鍵穴から見たヨーロッパ: 個人主義を支えた技術 (中公新書 1337)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121013378

作品紹介・あらすじ

絶えず異国、異民族と接触している地理的状況に加えて、産業革命以降の富の蓄積が、ヨーロッパにおける独自の鍵と錠の文化を育んできた。それは日常生活にとどまらず、宗教、思想、法律、工学、芸術などのあらゆる面に深い影響を及ぼしている。本書は、鍵と錠の技術的変遷やそれを支えた職人の世界を概観したうえで、図像学、民俗学、社会学、文学といった多角的な視点から、広範な隣接領域へと拡がっている鍵文化の諸相を明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 再読、何を契機にして購入した本か全く覚えていないのだが、、、
    まぁそれはともかくなかなか面白い観点で話が展開されてはいますが、何と言うんでしょうか、壮大な歴史叙述にはほど遠く小考察に過ぎないといったところ。
    まぁ新書なんだから無いものねだりなんでしょうが、もう少し民族の歴史・神話・現在への連関等重い命題を提示してほしかったかな。

  • 時代によって違う鍵の形。
    鍵、錠というものを、西洋ではエロティックなものとして扱うとか。
    貞操帯は、旦那の留守でも、錠前屋がいればそれに合鍵作らせて、いの一番の浮気相手になったとか。
    (これ、人によって違うんだ。ただお土産で作られたのが、いかにも使われていたように伝わったとか。実際に使われていたとか)

  • 鍵と錠の話。
    ギリシャ時代の神殿錠、ローマ時代のウォード錠、産業革命以降のブラマー錠、チャブ錠、エイェール錠、また宗教上ではペテロの鍵、そして貞操帯の話
    職人は各地を遍歴して腕を磨くことが義務づけられている。「大聖堂」で主人公がフランスを放浪したのも、このためか。また鍵の形にバロック様式、ロココ様式が反映されているのを知り、おもしろかった。

  • [ 内容 ]
    絶えず異国、異民族と接触している地理的状況に加えて、産業革命以降の富の蓄積が、ヨーロッパにおける独自の鍵と錠の文化を育んできた。
    それは日常生活にとどまらず、宗教、思想、法律、工学、芸術などのあらゆる面に深い影響を及ぼしている。
    本書は、鍵と錠の技術的変遷やそれを支えた職人の世界を概観したうえで、図像学、民俗学、社会学、文学といった多角的な視点から、広範な隣接領域へと拡がっている鍵文化の諸相を明らかにする。

    [ 目次 ]
    プロローグ 鍵文化時代を迎えて
    第1章 鍵と錠の歴史
    第2章 錠前職人の世界
    第3章 鍵の権力
    第4章 鍵のシンボルと図像学
    第5章 鍵の民俗学
    第6章 鍵と空間の社会学
    第7章 鍵と空間の文学
    エピローグ 日本とヨーロッパの鍵文化の比較

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    [ 参考となる書評 ]

  • ローマ時代からナポレオン時代。
    ギリシア神話に各種福音書。
    ヴァイキングに刑務所。
    グリム童話・ドイル・カフカ

    大好きな要素ばかりの本でした。

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著者プロフィール

1944年香川県生まれ。現在、関西大学名誉教授、ワイマル古典文学研究所、ジーゲン大学留学。ドイツ文化論、比較文化論専攻。
主要著作
『魔女とカルトのドイツ史』(講談社現代新書)、『ナチスと隕石仏像』(集英社新書)、『「笛吹き男」の正体』(筑摩選書)、『図説 ヨーロッパの装飾文様』(河出書房新社)、『現代ドイツを知るための67章』(明石書店、編著)、『ポスト・コロナの文明論』(明石書店)など多数。

「2023年 『ベルリンを知るための52章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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