたしましたか」(254ページ)というセリフというか言葉が私は嫌いだ。
    それこそ先の大物作家さんH氏のホテルシリーズのレビューにも書いたが、「いかがいたしましたか?」という言葉に、その時も私は腹を立てている。
    ホテルマンや本書での執事が、困った様子のお客様に対して使うべき正しい敬語は「いかがなさいましたか?」という尊敬語じゃないだろうか?と思うのだが…。
    「いたす」は謙譲語。
    どちらの小説のシーンでも、ホテルマンや執事の方が何かやらかしてしまったわけではないのだから。

    【ネタバレ】


    エピローグで語られたことの内の2点は(ネタバレになるので具体的には書かないが)私が最初からやってみたり疑ったりしたことが正解だった。
    だから、あまり驚きは無い。

    しかし全体としては面白かったし、何よりもこのようなこだわり抜いた「館」を実際に建て、丸々使ってミステリー小説を書いたことが素晴らしい。
    「ここまでこだわった家造りには、調べたり打ち合わせだったりで、もの凄く時間がかかったんじゃないかな?お忙しいだろうに」と思ったのだが、まさかそれが…。

    (それにしても普段のお掃除、外注してるのかな?)

  • ミステリー作家の新居お披露目パーティーに招かれた面々。
    新居は、アンティークが設えられ
    密室になるべく設計された、いかにもな洋館。
    雪に閉ざされたその館で、今宵事件が…。

    あまりにも正統派…!
    もう舞台が整いすぎて、
    誰もが待ってました!となる展開。
    めちゃくちゃおもしろかったです。

    一言、これだけは言っておきたい。
    最後の一文に、、、やられた!!!

    追記:
    下村さんの自邸を舞台にしたこの作品、発売前に、知念実希人さんとのトーク&下村邸見学ツアーのイベントがオンラインで開催されました(一般応募・有料)。仕事でムリだったんだけど、見学ツアー参加したかった…。

  • 目を奪われる一冊。

    作家、編集者らが招かれたのは人気ミステリ作家の新築豪邸お披露目会。
    しかも次第に空模様は雪に。
    ついに豪雪に閉ざされてというお約束の展開。

    豪邸描写といい、雰囲気といい惹きこまれる要素がふんだんにあるのが良い。

    謎が謎を呼び、この中の誰かが…と、人間関係の雲行きも怪しくなってきてワクワクしたけれど、魅力的な登場人物がいなかった。

    一部想像がつく部分もあり、驚愕、してやられた感もさほど。

    謎解きよりも最後まで豪邸に目を奪われるミステリって感じかな。

    実際、こんな豪邸に住んで執筆されているのか。ふーん…。

    • くるたんさん
      まことさん♪こんにちは♪

      読売に⁇見落としてました(゚o゚;;

      そうそう、期待値は上げなくていいです(^^;;

      ミステリか豪邸か、どっ...
      まことさん♪こんにちは♪

      読売に⁇見落としてました(゚o゚;;

      そうそう、期待値は上げなくていいです(^^;;

      ミステリか豪邸か、どっちに目を奪われるかで評価は変わるかな〜。
      それを試される作品でもあります✩⡱
      私は完全に豪邸でした(๑•́ω•̀)
      2024/04/13
    • あいさん
      ろこちゃん、こんにちは(^-^)/

      タイトルはそそられるんだけどね(^_^;)
      なかなか手を出せないままです。
      そろそろ長編ミステリを...
      ろこちゃん、こんにちは(^-^)/

      タイトルはそそられるんだけどね(^_^;)
      なかなか手を出せないままです。
      そろそろ長編ミステリを読みたくなってきた。
      ろこちゃんの本棚見て勉強しなくては。
      2024/04/13
    • くるたんさん
      あいちゃん♪こんばんは✩⡱

      わかる〜、このタイトルはオマージュの香りがたまらないよね✩⡱

      なかなかの豪邸だったよ。
      機会があったらぜひぜ...
      あいちゃん♪こんばんは✩⡱

      わかる〜、このタイトルはオマージュの香りがたまらないよね✩⡱

      なかなかの豪邸だったよ。
      機会があったらぜひぜひ✩⡱

      そういえば、十角館の殺人をHuluで観たよ。
      めちゃくちゃ良かったー✩⡱
      2024/04/13
  • Amazonの紹介より
    大雪の日、大人気作家の御津島磨朱李が細部までこだわった新邸のお披露目会が行われた。招かれたのは作家と編集者、文芸評論家と……。最初は和やかな雰囲気だったが、次第に雲行きが怪しくなっていく。奇想天外、どんでん返しの魔術師による衝撃のミステリー!



    クローズドサークルもので、展開としては、ある館に招かれ、そこで殺人事件が発生し、事件を解いていくという王道なのですが、何といっても注目は、作品の舞台が実在する「館」であること。しかも作者自身のということで斬新でした。
    挿絵もあって、色んな部屋が紹介されているのですが、どう見てもザ・洋館で、一瞬どこかのセット?どっか外国の館?と思ってしまいました。

    でも実際は日本にある作者の自宅であり、小説の最後に紹介されているのですが、ネットで内部も動画として見ることができます。
    舞台設定は違えども、家の内部は同じであり、次々と事件が起きるのですが、トリックや秘密が紹介されるたびに、館の凄さがありました。空想ではなく、実際にその館に存在しているので、この目で見たくなりました。

    館も魅力的ですが、小説内の冒頭も印象的でした。ある人物が殺される描写を、背景が黒、白文字で描かれているので、何ともゾワっとした始まり方で、どう展開していくのか恐怖でもあり、魅力的でもありました。

    それぞれの登場人物を視点に次々と変えながら、事件に巻き込まれていきます。
    王道路線だけでなく、裏の裏、さらに裏といった具合に次々と驚きの真実が出てくるので結果的に予想外すぎました。

    これで事件解決と思いきや、まだ「裏」があっただけでなく、遊び心もあって面白かったです。
    特にラストの人物の秘密には、たまげました。

    色んなミステリー小説・クローズドサークルものを読むたびに、発想は無限にあるんだなと思うばかりでした。
    まさか、実際にある「家」を使って、小説を作るとは、また違った楽しみ方を味わいました。

  • 作者である下川さんの自宅を舞台にしたミステリーです。すっごい豪邸ですね、見学に行きたいぐらいです。話の中でも内装が詳しく説明されてたんですが、専門すぎて想像できず…もう少し写真を載せて欲しかったなと。
    物語は雪に閉ざされたクローズド・サークルで起きる殺人と、本格ミステリー好きならワクワクしかないシチュエーションですが、事件が起こってからは隠し部屋を探すシーンが多くて、少し残念でした。

  • 贅沢な王道ミステリー。
    古典のオマージュ、密室、その部屋のイメージ写真まであるという・・・

    殺人動機は?な部分もあるけれど、それは謎解きがメインだから気にしない(笑)
    ミステリー要素を随所に楽しめるエンターテイメント小説ですね。

  • 館ミステリ面白かった!
    本物の洋館(巻末のQRの動画で見れる)もすごい!

全48件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1981年、京都府生まれ。2014年に『闇に香る噓』で第60回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。同作は「週刊文春ミステリーベスト10 2014年」国内部門2位、「このミステリーがすごい! 2015年版」国内編3位と高い評価を受ける。著書に『生還者』『難民調査官』『真実の檻』『失踪者』『告白の余白』『緑の窓口 樹木トラブル解決します』『サハラの薔薇』『法の雨』『黙過』『同姓同名』『ヴィクトリアン・ホテル』『悲願花』『白医』『刑事の慟哭』『アルテミスの涙』『絶声』『情熱の砂を踏む女』『コープス・ハント』『ロスト・スピーシーズ』などがある。

「2023年 『ガウディの遺言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

下村敦史の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
阿津川 辰海
岡崎 琢磨
米澤 穂信
小川 哲
N
道尾 秀介
津村 記久子
米澤 穂信
夕木 春央
米澤 穂信
塩田 武士
青崎 有吾
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×