初歩からのシャーロック・ホームズ (中公新書ラクレ, 706)
- 中央公論新社 (2020年11月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121507068
作品紹介・あらすじ
1887年、『緋色の研究』にて世に登場して以来、シャーロック・ホームズは、小説、コミック、映像、ゲームなどメディアの変遷に乗り、名探偵として世界中で親しまれてきました。国と世代を越えて、どうしてこれほど人気を保ち続けているのでしょうか? 本書は、日本屈指の研究家がそんなホームズの謎に迫り、魅力を初歩から解説します。マニアも楽しめる読み所とエピソードが満載、資料も入った永久保存版です。これから読む人には最高の入り口となり、正典60篇を読み終えた人にはその後の指針たらんことを!
感想・レビュー・書評
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名探偵シャーロック・ホームズの正典(原作)から、パロディやパスティーシュ(他の作家が書いた続篇)、映画やドラマや漫画などのメディアミックスに、作家コナン・ドイルの生涯、シャーロッキアン団体の紹介と、ホームズに関することを、幅広く掲載しております。
最近の人なら、「ベネディクト・カンバーバッチ」と「マーティン・フリーマン」の、BBC「シャーロック」や、「ロバート・ダウニー・Jr.」と「ジュード・ロウ」の、映画版「シャーロック・ホームズ」などが、ホームズを知るきっかけかもしれませんね。
私の場合、小学校の図書館で手に取った「まだらの紐」と「名馬シルヴァー・ブレイズ(当時はタイトル名が若干違う気がした)」が一冊にまとまった本で、恥ずかしながら、ほとんど内容を忘れてしまっている。
そんなわけで、改めてシャーロック・ホームズを読みたいと同時に、ちょっとした前知識を仕入れようと思って読んだのだが、多くのあらすじを読んでいるうちに、早く原作を読みたい気持ちの方が強くなりました。 -
2020年11月中公新書ラクレ刊。パスティーシュの書き手で、ホームズ研究家でもある北原さんの情報本なので、ツボを押さえていて、面白く楽しめました。北原さんの想いが伝わって来るのが良いです。巻末に正典一覧、発生事件一覧が付いているので、紹介のあったパスティーシュ、パロディ一覧も付けてくれたらと思いましたが、最終章にも書いてあるように、インターネットで検索する方が最新状況がわかって、ずっと良いです。
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中扉のデザインが素敵!
221Bのドアになっているんですよ。
ノックしてホームズ世界へ入室!
久しぶりに基本をおさらいしとこうと
入門書を手に取ってみました。 -
わたし、いちおう「正典」はすべて読んだのですが、本書を読んでみたらまあみごとに忘れてましたね。一度読んだくらいじゃとても身につかない(身につけるものなのかもわからないけどw)。
そういう意味で本書は、読んだことのない人に配慮してネタバレなしの、とても読みたくなるレビューを全作分収録してあるほか、読んだことがあるけど忘れてしまったわたしのような人間にとっても、その寸止めが効くんですよ(笑)うわー、犯人だれだっけ、読み返さないと! みたいな。
もちろんそれだけでなく、主要キャラ紹介、時代背景と舞台紹介、作者の簡単な紹介、二次創作、映像化作品紹介と、このうすさながらとても手際よく、でも上っ面をなでるだけじゃなくちゃんと面白い情報をまぜこんで書かれている。「SHERLOCK シャーロック」の「ピンク色の研究」にどんなふうに語られざる事件が入れこんであって、世のシャーロキアンが熱狂したか、とかね。そんなのもう、もう一度原典を読んで語られざる事件をたしかめてから、ドラマを見かえすしかないじゃないですか。
そうやって人は深みにはまっていくんだな(笑) -
シャーロック・ホームズ語辞典とあわせて、小学生の息子にホームズとは……という説明をするにあたってかなり参考になりました。
正典紹介はネタバレ無しで書かれているので。
親の私としては、コナン・ドイルのホームズ以外の著作の紹介が興味深かった。
歴史小説を書きたくてホームズを打ち切ったことは知っていたけど、タイトルなどは知らなかったので。
読んでみたくなったのは科学ロマンもの。
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シャーロック・ホームズシリーズに興味はあったが、色々な出版社が本を出しており、どれを読めばいいかわからなくてなかなか手が出せなかった。
それぞれの本の特徴が紹介されていたり、各話の見所が書かれていたりしていて良かった。
コナン・ドイルについてや時代背景も書かれているのが良かった。 -
これを読んだら、全部読みたくなる。こちらを参考に今まさに読み始めている。シャーロック・ホームズの世界に浸れる楽しさを教えてもらえた本。
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断片的にしか読んだことがなかったが、コロナ禍の間に創元推理文庫の『シャーロックホームズの冒険』を読んだ。この後どのような順で読むべきなのか分からなかったため、こちらを手に取った次第。5章まではコナン・ドイルの人柄を含め正典と呼ばれる長編短編の紹介があり初心者にも大変分かりやすかった。驚いたのは6章以降で、ホームズはミステリー小説だと思っていたが(もちろんミステリー要素はあるのだけれど)6章以降の紹介を読むうちに、これはまさにキャラクター小説の金字塔なんだな、と感じた。ホームズをもっと見たいという人たちが、100年以上もの間、パスティーシュやパロディ(今でいう二次創作)が描いているというのが純粋に凄い。特に面白かったのは、パロディものでホームズと実在の人物(夏目漱石や切り裂きジャック等)の絡みが描かれていること。まるで本当にこの世にホームズが実在していたかのように思わせてくれる。なお、次に読むお話は『緋色の研究』にする予定です。
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マニアでない自分には正典紹介部分よりもパスティーシュやメディアミックス紹介が興味深かった。永井豪がホームズのパロディマンガ描いてたなんて!『憂国のモリアーティ』は読んでみたい。