意識の形而上学: 『大乗起信論』の哲学 (中公文庫 B 2-5 BIBLIO)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122039025

作品紹介・あらすじ

壮大な構想による東洋哲学の思想的未来-。六世紀以後の仏教思想史の流れをかえた『大乗起信論』を、東洋哲学全体の共時論的構造化のためのテクストとして、現代的視座から新しく読み直し、分かりやすく説いた世界的碩学の迫力ある一書。

感想・レビュー・書評

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  • 大乗起信論の解説本だけど、あくまで井筒流のもの(なので仏教的なオーソドックスかは不明)

    真如や、アラヤ識を分節という点から分析してるのは意識と本質を読んだ人にはなれた感じか。

    西洋哲学になれた人の仏教入門として程よいと思うが、あくまでも井筒流である気がする(が、ほんとのところは不明)ただ、読書体験としてはかなり上質で楽しめます。

  • 如来も仏性も真如も空性で置き換えると読み易い。

  • 『大乗起信論』という6つの仏教書をテキストに、東洋哲学全体に流れる思想のエッセンスを描き出そうと試みた一冊。遺作とは思えないほど、凝縮されたエネルギーを感じます。

  • 実に井筒的明晰な大乗起信論論. 前半の阿頼耶識の理解はあたかもネオ・プラトニズム的大乗で不思議な気持ちになるが, 後半には大乗起信論らしくなってくる.
    「双面的思考形態」はともかく, 熏習のメカニズムによる覚 <-> 不覚往復のプロセスは示唆深い.
    東洋哲学覚書が本書だけに終わったのはかえすがえす惜しい.

  • すげー面白い。

  • 開始:2023/10/23
    終了:2023/10/30

    感想
    二律が同時に存在し往来する。それが世界の実存的在り方で、人間もそのようになっている。意味分節を放棄すること。恐ろしくも必要。

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著者プロフィール

1914年、東京都生まれ。1949年、慶應義塾大学文学部で講義「言語学概論」を開始、他にもギリシャ語、ギリシャ哲学、ロシア文学などの授業を担当した。『アラビア思想史』『神秘哲学』や『コーラン』の翻訳、英文処女著作Language and Magic などを発表。
 1959年から海外に拠点を移しマギル大学やイラン王立哲学アカデミーで研究に従事、エラノス会議などで精力的に講演活動も行った。この時期は英文で研究書の執筆に専念し、God and Man in the Koran, The Concept of Belief in Islamic Theology, Sufism and Taoism などを刊行。
 1979年、日本に帰国してからは、日本語による著作や論文の執筆に勤しみ、『イスラーム文化』『意識と本質』などの代表作を発表した。93年、死去。『井筒俊彦全集』(全12巻、別巻1、2013年-2016年)。

「2019年 『スーフィズムと老荘思想 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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