- Amazon.co.jp ・本 (664ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122025776
感想・レビュー・書評
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この作品は黒岩重吾氏が初めて古代史に取り組んだ歴史長篇である。
昭和51年(1976)より連載され、昭和54年(1979)に刊行された。
作品が発表される数年前に奈良県の明日香村で高松塚から壁画が発見され
タブー視され続けていた天皇家及び古代への感心が高まっていた時期であった。
一部の人を除き古代への感心が今一つなのは当時のことが謎に包まれて、
未だに研究者達の間でも論争が続いてはっきりしないことや、
その当時の人々の姿が思い浮かばないからであると思われる。
実際古代史好きのあたしにも、当時はどんな服装だったのか、
どんな住居でどのように暮らしていたのか、想像でしかないので
こういった古代史作品を読んで、文字と雰囲気でしか分からない。
しかし黒岩氏の作品のどこがすごいのかと言うと、
登場する人物一人一人が実に活き活きとしていて読んでいる時も
映像として想像できるところだと思う。
戦が行われた場所も、行った事も見た事もないあたしでも
その文字を追うだけで映画館で見るような迫力ある映像が頭に浮かぶのだ。
登場人物も顔の細部までは想像出来ないけれど
その時々にどんな表情をしていたかまで思い浮かべることが出来る。
一人一人がとても魅力的なので、読んでいて目頭が熱くなる。 -
飛鳥
天武天皇 -
大海人皇子が吉野で挙兵するまで。
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古代歴史小説の最高傑作のひとつ。小説してだけでなく、歴史を研究している作者ならではの考察も興味深い。