五王戦国志 8 天壌篇 (中公文庫 い 92-20)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122043145

感想・レビュー・書評

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  • 再読。

    これにて完結。戦の趨勢は、羅旋が琅王となってから然るべき流れを辿っていった感じ。その道筋がいかにも琅の気風に似合っている気がして、手に汗握りつつも爽快で頼もしい心持ちになる。機動力と団結力を恃んだ電撃作戦、使者を介した取引、敵国で戦う不利を覆す戦略や将来を見込んだ政治判断。これまでの動乱で起こった色々なことの集大成を見ているみたい。クライマックスに相応しく面白い。
    少なからず政治が絡むこととはいえ、緊迫した状況でコイバナが始まるのも琅らしいところかも。淡く描かれていた淑夜と揺珠の関係がクローズアップされるのにほっこりした(著者の描く儚げで芯の強い美女が好き)。
    それに引き換え無影と連姫は本当に……。淑夜と揺珠とは対照的に、見つめ合う描写がほぼないばかりか、眼差しのすれ違いが克明に描かれているのに暗澹としてしまう。耿家の屋敷時代でも、連姫と眼差しを交わすのは淑夜のほうだったんだろうな。きっかけがアレでも、無影が気持ちを伝えていればと思わずにいられない。
    そんな悲哀に触れる淑夜をはじめ、色んな人の様々な心情を拾いながら迎える終幕の穏やかさに、感慨もひとしお。決戦の前に無影と淑夜が言葉を交わすシーンが特に好き。その理想を語る淑夜と共に夢を見られる気がする。

  • 面 白 か っ た ・・・

    一般の評価はどうあれ、ものすごくわたし好みの話だった!
    基本、図書館派なのですが、久々に買ってもいいと思いました。

  • 途中もたもたしましたが、8冊読破

  • どんでん返しはなく、収まるべきところに落ち着いた安心のラスト。読み続けて良かった。

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著者プロフィール

井上祐美子
姫路市生まれ。神戸大卒。『長安異神伝』『桃花源奇譚』
などで人気を博した後、本格的な中国歴史小説に取り組み、『桃夭記』で吉川英治文学新人賞候補となる。『五王戦国志』『非花』『海東青 摂政王ドルゴン』『臨安水滸伝』『公主帰還』『紅顔』『朱唇』『青天 包判官事件簿』ほか著作多数。

「2022年 『新装版 桃花源奇譚4 東京残桃夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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