- Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122017801
感想・レビュー・書評
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小池真理子の過去作、特にサスペンス作品は今の時代でも評価されて欲しいな...
容姿端麗な誘拐犯と、平凡な男の生活が交差し、想像を絶する悲劇を産み出すサスペンス。
官能的で美しい文体が大好きだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
久しぶりのミステリーだったので、途中から本が手放せなくなるほど入りこんでしまいました。
ペスト菌と誘拐のダブル恐怖。わかりやすい怖さだけれど、それゆえに入りこみやすかったです。 -
日本人留学生が持ち帰ったペスト菌。
女性キャスターを誘拐するストーカー。
2つの事件が徐々にひとつに重なっていく・・・
当時まだストーカーと言う言葉もなかったように思うのですが、
その時にこんな薄気味悪いストーカーを登場させているんですよね。
テンポも良くて、先も気になるのですぐに読めちゃいました。
ペストってよく知らないのですが、これを読むとめちゃくちゃ怖い。そしてこのストーカー男もめちゃくちゃ怖い。
ペスト菌やストーカーなんて、自分には関係ない遠い彼方の
出来事だと普通は思っている。
でも気付けばそのさなかに居た、と言う恐怖。
彼方の悪魔が知らぬ間に忍び寄っている・・・・・
そして悪魔に打ち勝つのは??負けるのは??
サスペンスフルで面白かったです。 -
以前にあめん坊さんが絶賛していた作品ですので、
ぜひ読んでみたいと思っていたところ、偶然、図書館で見つけ、さっそく読みました。
リスの死骸と共にアメリカから帰国した留学生健一。
青年期の屈辱的な体験で精神を病み、
美人テレビキャスター千春を誘拐して我がものにしようと企む軍治。
ある街の同時期に、この2人による2つの恐怖がおこりました。
精神を病んでいる軍治の誘拐の仕方も少し不気味です。
マンションの一室に少女趣味な防音無菌室を作り、
そこへ誘拐してきた千春を監禁するというものです。
千春の好みも自分と同じだと思いこんで、
自分好みの花をかざり、自分のペットのように可愛がろうとします。
一方ではリスの死骸から病魔に感染した健一は病院へ。
リスの死骸を調べた医師たちは、
そこで恐るべき病魔の正体がわかり、驚愕の恐怖に陥ります。
隔離、感染防止、とあわてふためくなか、
リスの死骸をもてあそんだ健一の飼い猫が感染し、
街へ彷徨い出てしまします。
その飼い猫に唯一引っ掻かれたのが、軍治でした。
病魔に感染した軍治、
拉致監禁されている千春にまで感染してしまうのでしょうか。
中盤からぐっと物語の面白味に拍車がかかり、
読むスピードは、もうどうにも止まりませんでした。
最後の章の記述に、病魔が、
「一人の青年の人生の一部を変え、一匹の猫を死なせ、一人の狂気にかられた男の命を絶って、どこかへ去ってしまった。」とありますが、
まさしくその通り。
まったく違った方向からおこった二つの事件ですが、
最後には、見事に一つに交わってしまいました。
すでに日本では忘れられていた悪魔のような病魔。
感染病をうまくストーリーに取り入れて
ぐいぐいと読者を引き込む、このテクニック。やはり上手いです。
「ストーカー」という言葉がなかった昭和62年の作品ですが、
作品の中の軍治はあきらかに、今でいうストーカーです。
こんな不気味な犯罪者心理を早くに作品とした小池さんには、
先見の目があったのでしょうね・・・。
予想以上の面白さにはまり込んでしまいました。
はまり具合を病気感染に例えるなら、
この感染力は病魔以上になると思います。 -
孤独な留学生が、留学生活の最後を一緒に過ごしたリスの死骸を持ち帰る。それがペスト菌に感染するキッカケとなる。
別の場所ではストーカーが人気キャスターを誘拐し、部屋に監禁してしまう。無関係の二つの出来事が繋がって、事態はさらにややこしいことにー
という話。
この先どうなるのかと、最後まで気になってやめられんくなる。 -
090922(s 090925)
091128(s 091227) -
サスペンス長編。