- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121008091
作品紹介・あらすじ
時代は鎌倉後期。皇位継承をめぐる暗闘の渦と澱みの間に、華麗に哀しく生きた後深草院二条がいた。移ろう後深草院に翻弄されながら、遂には懊悩と波瀾の生活を離脱し、仏道と和歌に自己を見出そうと旅立った女性の赤裸裸な告白に、中世宮廷の裏面と人間模様をみる。
感想・レビュー・書評
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後深草院二条の生涯を「とはずがたり」に沿って、
解りやすく解説している。
同じ著者には「とはずがたりの研究」という大著があるが、
そちらを読む前に
「とはずがたり」の概略を知るために手にとった。
愛欲の著のように言われがちな「とはずがたり」だが
実際にはそのような部分よりも、変転する人生を
教養と発心、強い意思で生き抜いた二条という女性の姿が
浮かび上がってくる。
明晰な知性と美貌、誇り高い身の処し方が印象的であった。
中世の女性というより、まるで現代の女性のよう。
紀行文として読んだ場合、我々が想像した以上に広範囲な旅を
したことも、具体的に述べられていて、後半を流して
読んでしまいがちだが、文学的な価値はむしろこちらのほうが
高いかもしれない。
学ぶにおいても、注意深く読んで、後の女流紀行文や
芭蕉などの旅にも影響はなかったかなど、よく調べてみたい。
とはずがたり入門としては、まず手にしたい本であった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「とはずがたり」のあらまし。大ざっぱな輪郭を知るには良さそうだ。半面「とはずがたり」の著者、二条の内面部分について、作者が自分の価値観で決めつけているのではないか? と感じる部分が多かった。
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ファンなら読むべきです。
松本氏もとはずがたりの研究者として、有名であります。