地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121022820

感想・レビュー・書評

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  • 日本全市町村の人口推移を予想しグラフに可視化しているのがよかった。日本の人口減少が招く問題の重大さが理解できた。今を生きる私たちがどれだけ早くその問題解決に着手できるかが日本の未来を左右することを自覚する必要がある。

  • 東京一極集中が人口減少を招き、地方都市は消滅する。だから地方で暮らそう。

    ……という理屈はわかるけれど、現状、地方では満足な雇用も医療も教育も既にないのだから、「地方回帰」っていっても無理があるよなぁ、というのが感想。

    地方都市で暮らすと選択肢が本当に狭くなるんだけど、提言する側はそういうことを実感として知らないのではないかなぁ。

  • タイトルが完璧。

  • 地方に必要な考え方、施策…
    これからの少子高齢化社会に向けた取り組みがわかりやすく整理され、さらに将来に向けた新たな観点も書き記されている。
    地域としての魅力向上に向けてまだまだやることがたくさんあると再認識

  • 2020.26

    ・ 人口問題は国土の力を最大化させるための資源配置の国家戦略
    ・地方移住就業者の5割は女性
    ・6つの地方都市の形

  • 当時、話題となった一冊。

    平成26年5月に発表された「日本創成会議」の報告書、いわゆる「増田レポート」は、20-39歳の女性の減少に着目して、2040年には896の自治体が消滅しかねないというショッキングな内容で各方面の注目を集めた。

    本書はその「増田レポート」をベースに、北海道など各地での取り組みや、人口問題に詳しい藻谷浩介氏との対談などをまとめ、新書にしたもの。

    自治体消滅という言葉は衝撃的ではあるが、データそのものは、決して目新しいものではない。

    本書にも書かれているとおり、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)」は、いつでもホームページで見ることができるし、推計結果もだいたい同じようなものある。

    国立社会保障・人口問題研究所と増田レポートとの違いは、人口移動が一定程度収束する前提で推計したのが前者で、収束しない前提が後者だというだけである。
    国立社会保障・人口問題研究所の推計でも、増田レポートの推計時点より10年遅い2050年で見ると、ほぼ同数の消滅可能自治体が出てくるといことを、社人研の方がどこかで書いていた。

    データはずっと目の前に置いてあったのだが、一部の専門家以外、誰も関心を示さなかっただけなのである。
    増田レポートは、鮮やかな切り口で、それを国民にアピールして見せた。

    p15ページに、0歳-14歳の年少人口の推計がある。
    現在とほぼ同程度の合計特殊出生率1.35での推計した場合である。

    2010年 1,684万人
    2040年 1,073万人
    2060年 792万人
    2090年 516万人
    2110年 391万人

    男女2人で、女性が子供を1人しか産まないとなると、次世代の人口は半減する。
    その次の世代はさらにその半分。
    世代ごとに、人口は急激に縮小していく。
    そうした少なくなる一方の人口で、すでに生まれた膨大な数の高齢者を背負って働いていかなければならない。

    この数字を見ただけでも、社会を維持することが困難となるのは明らかである。
    あまりに当然のことであるが、人口減少の解決は、焦眉の急である。

    「増田レポート」がきっかけとなり、政府に「まち・ひと・しごと創生本部」が設けられ、平成26年12月末、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が発表された。
    ようやくではあるが、人口減少に国を挙げて取り組む段階に至ったのである。

    本書では、人口減少の解決に向け、さまざまな提案が書かれているが、総花的で、あまりおもしろくはない。
    しかしながら、たくさんの人に、人口減少の危機を肌身で感じさせたという点で、「増田レポート」及び本書は、大いに評価されるべきであると思う。

  • 超高齢化、少子化、東京一極化、地方過疎化が叫ばれてから久しい。

    2014年5月に発表された『消滅可能性都市896のリスト』は実に現実を直視するのに有用なデータだ。
    政府が開示、使用するデータは都合の良い、非現実的なものが散見される。

    コロナの影響により、少しずつではあるが働き方も変わりつつある。とはいえ、都市圏に集中している状態は大きくは変わっていない。
    人口急減に関して、出生率はさけて通れないワードだが、それよりも現行の社会保障制度がどうも爺さん婆さんに偏りすぎているのは否めない。

    しかし、あらゆる企業が国内の一都市に集中するってのは世界的に見ても、日本は稀有だな。アメリカだって、金融関係以外は地方に散ってる。

    さて、東京五輪は延期され、コロナ収束は先行き不透明。こう見てゆくと、中央省庁と地方自治のあり方を見ると廃藩置県前の江戸時代の藩制度は理にかなってのか。参勤交代ってのは、財政負担が強かったが、中央が地方の現場を知り、地方は中央で何がなされているかを知る意味では良かったのかな。

  • ふむ

  • 〈感想〉
    ○各自治体ごとで、課題や打ち手は違うので、その実態に即した総合戦略が必要
    ・人口減少による地方消滅への分析は鮮やかに纏められている。
    ・地方消滅に対する打ち手として、中央政府と地方自治体が、戦略を持ち推進する事を提案されている。
    ・但し、それぞれ取るべき戦略やケースが纏められているが、Todoリストであり戦略ではない。また、課題に対してのアプローチではなく、100発打つやり方であり、犬の道。

    〈要点〉
    ○人口減少はどういうロジックなのか
    ◎過去の減少ロジック
     →○社会的減少(地方→都市):1960~1970年前半、1980年~1993年は大都市圏の雇用吸収力拡大、2000年以降は地方経済衰退により
     →2000年以降は円高により、製造業の海外移転、公共事業減少による建設業の減少

    ◎未来の減少ロジック:
     →○全体の流れ:①2040年に老年人口増加+生産・年少人口減少、②2060年に老年人口維持微減+生産年少人口減少、③2060年以降に老年、年少人口減少
     →・日本全体では自然減、大都市圏を中心にかろうじで社会増
     →・地方では、いくら出生率を上げても、その地域における人口再生産力低下によるマイナス効果が上回るため、人口減少が止まらない
     →・現在地方を支えている医療、介護分野の雇用も、高齢者人口が減少・停滞に伴い、減少になる事も予想される。特に東京都は2040年高齢者35%の超高齢化社会になる
     →・現在の人口流入が2010年から2015年まで継続した場合、2010年から2040年までに20歳から39歳の女性人口が5割以下の市区町村は896自治体(49.8%)
     →・896消滅可能性都市のうち、人口1万人切る市区町村は523自治体(全体29.1%)

    ○どういう国家戦略があるのか
    →・人口減少を留める積極政策、人口減少の影響を調整する調整的政策
     →積極的政策:結婚妊娠出産子育てについて一貫した支援、人口の再配置を行う、人材の養成獲得
      └=20代女性の動向
    →・内閣府総合戦略本部ー各地域地域戦略協議会、地方版総合戦略の策定
     
    ○どういう地方戦略があるのか
    →1、産業誘致:企業業績や経営に大きく左右される
     2、ベッドダウン:周辺都市に影響を受けやすい。同一年齢層が多いので、高齢化が一気に進みやすい
     3,学園都市型: 
     4、コンパクトシティ型:
     5、公共財主導型:大規模施設により移動を防ぐ
     6、産業開発型:地元の特徴ある資源を活用する
    →・地方中核都市による東京への人口流入への歯止め
    →・コンパクトシティ
    →・グローバル経済圏&ローカル経済圏に留まる地域に分かれる

    〈その他〉
    ・東京は地方からの流入で人口を保っており、人口再生産が低い
    ・出生率低下は晩婚化と若者の所得が原因
    ・人口再生産力:出産可能年齢にある女性が次の世代をどの程度生産するか(総再生産力)。本著では20から39歳の女性人口で検討
    ・全体の中での集約と多機能化

  • 地方の良さってもっと取り上げられるべき!
    https://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-12047990652.html

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