アメリカの宗教右派 (中公新書ラクレ 291)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121502919

感想・レビュー・書評

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  • 社会
    思索

  • 米国は、そもそもが清教徒の入植で発展した国なので、日本人が想像する以上に、敬虔な宗教者が多いらしい。
    その中でも、ゴリゴリに保守的な一派は、選挙の際に無視できない集票力を持ち、候補者の理念や政策を曲げさせる事も。
    進化論を否定したり、「中絶禁止」「同性婚禁止」「学校礼拝」三つの目標を達成する為に、あちこちに圧力をかけたり、他から見たらかなりエキセントリックな宗教右派だが、一枚岩というわけではなく、過激な活動に眉を顰めている勢力もある。
    本書の執筆はブッシュ政権時なので、現在では、白人中間層の方が影響力が侮れないかも。

  • ここまで宗教が絡んでいることに衝撃を受けた

  • アメリカ人と宗教の関わりは深いなー。

  •  アメリカには多くの教派が存在し、それらの教派がどういった問題で賛成、反対を訴えているか、また急進から穏健までその程度が異なるということが解説されている。いかにアメリカの政治が宗教団体によって動かされているかということがよく分かる。
     メソジストやバプティスト、長老派、などの人たちの歴史的経緯と、各政権でどのようなスタンスを採るのかという話が整理されている。アメリカの政治や政治史を知るための1冊。(14/01/26)

  • 「アメリカ」を見るとき、市場主義や民主主義という点ばかりが強調され、宗教という側面が決定的にかけている。
    宗教を考えなければアメリカ理解はおぼつかないということをよく教えてくれる。

    信仰にまつわるものまで市場化されているアメリカ。
    ぶっとんでいる。在米中、ブッシュの支持者が大学にほとんどいなかったのに再選されてしまった理由がよくわからなかった。
    新書サイズでよく考えられたトピック。良著。

  • 2008年大統領選の直前に出版された本。「宗教右派」と言っても明確な定義があるわけでないことを前提としつつ、現代のアメリカの政治において影響力が増している福音派などキリスト教の各宗派の勃興を、建国以来の背景もとらえつつ俯瞰している。

    興味深かったのは、宗教右派とされるグループやムーブメントにも時代の移り変わりや、指示政党のブレがあるということ。また、米国で過去に宗教が力を持つときには、基本的にはグラスルーツ的な運動が大きな流れになり、政党が無視できないものに育っている。

    そういう意味では、2012年の現在、失速しつつあるとはいえティーパーティーを支持する連中も、流れ次第では息をぶり返す可能性があるのかもしれない。次回2016年の大統領選の時にはどうなっていることやら。

  • 民主主義の拡大というブッシュ戦略には宗教的信念が影響した部分はあるだろうが、アメリカは民主主義を守る特別な役割を持った例外国家だ、という意識はアメリカ国民に広く共有された考え方であって、福音派の特徴ではない。

    アメリカのカトリックの政治動向は日本ではあまり注目されていないが、2つの意味で重要。1つはカトリックには6,600万人もの信徒がいて単一の教派としては最大の勢力を持っている。もう1つの重要性はその膨大なカトリック票が共和党から民主党へ激しく揺れ動く究極の浮動票。だからカトリック票を制する者が大統領選挙を制するといっても過言でない。

    ブッシュ大統領は、最も好きな政治哲学者はだれか?と聞かれたら、すかさずイエスキリストと答えた。さすがだ。面白い。
    最近、日本ではなぜかサンデルが人気あるね。どうしてなんでしょうか? 
    私はピーターシンガーが好きです。
    まあシンガー好きなんて人は少ないでしょうね。でも彼はユダヤ人だから筋が通っているのだよ。

    アメリカの東部私立大学はもともと宗教系だから、それらのサイトを見ると理解が深まります。
    牧師の養成と子供たちの教育に注力した。会衆派はハーバードとエール。イギリス国教会はウィリアム&メリー大学、コロンビア。長老派はプリンストン。現在でもこうした大学で培われた人脈は政財界で強いネットワークを持っている。

  • 宗教が政治を支配するとも言われるアメリカの宗教の歴史・実情を描いた良書。
    非常に面白い一冊。

  • 最近アメリカの宗教界で力をもっていた、福音派(ファンダメンタリズム)=宗教右派の歴史が書かれている。

    アメリカの宗教、プロテスタントが分裂し、行き過ぎたリベラリズムの反動として、宗教右派が台頭してきたこと。その後、政治と結びつき、ブッシュ息子の時代にネオコン、ファンダメンタリストなどと結びつきあっていたのがよくわかる。

    日本の保守(右派)とは、また異なるので、そのあたりもおさえるには良い本だと思う。

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