シリコン・ヴァレー物語: 受けつがれる起業家精神 (中公新書 1509)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 65
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121015099

作品紹介・あらすじ

十九世紀後半、カリフォルニアにスタンフォード大学が設立され、シリコン・ヴァレーの歴史は始まる。1939年のヒューレット・パッカード社創業以来、インテル社、アップル社、オラクル社、サン・マイクロシステムズ社など、アメリカのみならず世界を制覇する企業がここから育ってゆく。こうした新しいビジネスの技術者や経営者たちが繰り返す成功と失敗の裏に脈々と流れる、特有の起業家精神とはどういうものか。歴史を繙こう。

感想・レビュー・書評

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  • HP、インテル、アップル、オラクル、サンマイクロシステムズなどのシリコンバレー産大企業の成り立ちが描かれてる。最近読んでる本と重なる部分があって復習になった。

    ‪メインフレームを売っていた東海岸の権威主義(IBM)に対して、市場をtoCまで伸ばしたアップルコンピュータやPCを見越したマイクロソフトの成長は、アメリカのカウンターカルチャーが背景にあるとの記述はなるほどとなりました。‬

    ‪ゲイツやジョブズが影響を受けたとされているテクノロジー予言の本「Computer Lib」のことが記載されていて、欲しいと思いAmazonで調べたら2万越え…‬

  • 【シリコン・ヴァレー物語 受け継がれる起業家精神】
    枝川公一著、中央公論新社、1999年

    ちょうど20年前に書かれた本だ。

    アメリカの西海岸にあるシリコンバレーは、19世紀末のゴールドラッシュに食料品店主から身を起こし、大陸横断鉄道の建設で一財を築き、その後も州知事、上院議員を務めた富豪が16歳で亡くなった息子の想い出として寄贈した大学から始まる。

    今では世界一と言われるスタンフォード大学がそれだが、世界大恐慌前には無名の大学の一つだった。
    そこにいた若い教授ターマンが、アマチュア無線局に出入りする優秀な二人の学生に、大企業への就職ではなく、ベンチャー企業を始めたらいいとそそのかした。二人の名前は、デイビット・パッカードとウィリアム・ヒューレット。であり、彼らが1939年に創立したのが「hp (ヒューレット・パッカード)」だ。

    その後もインテルやアップルが誕生する経緯がコンパクトだが体温をもって語られていて、読みやすく感動する。
    何気なく使っていたり知っていたりすることも、その発端はさまざまな偶発的な「出会い」から生まれている。

    著者は、本書を通じて、シリコンバレーを生成して発展を支えてきた「精神」を明らかにすることを目指した、とあとがきで説明している。
    ーー
    それは、夢と冒険に賭け、在来のシステムへの反抗心を心に刻んで、虚栄心や支配欲を混ぜ込みながら、これまでとは異質のビジネスと文化を作り出した人々の軌跡でもある。
    ーー

    最終章で著者は、実は1972年に当地を取材して歩いたことを告白している。インテルができた直後でアップルができる直前だ。
    アメリカを放浪しながらカウンターカルチャーの現場を取材して回っていた時に、バークレーとクパティーノ(今はアップル本社があることで有名)に「オープン・スクール」「オープン・スペース・スクール」という子供達の「自主性」に主眼をおいた教育システムに興味を持って学校をいくつも訪ねて回ったのだという。

    この時にはピンとこなかったことが、後年、シリコンバレーの勃興を知るに連れ重なって見えてきたと語る。

    オープンスクールについて書かれたページは少ないが、新陽高校が目指していることと何も変わらないように読めた。時代はいつもぐるぐるしていて、そして偏狭な人たちから始まっているのだと思い知らされる。

    #優読書

  •  HP,intel,apple,microsoft,oracle,sunmicrosystemsなど今や世界を制覇する企業の創設話を知ることができる。

  • この本は面白かった!!

    時代の変化を生み出すシリコンバレーが、いかにして生み出されたのかがよく伝わってきたし、HP、インテル、アップル、オラクル、サン・マイクロシステムズといった代表的な企業がどのような人々の、どういった思いで作られたのかを、わくわくしながら読んで知ることが出来た。著者が別にIT業界に無関係な立場の人ではないのだけれど、それだから読み物として面白いものを仕上げられたのかな。

    シリコンバレーを知るには素晴らしい本だったと思います。

  • シリコン・ヴァレーの物語は、すなわちコンピュータの発展の物語なのでして。こういう天才(オタク)たちがいたから、今のIT社会があるんだなぁとしみじみ。

  • アメリカにおけるコンピュータビジネスの歴史は、西部・東部のスタイルの違いの反発と融合の歴史でもあります。

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