iPS細胞 不可能を可能にした細胞 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121023148

作品紹介・あらすじ

2006年、山中伸弥は、たった4種類の遺伝子によって大人の細胞が、未分化の細胞に初期化することを発見した。それから8年余、iPS細胞は、脳や肝臓、そして、アルツハイマー病の細胞をシャーレの中に再現した。難病の治療薬開発、黄斑変性、パーキンソン病、骨髄損傷などの再生医療も現実となった。不遇時代、山中伸弥を力づけた『がん遺伝子の発見』(中公新書)の著者が、iPS細胞の生い立ちとその応用に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • iPS細胞の再生医療に期待している患者さんは多岐にわたる。臨床試験を行い早く様々なところで病気を治してほしい。

  • なにかと話題のiPS細胞をあらゆる角度から
    解説してくれる解説本です。
     
    次の小説執筆のために参考書として読んでいます。
     
     
    素人にもなんとか理解できる(かも)くらいの難易度。
     
    科学的解説をきちんとしてくれているので
    この手の本で専門書じゃ難しいけど、
    表面をなぞるだけではなくもう少し突っ込んだ
    内容の本を探していた、という人にはお勧めです。
     
     
    iPS細胞とES細胞の関係、
    iPS細胞で何ができるのか?
    iPS細胞をどう役立てようとしているのか?
     
    こういった内容を網羅してくれています。

  • iPS細胞の生みの親である山中伸弥教授に影響を与えた黒木登志夫教授によるiPS細胞の解説本。
    内容は、iPS細胞の開発の歴史を関連するES細胞や核の初期化などの分野ごとに紹介してある他、iPS細胞を使った臨床研究や基礎研究を国内外の様々な事例を通じて紹介しています。
    本書の中身は、少し込み入っているため他の山中教授が書いた本でiPS細胞の概要を掴んだ後読むと理解がしやすいかと思います。

    【こんな人におすすめ】
    iPS細胞の研究に興味がある人

  • 【注:本レビューは,旭川高専図書館Webサイトの「私の推薦する本」に掲載した文章を,執筆者の許可を得て転載しています】

     日本人の大人なら誰でも聞いたことがある「iPS細胞」,この細胞について紹介する書籍はたくさん出版されているが,この書籍を推薦する理由は二つある。
    1)日本発の傑出した研究の生まれた背景,研究を理解するための基礎知識が近傍の領域の研究者の目でバランス良くまとめられている事。2)iPS細胞へと至る様々な研究についての研究結果を示すだけでなく、当事者達の似顔絵やエピソード,人となりも記述されており研究の現場にいるような気持ちにさせてくれる事の2点である。
     1)iPS細胞の発表から10年以上経過し,研究内容についての簡単な説明は高校の「生物基礎」の教科書にも書かれている。iPS細胞は医療と医療ビジネスに直結するため,マスコミ発表や応用面に焦点をあてた書籍も多いが,初学者が教科書の次に読むべき適切な資料は思いのほか少ない。著者の黒木登志夫は日本癌学会の会長であった研究者であり, iPS細胞の研究に直接係わってはいないが,研究の背景,筋道が研究者の目でまとめられ、ジャーナリストが書いた書籍とはひと味違う。2)については,先行研究についても知る事ができる点,生命科学分野の様々な事情を知る事ができる点が,この本の特徴であり,これから研究をはじめる若者の益になると思われる。研究の進展が著しい分野であるので,2015年4月に発行された本書では,応用研究の個々の研究結果の最新情報を知る事はできないが,研究の歴史の部分の記述は色あせることがない。
     恥ずかしながら,「読書」をしなくなって久しい。老眼のため,本当に必要なものしか読まなくなってしまった。そのため,紙の本を買ったり(書店での立ち読みが辛くなり,最近は通販専門),電子書籍(拡大が容易で重宝するが,所有する喜び?が薄い)をダウンロードしたりするのは,もっぱら専門分野の周辺領域(分野は近いがよく知らない問題)に関するものである。定年退職が近くなったが,今後の「読書」についていろいろと考える事が多いこの頃である。
    (物質化学工学科 小林 渡 先生)


    ▽配架場所・貸出状況はこちら(旭川工業高等専門学校蔵書検索)
    https://libopac3-c.nagaokaut.ac.jp/opac/opac_details/?kscode=004&amode=11&bibid=1014035709

  • 100頁で挫折。

  • iPS細胞について、その誕生の背景となった核移植、ES細胞、組織幹細胞の研究から、その応用的な研究まで、わかりやすく解説。
    ただ、ど文系の自分には、iPS細胞等の生物学的な解説部分は、正直十分には理解できなかった。一方、iPS細胞誕生をはじめとする研究史的な部分は、非常に面白く、サイエンスへの興味をかきたてられるものだった。。

  • 11月20日 IPS細胞の作成に成功した日

  • 今更ながら話題のiPS細胞について概要でも理解できればと本書を手に取った。全くの門外漢である私でもある程度理解できるように書かれており、面白いエピソードなども織り交ぜていて読みやすい。(とはいえ難しいところも多々ありましたが)

    研究不正等にも触れられており、小保方氏を擁護する方には是非読んでほしい。将来の再生医療への期待も高まる。本書を読むことにより、今後は幹細胞関係の報道を興味深く見ることができると思う。

  • 2012年生理学・医学賞は山中伸弥京都大学教授が受賞

    【配架場所】 図・3F文庫新書 中公新書 No.2314 
    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/book/171055

  • 「人々は、受精に至る物語に大いなる興味をもっているが、本当のドラマは受精から始まるのだ。」こんな調子でiPSを巡る専門的な内容を素人が読んでもわかりやすい達意の文章で語る。歴史を押さえ、研究のエピソードを交え、読者を飽きさせない。
    新書は手軽な反面、物足りないことも多いが、これはお得であった。
    山中教授の序文が寄せられているのも、また素晴らしい。

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著者プロフィール

黒木登志夫

1936年、東京生まれ。東北大学医学部卒業。専門はがん細胞、発がんのメカニズム。1961から2001年にかけて、3カ国5つの研究所でがんの基礎研究をおこなう(東北大学加齢医学研究所、東京大学医科学研究所、ウイスコンシン大学、WHO国際がん研究機関、昭和大学)。英語で執筆した専門論文は300編以上。その後、日本癌学会会長(2000年)、岐阜大学学長(2001-08年)、日本学術振興会学術システム研究センター副所長(2008-12年)を経て、日本学術振興会学術システム研究センター顧問。2011年、生命科学全般に対する多大な貢献によって瑞宝重光章を受章。著書に、『がん遺伝子の発見』(1996年)、『健康・老化・寿命』(2007年)、『知的文章とプレゼンテーション』(2011年)、『iPS細胞』(2015年)、『研究不正』(2016年、いずれも中公新書)ほか多数。

「2022年 『変異ウイルスとの闘い――コロナ治療薬とワクチン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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