フランス産エリートはなぜ凄いのか (中公新書ラクレ 540)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121505408

作品紹介・あらすじ

なぜフランスは哲学を重視するのか?原発大国をつくった理工系の実力は?-ナポレオンが設置したポリテクニクや、東大法学部を凌ぐ官僚輩出校ENAなど「世界最強のエリート養成機関」の実態に迫る。『21世紀の資本』のピケティや、カリスマ経営者ゴーンを生み出す秘密とは?

感想・レビュー・書評

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  • フランスのグランゼコールだけでなく、学校制度全般について理解するにはコンパクトにまとまっていてよい本だとは思う。イギリスやドイツとの比較もあって、私たちはついつい「欧米」とひとくくりにしがちだけど、各国全然違うことに改めて気がつかされる。
    ただ、考察については通り一遍で、新しい気づきは特に得られなかった。

  • 何を言いたいのかよく分からない本だった。何で読もうと思ったのか忘れているのが原因かとは思いつつ。端々でへぇというのはあったのだけど。

  • 仕事の諸々からヨーロッパの人々について興味を抱いていたところ、本屋で見つけた1冊。

    私の頭に残ったのは“エリート” “コンクール” “哲学”の3ワード。教育って国として何に重きを置いてるかが如実に表れるんだなと。そう考えたとき、日本の教育には何が表れているんだろう?とふと最近面談した学生達を頭に浮かべてみたけど…学生は大学に、大学は学生にあまり何も求めても、期待してもいない!?

    予想以上に教育制度の説明に偏っているので、次はもう少しほわっとしていてもよいので文化人類学的アプローチのものを読みたいな。

  • グランゼコール。数学、哲学、物理学に重点を置くリベラルアーツ教育が実践されている場。フランスにおいて大学卒はエリートではなく、3つの学校の出身者が本当のエリート。エコール・ノルマル、ポリテクニク、そしてENA(国立行政学院)の3校がいかに仏において突出したエリートを育てる学校か。ENAの学生は何と公務員として給与まで!!エリート教育の淵源が普仏戦争でのドイツへの敗北から教育改革として出てきたものであるということに、不思議な歴史の重みを感じた。ジスカールデスタン、シラク、そしてオランド大統領まで超エリートとして大学ではなく、これらの学校の出身。そして今、話題のトマ・ピケティ。英国の大学で学び、英語での講演を行う仏人エリートが現代の仏を象徴する。カルロス・ゴーンもまた現代仏人エリート。

  • フランスのエリート主義が,過去の貴族・封建社会という歴史的背景により醸成されたと説く.一方で,入試選抜の公平性は,入試という瞬間的事象のみで捉えれば成り立つが,幼少時からの成長という時系列的事象で捉えれば,公平性が成り立つかは甚だ疑問である.本書でもアンドレ・マルローを例に,学歴だけの評価の誤りを指摘している.常に制度は流動的であるべきで,今後のフランス教育制度の変遷に興味は尽きない.

  • フランスは自由気ままな芸術の国だという印象があるかも知れないが、実際にはよく学ぶし、よく働く。努力することを冷かさない文化がある国なのだ。それはともかく、私は本書をあまりお勧めしない。シャルリ・エブド事件、『服従』発売、ピケティブーム… 今年出さずしていつ出すのかと言わんばかりのやっつけ仕事。エリートを論ずる前に、13世紀半ばのソルボンヌで「牧師」が誕生するとはどういうことなのか教えて欲しい。カトリックとプロテスタントの違いさえ知らずして、文化が語れるものなのだろうか。尚、誤植のおまけ付きである。

  • 2015.12 課題図書(1)

    ■■12/1@コメダ珈琲店■■
    日本のエリートが担う公とは/ミメーシス/~道における「私」/財政破綻から逃げる法/タンス預金/月9/経済成長のための戦争と災害/教員の事務負担/泉

  • なぜ哲学が重視されるのか?原発大国をつくった理工系エリートの実力は?――ナポレオンがつくったポリテクニクや、東大法学部を凌ぐ官僚養成校ENAなど「世界最強のエリート養成機関」の実態に迫る。『21世紀の資本』のピケティや、カリスマ経営者ゴーンを生み出す秘密とは?

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著者プロフィール

京都女子大学客員教授,京都大学名誉教授
1943年兵庫県生まれ。
小樽商科大学,大阪大学大学院を経て,ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。京都大学教授,同志社大学教授を歴任。元日本経済学会会長。
専門は経済学,特に労働経済学。フランス,アメリカ,イギリス,ドイツで研究職・教育職に従事するとともに,日本銀行,経済産業省などで客員研究員を経験。
和文,英文,仏文の著書・論文が多数ある。
〔主要近著〕
『日本の構造:50の統計データで読む国のかたち』(講談社,2021年)
『教育格差の経済学:何が子どもの将来を決めるのか』(NHK出版,2020年)
『“フランスかぶれ”ニッポン』(藤原書店,2019年)
『日本の経済学史』(法律文化社,2019年)
『21世紀日本の格差』(岩波書店,2016年)
『フランス産エリートはなぜ凄いのか』(中央公論新社,2015年)

「2021年 『フランス経済学史教養講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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