問題解決のための「社会技術」: 分野を超えた知の協働 (中公新書 1740)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121017406

作品紹介・あらすじ

問題を解決するには、まず問題を把握しなければならない。だが現代社会において、問題の全体像はきわめて見えにくい。狂牛病やSARSをめぐる騒動、原発トラブルや医療ミスの隠蔽疑惑などを見ても、特定分野の専門家だけでは十全に対処できないことが明らかである。本書は、複雑化する社会問題を解決し、社会を円滑に運営する「社会技術」の概念を提唱。学問分野の枠を超えた、新たな取り組みを紹介する。

感想・レビュー・書評

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  • 【目次】
    はじめに [ii-v]
    目次 [vi-ix]


    第1章 複雑化する社会問題
    なぜ解決困難な問題が多いのか
    SARS問題から見えてくるもの
    問題の高度化
    価値観の多様化?
    活用できる知を総動員する


    第2章 問題解決の方法論
    問題解決の心理学
    ヒューリスティックが鍵を握る
    クリエイティヴな発想のメカニズム
    アルゴリズム、メンタルモデル、アナロジー推論
    問題解決と「設計」
    プロセスをモデル化する
    「講義が面白くない」を解決する
    コラム複雑な事柄を取り扱う技術


    第3章 社会問題を解決する技術
    社会技術とは何か
    社会技術の設計
    全体像の把握から具体的解決へ
    社会技術の立案
    制度をどう組み合わせるか
    社会の変化を予測する
    評価のプロセス
    コラム 議論を噛み合わせる価値マップ


    第4章 安心社会を実現するために
    社会技術の研究体制
    問題の全体像を把握する技術
    原発トラブル隠しの要因
    俯瞰的アプローチ
    リスクマップを作成する
    リスクへの有効な対策
    診療ナビゲーションシステム
    交通安全性を向上させるシステム
    原子力災害の危機管理システム
    会話型知識プロセスの構築
    コラム 途上国の問題を解決する


    第5章 組織に生かす社会技術
    コン プライアンス経営とは
    現場のモラルハザードをどう防ぐか
    あるシンクタンクの取り組み
    問題の本質を明らかにする
    社会技術の方法論を援用する
    失敗学からどう学ぶか
    コン プライアンス強化の具体策
    社会技術研究がブレークスルーを生む


    参考文献 [162-166]
    あとがき [167-172]

  • 新 書 S||360||Hor

  • 90円購入2014-01-13

  • 理念に大いに賛同。もっと早くによんでおけば良かった。

    「社会技術」の研究の特徴を、①問題解決型、②俯瞰的(分野横断型)と説いた著者堀井。そして「問題解決のための文理協働は、十分に実現可能」(p.59)とする。申し分ない。
    私自身、たとえばまちづくりにおける「当事者」論の必要性を、『当事者主権』的な考え方であるとか、環境社会学・環境倫理学的な考え方から、感じていたところ。

  • 理系文系を問わず使える知を総動員するという考え方の紹介と、いくつかの実例。(意思決定分析やルール作りも含む)

    巻末に紹介されている『社会技術研究論文集』のページ(http://shakai-gijutsu.org/sociotechnica.html)が非常に充実しており、本書の実例に興味を持った人は、このページで豊富な事例に触れることができる。

  • 入社時は論理でプログラムを設計→関係でアーキテクチャを設計→戦術で商売を設計→人間系でPJや業務/組織を設計と来た一環。社会課題にむけた設計の事例集。

  • 求めてた内容ではなかったので、今回はスキップ

  • 問題解決のアプローチとしての社会技術について書かれている。
    社会技術というか社会システム?
    もっとテクノロジーや技術革新がパラダイムシフトをなんたらかんたらみたいな技術論を期待していたんだけど、ちょっと違った。

  • [ 内容 ]
    問題を解決するには、まず問題を把握しなければならない。
    だが現代社会において、問題の全体像はきわめて見えにくい。
    狂牛病やSARSをめぐる騒動、原発トラブルや医療ミスの隠蔽疑惑などを見ても、特定分野の専門家だけでは十全に対処できないことが明らかである。
    本書は、複雑化する社会問題を解決し、社会を円滑に運営する「社会技術」の概念を提唱。
    学問分野の枠を超えた、新たな取り組みを紹介する。

    [ 目次 ]
    第1章 複雑化する社会問題(なぜ解決困難な問題が多いのか SARS問題から見えてくるもの ほか)
    第2章 問題解決の方法論(問題解決の心理学 ヒューリスティックが鍵を握る ほか)
    第3章 社会問題を解決する技術(社会技術とは何か 社会技術の設計 ほか)
    第4章 安心社会を実現するために(社会技術の研究体制 問題の全体像を把握する技術 ほか)
    第5章 組織に生かす社会技術(コンプライアンス経営とは 現場のモラルハザードをどう防ぐか ほか)

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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 問題解決策によって生じる状況の変化は複雑であり、ある価値基準に従えば望ましい変化であっても別の価値基準から見たら望ましくないということがありえる。
    問題解決型研究。特定の専門分野に捕われない俯瞰的研究である。

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著者プロフィール

i.school エグゼクティブ・ディレクター/一般社団法人 日本社会イノベーションセンター代表理事、東京大学名誉教授。1980年東京大学工学部土木工学科卒業、ノースウェスタン大学大学院修士課程・博士課程修了、1996 年より東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻教授。専門は社会技術論、イノベーション教育論。2009年よりイノベーション教育プログラム、i.school をエグゼクティブ・ディレクターとして運営し、新しい製品、サービス、ビジネスモデル、社会システムなどのアイディアを生み出すことのできる人材を育成。社会技術の研究に基づき東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会(政府事故調)社会システム等検証チーム長を務める。2016 年に一般社団法人日本社会イノベーションセンターを設立。政府、企業とi.school の学生・修了生が協働して社会イノベーションを推進する活動を通じて、実践的な教育機会を提供することを目指している。

「2021年 『イノベーションを生むワークショップの教科書 i.school流アイディア創出法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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