天の川の太陽 (上巻) (中公文庫 く 7-19)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (664ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122025776

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  • 大化の改新のあと政権を保持する兄天智天皇の都で、次第に疎外される皇太弟大海人皇子。悲運のなかで大海人の胸にたぎる想いは何か。額田王との灼熱の恋、鬱勃たる野心。古代日本を震撼させた未曾有の大乱の全貌を雄渾な筆致で活写する小説壬申の乱。吉川英治文学賞受賞作。

     1997年7月27日購入

  • この作品は黒岩重吾氏が初めて古代史に取り組んだ歴史長篇である。
    昭和51年(1976)より連載され、昭和54年(1979)に刊行された。
    作品が発表される数年前に奈良県の明日香村で高松塚から壁画が発見され
    タブー視され続けていた天皇家及び古代への感心が高まっていた時期であった。
    一部の人を除き古代への感心が今一つなのは当時のことが謎に包まれて、
    未だに研究者達の間でも論争が続いてはっきりしないことや、
    その当時の人々の姿が思い浮かばないからであると思われる。

    実際古代史好きのあたしにも、当時はどんな服装だったのか、
    どんな住居でどのように暮らしていたのか、想像でしかないので
    こういった古代史作品を読んで、文字と雰囲気でしか分からない。

    しかし黒岩氏の作品のどこがすごいのかと言うと、
    登場する人物一人一人が実に活き活きとしていて読んでいる時も
    映像として想像できるところだと思う。

    戦が行われた場所も、行った事も見た事もないあたしでも
    その文字を追うだけで映画館で見るような迫力ある映像が頭に浮かぶのだ。
    登場人物も顔の細部までは想像出来ないけれど
    その時々にどんな表情をしていたかまで思い浮かべることが出来る。
    一人一人がとても魅力的なので、読んでいて目頭が熱くなる。

  • 飛鳥
    天武天皇

  • 大海人皇子が吉野で挙兵するまで。

  • 古代歴史小説の最高傑作のひとつ。小説してだけでなく、歴史を研究している作者ならではの考察も興味深い。

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著者プロフィール

1924-2003年。大阪市生まれ。同志社大学法学部卒。在学中に学徒動員で満洲に出征、ソ満国境で敗戦を迎える。日本へ帰国後、様々な職業を転々としたあと、59年に「近代説話」の同人となる。60年に『背徳のメス』で直木賞を受賞、金や権力に捉われた人間を描く社会派作家として活躍する。また古代史への関心も深く、80年には歴史小説の『天の川の太陽』で吉川英治文学賞を受賞する。84年からは直木賞の選考委員も務めた。91年紫綬褒章受章、92年菊池寛賞受賞。他の著書に『飛田ホテル』(ちくま文庫)。

「2018年 『西成山王ホテル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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