世界のなかの日本: 十六世紀まで遡って見る (中公文庫 し 6-42)
- 中央公論新社 (1996年1月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122025103
感想・レビュー・書評
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日本の文化に鎖国がかなり影響していると分析していると対談にあった。それが却って日本人の好奇心を刺激して、あらゆる料理を究めたり、どんなスポーツも試したりすると分析されていた。なるほど、それはあると思う。
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司馬遼太郎氏(1923-1996)とロナルド・キーン氏(1922-2008)の両巨匠が、16世紀(室町時代後期から戦国時代)まで遡って〝世界の中の日本人と日本文化〟について、三度にわたって語り合った硬派の対談集。〝とにかくお侍さんは貧乏でした。農村に二、三軒はある大百姓の方が、一般的に金持ちでした。むろん、街の商人は金持ちでした...侍には侍の美学があり、それを西鶴のような町人代表者が尊敬していた...尊敬でも受けなければ、お侍さんもただの貧乏人です〟〝武士は喰わねど高楊枝とかね〟・・・。
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鎖国は良いことだったという見方は驚きだった。
普通に勉強するだけでは見えてこない世界の関わりが見えてくる。
…もっと日本史勉強しておけば良かった。 -
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フランス革命以前のフランスだったら、貴族としての生活は決して悪くはありませんでした。しかし、みんなが記録として生まれていなかった。そこが問題...フランス革命以前のフランスだったら、貴族としての生活は決して悪くはありませんでした。しかし、みんなが記録として生まれていなかった。そこが問題なのです2021/12/24
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2016佐藤優が選ぶ知的ビジネスパーソンのための中公新書・文庫フェアで気になった本
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難しい。
オランダに2年も住めば、市長も選べて、子供を大学に通わすこともできる。
日本は何十年も日本に住んでいる外国人の参政権でもめている。
日本は日本人のものではなく、日本に住んでいる人のものという考えが世界をみるとどうやらスタンダードなのかも。
これは難しい問題である。 -
対談の話題は、鎖国の功罪、江戸文化、明治の憂鬱、日本語と文章、日本人にない絶対の観念、等。自分に近松や西鶴を始めとする江戸文化への深い造詣がないため、やや難解。
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伝統とは 意外と短い期間で形成される。
日本の今の伝統は 多くは 江戸時代で生まれている。
漆器は ジャパンと言われ
陶器は チャイナ と言われた。
それは 西洋の生活を 大きくかえるものだった。
鎖国は良いことだったという評価はおもしろい。
武士は まずしかった。
貧しくても 矜持があった。
明治の中期に 朱子学に基づく教育が編纂された。
本来は いろんな思想的な潮流があったが。
日本の思想の中に
『絶対』を軸にするものを設定するのが
むつかしい。三島由紀夫は 絶対を 天皇においた。
日本の清潔感はどこからくるのだろうか。
清潔好きの根拠は。
対談の質が さりげなく圧倒する。
いや。すばらしい対談だった。
知の激突ですね。
現在の日本というものの 生まれたてを論じている。
それは、縦横無尽な知の疾走でもある。 -
対談録。戦国時代から昭和までの、世界における日本の立ち位置について意見を交わすも、ちょっと難解。司馬さんの小説や随筆が極めて判りやすいのは、意識して誰にでも判りやすくしてるからなんだね。卓越した知識人の威力を見せつけられた感じ。