中世宮廷女性の日記: とはずがたりの世界 (中公新書 809)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121008091

作品紹介・あらすじ

時代は鎌倉後期。皇位継承をめぐる暗闘の渦と澱みの間に、華麗に哀しく生きた後深草院二条がいた。移ろう後深草院に翻弄されながら、遂には懊悩と波瀾の生活を離脱し、仏道と和歌に自己を見出そうと旅立った女性の赤裸裸な告白に、中世宮廷の裏面と人間模様をみる。

感想・レビュー・書評

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  • 後深草院二条の生涯を「とはずがたり」に沿って、
    解りやすく解説している。

    同じ著者には「とはずがたりの研究」という大著があるが、
    そちらを読む前に
    「とはずがたり」の概略を知るために手にとった。

    愛欲の著のように言われがちな「とはずがたり」だが
    実際にはそのような部分よりも、変転する人生を
    教養と発心、強い意思で生き抜いた二条という女性の姿が
    浮かび上がってくる。
    明晰な知性と美貌、誇り高い身の処し方が印象的であった。
    中世の女性というより、まるで現代の女性のよう。

    紀行文として読んだ場合、我々が想像した以上に広範囲な旅を
    したことも、具体的に述べられていて、後半を流して
    読んでしまいがちだが、文学的な価値はむしろこちらのほうが
    高いかもしれない。

    学ぶにおいても、注意深く読んで、後の女流紀行文や
    芭蕉などの旅にも影響はなかったかなど、よく調べてみたい。

    とはずがたり入門としては、まず手にしたい本であった。

  • 「とはずがたり」のあらまし。大ざっぱな輪郭を知るには良さそうだ。半面「とはずがたり」の著者、二条の内面部分について、作者が自分の価値観で決めつけているのではないか? と感じる部分が多かった。

  • ファンなら読むべきです。
    松本氏もとはずがたりの研究者として、有名であります。

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