ビザンツ帝国-千年の興亡と皇帝たち (中公新書 2595)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121025951

感想・レビュー・書評

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  • 1000年に渡って衰退しながらもしぶとく生き残り続けたビザンツ帝国の概観書。文章はとても読みやすく、各章の最初に皇帝のリストが載っていたことが理解を助けてくれた。
    本書は、長い歴史の割には薄かった世界史Bでのビザンツ帝国知識を裏側から補強してくれる役割を担った。イコノクラスム、皇帝教皇制度、テマ制、古代ギリシアへの想い、十字軍、政略結婚などなど、そうだったのかと思わされる知識に溢れており、良書であった。

  • ビザンツという名称の意味を扱うコラムを楽しく読ませてもらいました。また、十字軍のコンスタンティノープル征服を帝国の実質的滅亡と捉えている点には、なるほどと思いました。ただ、皇帝の名前とその家族がどんどん出てくるのは、専門家ではないので、多すぎてわかりにくいなと感じました。

  • ビザンツ帝国の歴史がよく分かりました どのように成立してそして衰え 滅んでいったかよく分かりました

  • 千年にわたるビザンツ帝国について、主として皇帝に着目してたどる通史。国際的なビザンツ研究の最新の成果を踏まえて書かれている。

    ローマ帝国の分裂以降、ユスティニアヌス帝のところで途切れてしまい、後はイスラム勢力との戦い程度くらいしか知識がなかったので、大変勉強になった。

    特に、イコン破壊(イコノクラスム)、軍事と行政双方の権限を軍司令官に与える「テマ制」の起源や意義、シスマと教会合同の動向、小アジアとバルカンを俯瞰して見る必要性など、個別には興味を惹かれたテーマも多い。

    いかんせん皇帝が次々と変わり、戦闘や反乱がひっきひなしに起こるため、その叙述を追いかけるのに精一杯であった。研究的に読もうというのでなければ、例えば章の表題に取り上げられている皇帝を主に、後はサァーと流すとか、自分の興味を持てたところを中心に読んでいくのが良いかと思う。


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著者プロフィール

関西学院大学文学部教授、博士(文学)。
1960年、大阪市生まれ。
1989年、大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学、大阪大学文学部助手、愛媛大学教育学部助教授を経て、2002年より現職。
主な業績として、『歴史を冒険するために歴史と歴史学をめぐる講義』関西学院大学出版会、2008 年、Kazuo Asano (ed.), The Island of St. Nicholas : excavation and survey of the Gemiler Island Area, Lycia, Turkey, Osaka University Press, 2010(共著)、井上浩一・根津由喜夫編『ビザンツ交流と共生の千年帝国』昭和堂、2013 年(共著)、ジュディス・ヘリン著(井上浩一監訳)『ビザンツ驚くべき中世帝国』白水社、2010年(共訳)。

「2016年 『テマ反乱とビザンツ帝国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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