入門!論理学 (中公新書 1862)

著者 :
  • 中央公論新社
3.66
  • (88)
  • (176)
  • (209)
  • (22)
  • (2)
本棚登録 : 2472
感想 : 162
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121018625

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 難しい。とにかく難しい。はっきり言って一回読んだくらいではさっぱりわからない。
    まずは理解できるまで何度も反復することから始めねば。

  • 【内容】
    記号を使わずに記号論理学をお話してくれる感じ。
    雑談的に噛みくだきつつ、卑近な例で論理のつくりを解きほぐしてくれます。さらには言葉の輪郭を固め、その連なりを丁寧に見ながら用いることの楽しさをも教えてもらえるかもしれません。

    【類別】
    論理学。
    筆者によれば実在論的立場から現代論理学、記号論理学、数理論理学の根の辺りを扱っています。

    【着目】
    第1章で「論理」を概観、2「否定」、3「連言」「選言」、4「条件法」、5「命題論理」、6「述語論理」(「全称」と「存在」)。
    証明はそこそこ。導入則と除去則はかなり。出題を交えつつ進めますので眠くなりにくいでしょう。
    書かれている内容を頭の中でベン図や論理記号に置きかえてみると能動的に楽しくアレです。どうぞ。

    【備考】
    このレビューは第17版に拠っています。

  • ロジカルシンキングを身につけるために、まずは論理学って何か?というくらいの基礎は押さえておきたいな、と思い、手に取りました。これから開く本ですが、数日以内には読み切りたいと思います。

  • 通常の論理学の本ではふれられない、「なぜそんなことを考えたのか」「なぜそんな風に考えなければならないのか」を説明してくれる本当の「入門」書。いちど、標準的な論理学の本を読んでモヤモヤした気持ちのまま読む方が、より納得できるかもしれない(!?)。

  • 40

  • 何かを否定するって難しいことだなあ、なんて思っちゃいました。
    論理的に考えるってそういう文章とかじゃない限りなかなか意識してませんよね。
    口語で書かれているんですけど、どんどん言葉の闇に嵌る感じ。真面目に考えると面白いけど難しいです。

  • 哲学者・野矢茂樹が、「論理学ってけっきょく何なんだ。何をやっているんだ」ということを著した、論理学の入門書である。

    本書の最大の特徴は、「はじめに」で語られる通り、現代の論理学の主流は「記号論理学」と言われ、入門書も横書きで記号が頻繁に出てくるものが大多数である中で、本書は縦書きで、普通は記号を使って書かれる部分も文章で説明されているところである。

    著者はまず、「論理的」であるということを、「ことば」は意味の連関性を持っており、その連関性によってつながる意味のネットワークを踏み外すことなく正確に行き来することである、と述べる。
    そして、
    「A」と「Aではない」(否定)、
    「AかつB」(連言)、
    「AまたはB」(選言)、
    「AならばB」(条件法)の4つと、
    「何からその主張が導けるのか」(導入則)、
    「その主張から何が導けるのか」(除去則)の2つ、
    計6つのシンプルな公理から成り立つ演繹的推論を扱う体系(公理系)の作り方を、
    日常の具体的な事例を示しながら分かりやすく説明している。

    命題論理と述語論理の入門書なのだが、「もっと進んで勉強していくひとのために、その第一段階の基礎を教える入門書(p.iii)」ではなく「その学問の根本的なところ、その本質を、つかみとり、提示する(p.iv)」ことを目指す。
     著者はまた「論理学という学問が、私たちが日常用いていることばに潜む論理を理論化し、体系化していく、その作業の実際の手触りを伝えよう(p.245)」としたとも言う。たしかに、頭ごなしに公理が登場したり、定理が証明されたりするのではなく、「日常」から丁寧に議論が組み立てられていく。しかもとてもユーモラスな文章を通じて。
     笑いながら読み進め、なおかつ「なるほど論理学者というのは、こういう風に(厳密に)物事を考えていくのか」と感嘆することしきりである。


    ・推測ではなくて推論=演繹(前提を認めたら必ず結論も認めなければならないような導出)(ちなみに、前提が正しいことも加えて導出すると、論証)を日常的姿勢で!
    ・「ではない」「そして」「または」「ならば」「すべて」「存在する」の五つで演繹的推論の全体を統一的に見通すことができる!とな。
    ・「ではない」否定とは、そこに関心のある人だけの行為。それを無くすのが排中律=明日お金を拾うか拾わないかのどちらかだ、というのではなく、どちらか、に決定すること=実在論的立場。一つの立場を引き受けることが、論理的思考の第一歩。
    →先に進めるためには、ここが重要ーーーーー(1)曖昧な概念を考えない、2)「神の視点を想定するような立場からものごとを捉えていくということ」
    ・二重否定入れ=A→(Aではない)ではない
    ・二重否定取り=(Aではない)ではない→A:ここは排中律を拒否すると受け入れられない。
    ・矛盾律の結婚話の例69p
    ・直接論証ではなくて間接論証としての背理法=否定したい仮説の矛盾の論証/導出
    ・否定、連言、選言、条件法で成立する世界が、命題(何事かを主張した文)論理
    ・命題=命題の型(具体的なものではなく)=公理(出発点となる論理法則)→公理から導出された論理法則を定理と呼ぶ、こうしたアプローチが形式的アプローチ。
    ・対して、具体的な命題の内容を考えるのが内容的アプローチ=意味論。意味論の世界では、真偽。
    ・公理系は「健全(過剰でなく)」で「完全(不足なく)」
    ・形式と内容が緊密な関係にある公理系が、自然演繹
    ・ゲーデルの不完全性の証明とは、自然数論についての不完全性。数学の公理系はどうしたって不完全でしかない。でも自然演繹の世界は完全。
    ・「すべて」と「存在する」を用いて成り立つ推論を体系化する、というのが述語論理。
    ・必然性様相と可能性様相

  • 哲学者・野矢茂樹が、「論理学ってけっきょく何なんだ。何をやっているんだ」ということを著した、論理学の入門書である。
    本書の最大の特徴は、「はじめに」で語られる通り、現代の論理学の主流は「記号論理学」と言われ、入門書も横書きで記号が頻繁に出てくるものが大多数である中で、本書は縦書きで、普通は記号を使って書かれる部分も文章で説明されているところである。
    著者はまず、「論理的」であるということを、「ことば」は意味の連関性を持っており、その連関性によってつながる意味のネットワークを踏み外すことなく正確に行き来することである、と述べる。
    そして、「A」と「Aではない」(否定)、「AかつB」(連言)、「AまたはB」(選言)、「AならばB」(条件法)の4つと、「何からその主張が導けるのか」(導入則)、「その主張から何が導けるのか」(除去則)の2つ、計6つのシンプルな公理から成り立つ演繹的推論を扱う体系(公理系)の作り方を、日常の具体的な事例を示しながら分かりやすく説明している。
    上記の公理系を論理的に理解することが、普段の仕事・議論をロジカルに進める上で有益であることは言うまでもないが、そのような完全な体系を作ることの面白さも味わうことができる一冊である。
    (2009年12月了)

  • 外国語という「言葉」と向き合ううちに、言葉と言葉の関係を規定する「論理学」というものを学んだ方が外国語を含む言葉に対する理解が深まるのではないか、と思って手にしたのが本書。「入門!」というその名の通り、論理学の基礎基本と思われる事項が分かりやすくかつユーモアたっぷり書かれている。「否定」「かつ」「または」「ならば」といった日常でも使う言葉を、論理学という分野の中ではどのように定義してどのように使うか、またそれらを使うことで様々なことが証明できることが示されており興味深い。入門書として興味を喚起し尚且つ基本をつかめるものとして
    筆者も最初に指摘しているように、この本は縦書きて書かれていることもあって通常論理学で使うような記号がまったく出てこない。それは入門書としてはとっつきやすくてよいのだが、本書をきっかけにより本格的な論理学の本へと進んでいきたい。ただしその前に、第5章以降が今の自分には難解で消化不良である故、特にこの部分については再読の必要あり。

  • 「君はButの使い方が間違っている」と私が大学院生の時恩師に言われてショックを受け,この本を読んで論理的な文章の組み立て方を勉強し直しました。難しい表現を極力使わず「机の上に金塊がある」という主張を例に,「金塊がない」と論理的に否定できる状況や前提を解説しています。理系文系を問わずお薦めの1冊です。
    *推薦者(工教)R.N
    *所蔵情報
    https://opac.lib.utsunomiya-u.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB00235080&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB

全162件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

1954年(昭和29年)東京都に生まれる。85年東京大学大学院博士課程修了。東京大学大学院教授を経て、現在、立正大学文学部教授。専攻は哲学。著書に、『論理学』(東京大学出版会)、『心と他者』(勁草書房/中公文庫)、『哲学の謎』『無限論の教室』(講談社現代新書)、『新版論理トレーニング』『論理トレーニング101題』『他者の声 実在の声』(産業図書)、『哲学・航海日誌』(春秋社/中公文庫、全二巻)、『はじめて考えるときのように』(PHP文庫)、『ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む』(哲学書房/ちくま学芸文庫)、『同一性・変化・時間』(哲学書房)、『ここにないもの――新哲学対話』(大和書房/中公文庫)、『入門!論理学』(中公新書)、『子どもの難問――哲学者の先生、教えてください!』(中央公論新社、編著)、『大森荘蔵――哲学の見本』(講談社学術文庫)、『語りえぬものを語る』『哲学な日々』『心という難問――空間・身体・意味』(講談社)などがある。訳書にウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』(岩波文庫)、A・アンブローズ『ウィトゲンシュタインの講義』(講談社学術文庫)など。

「2018年 『増補版 大人のための国語ゼミ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

野矢茂樹の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
野矢茂樹
三島由紀夫
フランツ・カフカ
パオロ・マッツァ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×