恋日記 (中公文庫 う 9-8)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122048904

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  • 文学

  • 資料番号:010998342 
    請求記号:915.6ウ

  • 内田百閒の小説といえば、どこか独特の世界観もあり、また、随筆も一種の世界観がある。
    しかし、この『恋日記』は、また違う。
    純粋な少年の恋後心を綴ったものだ。
    少年~青年期の日記。
    彼は中学時代の親友・堀野の家に度々遊びに行くうちに、堀野の妹の清にひそかな恋心を抱く。その切々なあるいは、悶々とした恋心を綴っている。
    読んでいて少し恥ずかしくなる部分もある。
    前半は、なんと思春期に入ったばかりの少年(高校生)が、友人の妹(当初はまだ小学生)への淡い恋を書き記した日記。
    後半は、大学生が高校生へ思いを寄せた日記になる。
    内容は、筆者が恋する相手(「清さん」)が、「笑ってくれた」、「話かけてくれた」、「そのことがうれしい」という、本当に他愛ないことが綴られている。
    いや、ほんとうに読んでいて恥ずかしくなるほど、他愛ないことで、うれしがる青年の恋心を綴った日記。
    しかし、やっぱり、なんというか、そんな他愛ない少年(青年の)恋日記の文章の底にも内田百閒独特な味がある。
    巻末に、百けんの娘の追想が収録されていて、百閒と「清さん」の「あれこれ」がわかって、これはこれでおもしろい。必読。

    しかし、仮に自分がこのような恋日記を書き記し遺したとして、自分の死後、多くの人に読まれるかと思うと、とてもとても、恥ずかしい思いになる。

  • 少し前に購入したのですが仮名遣いが古いのと日記なので多少読みづらくもあり放置しておりました。今日行きとかえりの新幹線で読破。

    次女から見た父・内田百閒像が印象が強すぎて。中学時代から見初めてその思いをずっと温め嫁に迎えた奥さんなのになあ… 今の時代だったらありえない夫婦関係だな、と思います。そこまで夫の文学における才能を大切にしていた奥さんなのになあ… 頭が下がりますが自分はいくら才能があってもこんな旦那は願い下げです。百閒先生はいつの時代も自分の身の回りのお世話をしてくださる方がいてよかったですねえ。まあそれだけ人間的な魅力のあった方、と言う事なのでしょうけれども。それにしたって百閒先生は文学・著作と言う形でその名前も偉業も残るけれどもそれを支えた奥さんは名も残らず図らずも息子の死んだ咎を作品中負わされたりしたら本当に目も当てられない。

    と、帰りの電車で憤慨しておりました。こんなに男の身勝手が頭にくるのは自分が女性だからかも知れませんが。

  • 百鬼園の名前も何処へやら。
    メロメロな百間先生にニヨニヨ致します。

  • 2010/2/13購入

  • 百?先生の初恋日記が家族の手によって公開され出版。こんなの出版されてると本人が知ったら恐ろしいっす・・・。中学から何年も何年もず〜〜〜っと親友の妹「清さん」一筋。何を持って近づこうかどうやって結婚しようか・・・そんなことまで最初っから思いつめてるところも末恐ろしいやら、すごいやら、何やら。しかし、実際結婚までこぎつけちゃってるところも、百?らしいというか、見上げた根性、いや一途さ! ういうい!

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