- Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122040175
感想・レビュー・書評
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熾烈を極めるのは"生への6日間"の章。
天気によっては死んでもおかしくない状況におかれて、気力を失わず死力を尽くしてウォーカー・ピークの頂きを目指すチームの凄惨さ。
ここまでするのかという、一級の登山家の覚悟と行いに心奪われました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「未完の巡礼」と植村直己の手記に登場した小西政継によるグランドジョラス北壁の記録。4人が27本も手足の指を失う凄まじさ。この人はただのクライマー/アルピニストじゃなくて、凄まじい量の文献に当たってるところが凄い。冒頭の少し飽きがくるほどのアルプス・グランドジョラス登攀史は圧巻。北壁アタックは登攀の様子は想像力を働かせるしかなくて、6級と言われてもピンとこない(極度のバランスを必要とする難度、というレベルらしい)。装備はどうやらシットハーネスを採用していた様子で、最新装備と言えると思う。寒波と飢えに襲われてのビバークは凄まじい。その中でも植村直己はなんだか飄々としてて面白かったな。
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個人的にはジャヌー北壁のほうが良かった。
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再読
山岳小説も面白いけど、やはりアルピニスト本人が書いたものというのは迫力が違うし、解説で植村直巳も言っているとおり、小西政嗣自身が「書ける」人ということも相まって最初から最後まで一気に読める。文章が明るさに満ちていることもいい。11日間の登攀で特に後半は食料もつきかけて、生死ぎりぎりの状況としか思えないのだけど。 -
ノーマン・ディーレンファース氏を隊長とするエベレスト国際隊に選ばれた小西政継・植村直己。
国際舞台で活躍する日本人登山家として、恥ずかしくない行動をとるための訓練総仕上げ、グランドジョラス北壁の冬期登攀で、大寒波に襲われた山岳同志会と植村直己。
6名の隊員中、4名が凍傷になり合計27本の手足の指が切断された。
特に凍傷のひどかった小西隊長は、両足指と左手の小指を切断しエベレスト国際隊を断念、無傷のまま国際隊に参加した植村さんは山から遠ざかり、単独水平の冒険へ方向転換。
小西政継・植村直己の人生を変えた山「グランドジョラス北壁」こんな目に遭っても動じないのが真のアルピニスト。 -
地獄の壁グランドジョラス―
その壁に果敢に挑む勇敢な男たちのドキュメント。
一度、見てみたい。
決して登りたくはない。 -
ルート図98
僕は明日は晴れるのではないか、絶頂に立てるのではないかという一切の甘さを捨て去った。北壁の攻撃を開始してから今の今まで、僕は心の底から冬の北壁と闘うのだという気持に、ただの一度もなったことがなかった。なぜならば、僕自身が冬の北壁にまだ徹底的に痛めつけられていなかったからである。147
今日これからの登攀で北壁は僕の肉体の一部を削り取るかもしれないが、不安も今日踏むまったく感じなかった。161