- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122024748
感想・レビュー・書評
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気障でいけすかない源氏。ほぼ中二病です。橋本源氏は源氏の一人語りでお話が進行しますが、文末全てに「フッ、参っちゃうよなァー!」を付け足して読むのがお約束。
危うさを感じさせる程の美貌、全ての才に秀で、帝の子でありながら愛ゆえに臣下に降された境遇。潔癖だった思春期には、最低野郎としか思えなかった光の君ですが、今読むとなかなかに痛くて宜しい。
なにより、当時の「通い婚」文化が案外魅力的に思えてくるから不思議。
この巻には桐壺、帚木、空蝉、夕顔が収録されております。源氏出生から17歳まで。 -
橋本治氏は70年代の「桃尻娘」、80年代の「桃尻語訳枕草子」で話題になった。特に後者の作品が出たときには、ちょっとした日本古典ブームも起きたと思う。
そして90年代には「窯変源氏物語」が出た。
この作品が出た頃、新刊の1巻を購入して読もうとしたのだが、数ページを読んで挫折した記憶がある。
今回はそのリベンジ。歳をとると(?)、昔挫折してしまった本に改めて挑戦したくなってしまう。
実は学生時代は古典が嫌いで、源氏物語も枕草子も徒然草もほとんど読まなかった。源氏物語といえば「あさきゆめみし」という大和和紀さんの漫画が有名だが、それも読まなかった。なので全くの初見でよむ橋本治版「源氏物語」。
他を読んでいないから、橋本版の特徴として知っているのは、光源氏の一人称として語られていること。確かに出だしから光源氏のモノローグがすごくて、これって本当に古典?という感じが強い。ちょっとそれに圧され気味。本当にこの勢いで最後まで読み続けられるのか?怖気付きそうな予感も感じつつ、今年1年かけて最後まで読んでいきたい。 -
「女人」を入れたのでこちらも。「女性の物語」である源氏物語に男性視点で切り込んだ斬新な解釈が面白い。
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「美とは、この貴族社会をも揺るがす力にございます」ってグ伝の光源氏が言ってた!
しかし13巻もあるのか。 -
窯変とはかまへん=大阪弁のOK、かまへんでーということと思っていたが、ようへんだった。
源氏物語なんて「好き好きしい色恋の道、閨の内での痴話物語」と思って興味なかったが、男の話を同じような興味なさで聞くような源氏がふと目覚め、試行錯誤、精神的に成長?する話。
さすが1200年降臨するベストセラー、むちゃくちゃ面白い。暴れる強姦魔の話なんだけど。
原文はあらすじ程度の本当にあっさりした情報量なのに、橋本さんのピリっクスっとした肉付けで見事に彩色がよみがえる。
昔は紙が貴重だったからかシンプルな記述、今は考える余地を与えるまいとばかりに行間を埋めてきているなあと感じた。
桐壺…その昔、闇の中から光が生まれる
帚木…眠れる夜、つれづれなる夜
空蝉…そして、男と女の戦が始まる
夕顔…白い花よ、十代の夏の終わりに短くも咲け -
現代の感覚に合うよう筋を補間してくれているのですらすらと読みやすいけど、くどくてちょっと説明過多と感じました。そこまで説明したら野暮というか。雅な王朝物語というより全体的に陰鬱なトーン。
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友人から「源氏供養の、ここの場面間違ってない?!」と問われ、初心者ながら源氏好きを公言し、尚且つ橋本治先生は大好きなのになんと!源氏供養を読んでなかったと今更気が付く私・・・
日々、友人にお勧めされた本やミーハー本に追われて最近源氏関連本読んでいなかったなあと反省しました。
源氏供養を読むならその前に窯変再読せねば!と小さな一念発起、久々に全14巻窯変源氏に手を出すことを決意しました(大げさ・笑)。
久々に読んだ橋本源氏、やっぱり異質ですごいわ。
未だにこれを超える訳本は出てないと思っています。そもそも訳本という枠を超えている。
普通の源氏物語は、誰が訳していても光源氏が主役でありながら彼をめぐるまわりの女達にスポットをあてた物語に仕上がっていて、原文も、紫式部という女房の客観目線が主軸です。
そんな中本書は、一貫して光源氏の主観で物語が進みます。
何もかももってる光り輝く主人公ではなく、奪われたものに焦点を当て、それに対する不満や闇を抱え苦悩する、冷徹だけどまだ幼い光君が登場した時のインパクトは、何度も再読したはずなのにやっぱり衝撃的でした。
紫式部が描かなかった男目線の平安貴族の世界を再現し、ねちねち、くどくど、でも、これこそが当時の人間のありようだ!と私は信じています。。
1巻は桐壷~夕顔まで。
ゆっくり読んでいこうと思います。。 -
紫式部の源氏物語の筋は変えず、物語はすべて光源氏の一人称で語られるという、珍しいタイプの源氏物語です。この作品は、それだけで現代小説として成立しており、古文を忠実に訳した文章のような違和感がありません。源氏物語の現代語訳を読むのに挫折した人にもおすすめです。
「源氏物語」は今日でも いとをかし
「源氏物語」は今日でも いとをかし
コメントありがとうございます♥源氏、一度はハマりますよね。まさに、もののあはれの文学☆私のオススメは田辺聖子さんの「絵草...
コメントありがとうございます♥源氏、一度はハマりますよね。まさに、もののあはれの文学☆私のオススメは田辺聖子さんの「絵草紙 源氏物語」「源氏たまゆら」です。かなりダイジェスト版なのでさらりと読めてしまいますが、岡田嘉夫さんの挿絵も物語を盛り上げてくれます。よかったら一度どうぞ〜♪