著者(責任編集者)は、フランス革命をナポレオンのブリュメールのクーデターを持って終結するという立場、頁数の7割を費やしフランス革命を解説している。ナポレオンについては少しあっさりしている印象だが、ナポレオンを「革命の子」と見れば主軸はやはりフランス革命にあり、本著の著者(責任編集者)の意図が顕れた構成となっている。
18世紀のフランスの人口は約2,600万人で欧州最大だったという。特権階級である僧侶(第1身分)は14万人、同じく貴族(第2身分)は40万人、非特権階級(第3身分)であるブルジョワジーは100万人、同じく農民は2,300万人、非農業勤労者が200万人という構成だ。フランス革命は第3身分のなかでもブルジョワジーが主導したことが特徴であるという。さらに、ブルジョワジーのなかでも特に特権階級に近い者達によるものであり、小ブルジョワジーを頼みの綱にしたロベスピエールは失脚を見ることになった。
フランス革命を庶民による革命と認識するのは浅はかということだろう。