「超」整理法: 情報検索と発想の新システム (中公新書 1159)
- 中央公論新社 (1993年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121011596
作品紹介・あらすじ
情報洪水のなかで書類や資料を保存し検索するには、従来の整理法では対処できない。本書は、「整理は分類」という伝統的な考えを覆し、「時間軸検索」という新しい発想から画期的な整理法を提案する。机の上は魔法のように片付き、「整理する時間がないほど忙しい」人に対する福音となるはずだ。さらに、パソコンを用いた情報管理体系、アイディア生産を支援するシステムなど、知的活動の生産性を高める新しい方法論を提案する。
感想・レビュー・書評
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1993年に書かれただけあって時代背景が違うことをひしひしと感じる文章。
分類することなく時間軸に沿って書類を整理するという方法を紹介している。
従来のやり方・常識を否定して斬新なアイデアを提示し根拠を述べるといった構成の本。
片付けには困っていないからあまり参考にはならなかったけど、「整理」というテーマについてひたすら筆者の意見を述べた文章がここまで評価されていることに驚いた。
自分も何か語れる分野がないか探してみようと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
長い間「積読」になってたこの本、もっと早く読んでおくべきでした。
2~3日放置すると、ダイニングテーブルの上約1/3~1/2を書類の山が占拠してしまうのを何とかしなきゃって悩み続けて、やっと突破口が見つかった感じ。読んだだけで気持ちがスッキリ(笑) 「超」面倒くさがりな私にはピッタリかも。
とりあえずこの「超」整理法を採用することにしたけど、著者のように茶封筒にしまう方法はちょっと美的に許せないし、中が見えるほうが安心なので、アスクルのインデックス・マチ付きクリアーフォルダーを使ってみようかな。(urlは長すぎたので省略)
さて、肝心の「超」整理法は、書類を「分類しない」で「時間軸方式+押し出し方式」で整理する方法です。
この本は、各章の末尾にまとめが書いてあるので、そこだけ読んでもいいかもです。 ちなみに、第2章のパソコン編は初版が93年ということもあって、あまり参考にならないかもと思ったけど、基本は一緒。(MS-DOSとか出てきて懐かしい。)
もう一冊、「超」整理法・時間編も読まなきゃ。
以下、自分用のメモとして書いてみたので、気になったら、本書を買って読んでみてはいかがでしょうか。
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書類→ 反分類「時間軸」方式と「押し出し」方式
本棚→ 焼畑方式 不必要な本を自動的に選別→処分する
(焼き畑方式は著者が押し出し方式を編み出した際に影響を受けた方式)
キーワードは「センチメンタル・バリア」。これをいかに取り払うか。
押し出し方式は焼き畑方式より単位期間を短くしたもの。
検索簿方式は個人が行うと間違い無く破錠する。
ミシュラン方式、(ミシュラン・ショック)
超整理法方式では使った書類を 「元に戻さない」 「最新順に置く」ことで使用頻度が高いものを自動的に選別できる。「元に戻す」方式は、家出ファイルにより秩序が乱れやすい。
迅速性プラス5つの基準
1.低いハードル (人間は怠慢)
2.フェイルセイフか
3.捨てるためのプロセスが組み込まれているか
4.フレキシブルか
5.エントロピーが減少するか
又、著者はこの「超」整理法は書類には適用できるけど、「モノ」例えば文房具とかは徹底的に「分類」するそう。確かにそうですね。 -
分類しないことを提唱した画期的な整理法。
書類を封筒に入れて時間順に平積みし、
使った書類は再び上に載せていく
「押し出しファイリング」を紹介している。
21世紀になって久しいが紙の書類は健在であり、
この革命を起こした整理法の本は今でも必読だろう。
後半部分はPCの使い方の話や、
ノートなどの情報整理の話になってくるが、
こちらは現在は陳腐化してしまっており、
著者も「gmailを使え!」に変わったらしい。
「知的生産の技術」を叩き台としており、
こちらを先に読んでおくと話が理解しやすい。 -
整理するときのカテゴリ分けがうまくいかないということは、いままでに何度も経験している。
複数のカテゴリに該当してしまう、検索するときにどのカテゴリに分類されているかわからない、といったものだ。
それだけに『時間軸による検索だけはカテゴリ分けが必要ない』という意見は目からうろこだった。
実際、意識はしていなかったが、今までにも時間軸による整理は多くの場面で使っていた。
ただし、それはある程度細分化されたカテゴリの中での話だ。
この本で紹介されている方法は『個人用のすべての情報を一元化し、時間軸で並べよ』という過激なものである。
どれほどの効果があるのかはわからないが、とりあえず試してみよう。 -
時間軸検索方は聞いていたけど、改めて読むと“なるほど!”と、目からウロコであった。
しかし、自分自身ではどうかというと、まず時間軸検索方が必要な書類があるわけでもなく、またそういった仕事の仕方でもない。
そして、図書館方式や検索簿方式で回していける、または現在回せているため必要がないというのもある。
ただ、機会があれば是非とも試してみたい整理方の一つであることは間違いない。 -
実家にあった本で、読んだのはだいぶ前。
分類ごとではなく時系列に封筒でまとめるというのが目から鱗でした。
封筒の端っこ(引き出す時に見える所)に西暦と月を書いて、領収書等の書類を分けずに入れてしまい、一年位して古いものから不要なものを見直していました。
今は紙媒体も減り、取扱説明書や保証書、封書に同様に日付を書いて古いものを捨てるという形に落ち着いています。 -
## 総評
- アナログの資料に関してもコンピューターにおけるデータアクセスの手法を取り入れるという斬新なアイディアを推奨していた
- 「コウモリ問題」、「君の名はシンドローム」は笑えるが誰しも経験したことのある事象だと思う、割り切って放り込んでいこうと思う
- プライベートだけでなく、キャリア的にも管理職になりつつあるので、本書で紹介されていた手法を採用していこうと思う
## 【Question】この本を読む目的
- 本書で紹介されている 方法 の中で自分の書類またはファイルの整理方法について 採用できるものを抽出する
## 【Answer】回答(取り入れる行動)
- 分類による整理 → LIFOによる整理を採用する
- ワーキングホルダーと神様 フォルダを作成する
- ワーキングホルダーは常に見える場所に置いておく
- 作業用のファイルは 付箋による分類を採用する
- 以降、私が作成するファイルには次の命名規則を採用する「yyyymmdd_ファイル名」
- 文具キャビネットの導入
### 【Why?】根拠
#### 押し出し ファイリング
- 分類による整理法には限界がある
- 使用するファイルのほとんどが 最近使用したものの再利用である
#### ワーキングファイルの可視化
- アイディアはリラックス時 やふとした時に想像される
- 作業は始めれば終わる 逆に言えば 始めなければ終わらない
### 【What?】何をするか
- 分類による整理を諦め時間による 押し出し ファイリングを実現する
- 分類するのではなくて1つのポケットに全てを入れる
- ワーキングファイルは常に見えるようにする -
紙の書類、電子的情報(ワード、エクセルなどのファイル)をどのように整理し、必要な時に探し易くしたらいいかを検討した本。
情報を整理するときにまず考えられるのがテーマ毎の分類である。しかし、分類では、複数のテーマを跨ぐ物をどう扱えばよいか分からなくなる(こうもり問題)や、かつて何という名前で分類したか失念する(〈君の名は〉シンドローム)などの問題が生じる。
著者は情報は簡単にラベリングしつつも、入手した順に並べ、利用した情報を先頭に戻す方法を提唱している。
そうすることで、時間が経てば上には最新の情報と直近使った情報。下には使わない情報。真ん中は選別中の情報に分けられ、下のものも適宜断捨離できると言っている。
↑は紙の情報を扱う時に有効そうだった。現代だとフォルダの作り方などになる。著者の方法を活用してある程度ざっくりフォルダで分けて、それ以下は日時をつけたフォルダを更新順にソートするのが有効かもしれない。試してみたい。ただし、他人と共有する場合はその方法は通じない。
洋服の整理にも使える気がした。
整理方法に加えて、思考を生み出す方法も記載されていた。①アイディアをメモってドラフトし。②書籍や他の人に壁打ちをしてもらい。③最後に部屋に篭ってじっくり最終化する。
といったプロセスで仕事で無意識に行なっていた流れがそれと知れてよかった。
1993年に書かれてるのでかなり古く、現在と状況は違うものの本質的な部分で通じるところがあり大変参考になった。 -
開始:2023/3/29
終了:2023/3/31
感想
情報の整理から知識の生産へ。少し前の書物だが現代にも十二分に通用する。エントロピーを増大させない整理法。実践と思考の中で磨く。