藤子・F・不二雄SF短篇集 (1) 創世日記 中公文庫―コミック版 (中公文庫 コミック版 ふ 1-1)

著者 :
  • 中央公論新社 (1994年9月18日発売)
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122021488

感想・レビュー・書評

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  • 先日購入した「ミノタウロスの皿」が良かったので味をしめて買った文庫コミック。
    「ミノタウロスの皿」と比べるとブラック味やシニカルな雰囲気が薄く、あっさりめ。
    子供でも読めるような話ばかりだと感じました。
    7話が収録されています。

    「マイ・シェルター」
    マイホーム購入を目前に控えたサラリーマンは飲み屋で一人の男に声をかけられる。
    彼は核爆弾が落とされた時の事を考えて家を買うより核シェルターを買うべきと勧める。
    その後、主人公は夢の中で核爆弾が落ちた時の事を考えて様々なシミュレーションをする。

     最後がさりげなくていいと思いました。何という事はないけど「なるほどね」と思います。

    「創世日記」
    ある夜出会った男性から、宇宙、地球、人類を創る「天地創造システム」をあずかって欲しいと言われた少年。
    それは小さいUFOの形の物で、その中で次々と宇宙が創世されていく。

     これは正に「Y氏の隣人」の世界だ!と思いました。

    「いけにえ」
    宇宙人から生贄に選ばれた男性の話。

    「街がいた!!」
    意志をもち、移動する街の話。

    「老年期の終わり」
    人類という種は、老年期を迎えていた。
    かつての銀河系の開発への意欲もなくし、地球へ帰還する事を決めた人類。
    その中に、長い年月を冷凍保存されていた昔の人類である青年がいて、彼はその流れに逆らいロケットに乗る。

    「うちの石炭紀」
    急速に進化をとげたゴキブリの話。

    「みどりの守り神」
    飛行機が墜落し助かったのは男女二人。
    彼らは森の中をさまよい、村にたどり着くも誰もいない。
    その後、歩いてやっと着いた東京はジャングル化していた。

    SF短編集となっているだけに、近未来の話が多く、当時からこういった危機感をもっていたんだな・・・と感じました。
    核爆弾の話など、分かりやすく問題提起をしています。
    個人的には「ミノタウロスの皿」の後に読むと物足りなさを感じる内容でした。

  • 『うちの石炭紀』がすごく好みの作品だった。ゴキブリが核実験してる描写とか最高。藤子・F・不二雄的抒情詩。

  • ■SF短編集1 創生日記(全7話)
    マイ・シェルター
    創世日記
    いけにえ
    街がいた!!  ★ビジュアルが凄い。
    老年期の終り  ★マギー若き日の歌。
    うちの石炭紀
    みどりの守り神  ★タルコフスキー。

  • SFだわー、と思った。シビアな物語が展開される中での脱力的な名付けのセンスが素敵。

  • 類似ネタが増えてきたように感じる。

    ▼マイ・シェルター
     「箱舟はいっぱい」と同ネタ。味わいも結末も随分違う。
    ▼創生日記
     神様になるって楽じゃない。
    ▼いけにえ
     なんで?が残る。
    ▼街がいた!!
     S・キングのような話。
    ▼老年期の終わり
     あまり望ましくない未来。
    ▼うちの石炭紀
     ゴキブリが脳を発達させて文化を生み出したら。
    ▼みどりの守り神
     坂口くんはどこへ。

  • ゴキブリの話は少し不思議を実践した人間風刺の傑作。

  • 「マイ・シェルター」「創世日記」「いけにえ」「街がいた!!」「老年期の終り」「うちの石炭紀」「みどりの守り神」収録。
    SF全短編中公愛蔵版から抜粋とのことで(1巻だけ実家にある)、「いけにえ」は読んだことありました。
    「老年期の終り」たまらん。
    もちろん「みどりの守り神」も。

  • 創世日記が面白い。全般的にドラえもんよりダークですが、読んでみて下さい。

  •  もったいないなあ、とまたしても思ってしまった。
    手塚治虫といえば『鉄腕アトム』、不二子・F・不二雄といえば『ドラえもん』という図式に対して。わたしはこれを読んで、不二子・F・不二雄の真髄ここにありという感じがしたのだ。

     不二子・F・不二雄のSF(すこし・ふしぎ)は日常の中に潜んでいる非日常を描いている、とよく言われる。冴えない浪人生がひょんなことから神様になってしまったり、マイホーム購入から核問題へ拡がっていったり。そんな些細なことから物語は展開していく。不二子さんはきっとこんなことがあったらおもしろいだろうな、というひらめきから物語をつくっていったのではないのだろうか。
     
     こどもの発想から大人のロジックへ。
    どの作品も20年以上経った今読んでも決して古くはない。こどもの視点を大切にしつつ、大人を喜ばせることもできる作品をうみだすことのできる、不二子・F・不二雄さんは本当に素敵な人だ。

  • 線が安定してて、とっても落ち着いた絵はもはや図案化されたような感じで、音や激しさなんかの情感は感じないのだけど、それがこのちょっと不思議なお話と妙に合ってて面白い。地球を作る話やゴキブリの話が特におもしろかった。

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