逆説のスタートアップ思考 (中公新書ラクレ 578)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121505781

感想・レビュー・書評

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  • 前章 スタートアップとは
    スタートアップとは/なぜスタートアップなのか/「スタートアップ思考」が体系化され始めた/サバイバルするためのスタートアップ思考/健全な社会のためのスタートアップ

    1章 アイデア-「不合理」なほうが合理的
    スタートアップとは「反直観的」である/「不合理」なほうが合理的/「悪く見えるアイデア」を選ぶとはいえ/「難しい課題」のほうが簡単/ソーシャルインパクトの重要性/「面倒な仕事」を選ぶ/「説明しにくいアイデア」を選ぶ/りよいものではなく「異なるもの」を/「反領域的な課題」へおもちゃのような解決策を/今はまだ「名状しがたい何か」/考え出すのでなく「気付く」/急速な変化は「徐々に始まる」/「Why Now?」/着目すべきは「劇的に変化するテクノロジ」/インベンションから「イノベーション」へ/スタートアップは「べき乗則」である/ヒットではなく「ホームラン」/「ビジョン・ミッション・ストーリー」の重要性/「未来の仮説」としてのスタートアップ/この章のまとめ

    コラム アイデアのチェックリスト

    2章 戦略-小さな市場を独占せよ
    競争ではなく「独占」/競争は「偏る」/独占が消費者へ提供する「メリット」/独占の「条件」/「イノベーションのジレンマ」を利用する/「小さい市場」を狙う/「急成長する市場」を狙う/「長く」独占する/「徐々に」広げる/競争したら「負け犬」/先行者利益よりも「終盤を制すること」/価値の大きさと価値の割合は「独立」している/独自の「価値」と独自の「やり方」/「何しないか」決める/「最高」を目指さない/戦略は「実践」から生まれる/この章のまとめ

    コラム 大企業でアイデアを守る仕組みの重要性

    3章 プロダクト-多数の「好き」より少数の「愛」を
    製品が通る道/「欲しがるもの」を作る/「製品以外」もプロダクト/プロダクト体験は「仮説の集合」/「今日はどうやってプロジェクトを殺そう」/顧客自身も「分かっていない」/多数の好きより「少数の愛」/とにかく「ローンチ」/「スケールしないこと」をする/でも「成長率」を追う/「継続率と離脱率」で愛を測る/「口コミ」で愛を測る/「マジックモーメント」は一刻も早く/「メトリクス」を追跡する/メトリクスが従うのは「ビジョン」/メトリクスは「一つ」/追跡は「徹底的に」/「サポート」は製品開発だ/これから必要なのは「カスタマーサクセス」/「セールス」も製品開発だ/セールスは「聞く」こと/「ディストリビューション」がボトルネック/実行方法を「ハック」する/最後のプロダクトは「チーム」/この章のまとめ

    コラム スタートアップはモメンタムを失ったら死ぬ

    4章 運-それはコントロールできる
    起業家の「リスク」とは/「バーベル戦略」でブラック・スワンを回避する/「アンチフラジャイル」に賭けろ/「回数と速度」はコントロールできる/「量」が「質」を生む/「損」は怖い?/「大きな負け」を避ける/「助け合う」こと/この章のまとめ

    コラム 東大生とスタートアップ

    終章 逆説のキャリア思考
    スタートアップ思考をキャリアに組み込む/人生におけるバーベル戦略とアンチフラジャイルの価値/偶然性、不確実性、ランダム性、ボラティリティ/キャリアのランダム性/スタートアップは安易にお勧めできない/スタートアップのことなんて知らなくていい/やりたいことはやってみないと分からない/まずはサイドプロジェクトから/逆説のスタートアップ「試行」

  • スタートアップの定義を掘り下げ、スタートアップビジネスの本質的な特徴を、高い解像度で解説。

  • 論理性に欠け同じことを繰り返すなどやや冗長に感じる。学者(正確性が大事)というよりもビジネス(ある程度まで詰めたら決めていく事が大事)の人だなと思った。
    しかし、内容は面白い。自分も今作っているものをもっと広めるために今までになかった発想での工夫ができる気がする。
    また、何回か読み返して今作っていないがこれから作りたいと考えているものに関しても考えてみたいと思った。

  • いろいろなエピソードを含ませながら説明されていて、なるほどと思う。著者はいろいろな本をよく読んでいる。
    最後の「すでに不合理なアイデアや賛成する人がほとんどいない大切な真実に気付いているのであれば、本書を捨てて、今すぐ製品を作り始めてください。・・・」との語りかけは、すべてを物語り、著者のスタートアップを支援したいと思う真摯な姿勢が垣間見られる。

  • 友人がFacebookで紹介していたので読んでみた。
    東大産学協創推進本部で起業支援を行っている著者による、スタートアップ方法論。

    「不合理なアイデアこそが合理的」「多数のLikeより少数のLove」「競争したら負け犬」などなど、わかりやすいキーワードと具体例でまとめられており、さくさく読める。

    スタートアップではない会社で仕事をしている私にも、いくつか刺さる章があった。起業したい人、起業した人にはもっと刺さるだろうおすすめの本。

  • 馬田氏によるスタートアップの本。教科書的な内容も多くとてもわかりやすいとともに本質的でとても面白い。スタートアップは反直感的とのくだり、バカなとなるほどとも言われるが経営、競争戦略において非常に重要なポイントをついた言葉でよき。
    unsexyこそ最もsexyとも言い表される部分。

    メモ
    ・アイデア 
    不合理な方が合理的
    難しい課題ほど簡単になる
    本当に良いアイデアは説明しにくい
    スタートアップの成功はべき乗則に従う

    ・今の時代の集団が間違っている信じている幻想を見抜き、それに異を唱えることが、スタートアップに必要な資質。
    ・あわせてwhy now?も重要。
    ・難しい課題の方が簡単になる理由
    周囲からの支援が受けやすくなる
    優秀な人材採用につながる
    競合がいないマーケットに進出できる
    ・スタートアップのアイデアは考えだすのでなく、気付くもの。
    ・未来仮説。未来に生きて欠けているものを作れ。今から10-20年先に世界はどうなっていて、自分のビジネスはその世界にどう適応しているだろうか。誰も築いていない、価値ある企業とはどんな企業だろうか。
    ・独占のための戦略 ピーターディール
    小さな市場を選ぶ
    少数の特定顧客が集中していること
    ライバルがほとんどいないこと
    顧客に刺さり続ける仕組みがあること
    スケールのために必要な限界費用が安いこと
    ・スタートアップの成功要因の80%は市場の選択によるという分析もある。
    ・長期独占に必要な要素 ピーターティール
    専売的な技術
    ネットワーク効果
    規模の経済
    ブランド
    ・まず独占し、徐々に広げること。
    ・先行者利益より、終盤を制すること。
    ・独自の価値を独自のやり方で作るという二つの条件を同時に満たすことが重要

    ・あえてスケールしないことをすることで、創業者は自分たちの会社、そのすべての業務のエキスパートになれる。
    ・週次成長率は5%以上を設定する
    ・成長率を軸に置くことで、方向性が定まってくる他、新しいアイデアにつながることも。
    ・バーベル戦略。極端に保守的な投資と極端に陶器製の高い投資を組み合わせ中くらいのリスクは一切取らないと言うもの。
    ・アンチフラジャイル。変化によってダメージを受けるんじゃなく大きな利益を得るもの。
    ・検証の速度と回数はコントロールできる。

  • シリコンバレーのスタートアップ系書籍の内容がよくまとまっていて読みやすい。
    引用している本がどれも良書ばかりなので派生して読んでいきたい。

  • 読んで結構時間が経つけど、UXデザインの師匠に渡されて読んだ。何かの解決策にはなるとは思わないけど、元気がないときに読んだら、元気が出る系の本。事例も多い。

    他の企業が嫌がって取り組まないことを仕事にするとニッチなので競合が現れにくいとか、
    質は最初は低くてもいいから迅速に着手して、兎に角、短いスパンで検証を繰り返して改善するのがよいとか。

  • スタートアップに限らず、志のあるビジネスマンは読んで損ない内容。いっぱいマークしました。
    ・どんなに能力が高く優秀でも、運を味方にできない限り、スタートアップは成功しない
    ・「半直感的」な事実についての感度。①不合理なほうが合理的、②難しい課題ほど簡単になる、③本当によいアイデアは説明しにくい、④スタートアップの成功はべき乗則に従う
    ・マーケットが合理的に動いていれば、急成長するチャンスは頭のよい人によってすでに刈り尽くされているはず
    ・「なぜ今」このアイデアは悪いように見えて実はよいのかを説明できる必要がある
    ・ミッションのない企業は人々を興奮させず、いいチームを集めることができない。十分に大胆でありながらも、頑張れば実現可能であるというアイデアが必要
    ・スタートアップのアイデアは「考え出す」ものではなく「気付く」もの
    ・Googleは初めての資金調達を行うまでに350回のピッチを行った
    ・「悪いように見えて、実はよいアイデアかどうか」のチェックをしてみること(位置No.762)
    ・「競争すること自体」が負け。競争から抜け出るためには、「独自の」価値を作る必要あり
    ・スタートアップの最初期は多数の人から好かれる製品よりも、少数の顧客が愛する製品を作ったほうがよい
    ・エバンジェリストとなった顧客は、下手すると従業員よりも効果的に自分たちの製品の良さを伝えてくれる
    ・スタートアップは決してモメンタムを失ってはいけない。常に今のモメンタムに気を配り、モメンタムをどう維持するかを考え続ける必要あり(モメンタムを失うと、離職者が生まれ…本業にまい進できなくなる)
    ・物事がひどく悪い方向へ進んだとき、社員を会社に留まらせる唯一の理由は、その仕事が好きということだけ
    ・「今あるお金を失うリスク」よりも「将来の可能性を逃すリスク」を嫌がる傾向にあるのがビリオネア

  • スタートアップとは何なのかについてよく理解できた。スタートアップ思考は普段の直感的な考えとは異なるところが多く思考としての幅が一気に広がったように思う。コモディティが避けにくい現代社会においてスタートアップで働かなくてもこの考えを持つことは意味があると思った。

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著者プロフィール

東京大学 FoundX ディレクター。
University of Toronto 卒業後、日本マイクロソフトを経て、2016年から東京大学。東京大学では本郷テックガレージの立ち上げと運営を行い、2019年からFoundXディレクターとしてスタートアップの支援とアントレプレナーシップ教育に従事する。スタートアップ向けのスライド、ブログなどで情報提供を行っている。著書に『逆説のスタートアップ思考』『成功する起業家は居場所を選ぶ』『未来を実装する』。

「2022年 『解像度を上げる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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