好色一代男 (中公文庫 よ 17-11)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122049765

作品紹介・あらすじ

七歳にして腰元の袖を引いて以来、たわむれし女三千七百四十二人。やさしく美しき女を求めて諸国をさすらい、終には女護の島へと船出したまま行方知れずとなる稀代の遊蕩児世之介。最高の訳者の匂い立つ現代語で、今その遍歴の物語が甦る。

感想・レビュー・書評

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  • わからない部分多くなかな進まず。
    返却期限来たので返す。

    現代語の読みやすいのでいつか再チャレンジ

  • なんとなく、色事に関しては光源氏みたく完全無敵な人物を想像してたら、意外とヘマやらかしたり、結構振られている。でも、へこたれず立ち向かっていく?姿が素晴らしい笑
    応援したくなる人物。

  • 世之介の生まれから還暦を迎えるまでの色物語。
    子供の頃のストーリーは面白く始まるのだが、だんだんと読む方も飽きてくる。色ものに絡めながらも、一応色んなバリエーションがあって、必ずしも成功物語ばかりではなく、お金に苦労したり、実らぬ色もあったり、牢獄に入ったりする。牢を挟んでの何は笑える。

    非常に自己評価が高く、お金が伴う際は、そりゃ女郎だけではなく、多くのお供を惹きつける楽しさは持っているのだろう。ハチャメチャでありながら、憎めない。ある意味任侠を彷彿させる初期の寅さんを彷彿させる所がある。

    ただ、歴史素人の自分には、たとえ現代語訳でも、出てくる単語や文章の意味を理解できない所が結構あるため、本来の面白みを十分に理解できずに終わってしまった感がある。

  • (2015.11.06読了)(2015.10.29借入)
    井原西鶴の名前は知っていてもその作品を読んだことはありません。
    別冊NHK100分de名著「「幸せ」について考えよう」で『好色一代男』と『好色一代女』が取り上げられていたので、この機会に読んでしまおうと、図書館から借りてきました。
    世之介の7歳から60歳までの性遍歴ということでしょうか。それぞれの年齢のエピソードが一章にひとつずつ書かれています。性描写が詳しく書かれているというわけではないので、ポルノ小説として楽しめるというたぐいのものではありません。
    兵庫の銀山のほとりで育った男が京へ出てきて遊びまわり、「夢介」と異名をとった。この男が、三人の大夫を身請けして、そのうちの一人が産んだ子供が世之介です。
    世之介十八の時、用事を言いつけられて、京都から江戸まで出かけています。
    遊びすぎて勘当された世之介は、あちらこちらと流浪の身となります。
    世之介三十四歳の時、父親が亡くなり、銀二万五千貫目を相続しました。
    六十になるまで遊びつくした末に、好色丸という船を作らせ、女護が島へと船出して行方不明になってしまいました。
    作者の井原西鶴をネットで調べると以下のように出ています。
    【井原西鶴】[1642~1693]
    江戸前期の浮世草子作者・俳人。大坂の人。本名、平山藤五。西山宗因に俳諧を学び、矢数(やかず)俳諧を得意とした。浮世草子では、武士や町人の生活の実態を客観的に描き、日本最初の現実主義的な市民文学を確立。近代の作家に影響を与えた。著「好色一代男」「本朝二十不孝」「日本永代蔵」「世間胸算用」「西鶴諸国ばなし」「西鶴置土産」、俳諧の「西鶴大矢数」など。

    江戸時代の前期の人なんですね。江戸の末期のは、忘れられていたとか。
    「好色一代男」は、1682年の作で、浮世草子としては、第一作とのことです。40歳の時の作品ということになります。

    【目次】
    巻一
    七歳 けした所が恋はじめ こしもとに心ある事
    八歳 はずかしながら文言葉 おもいは山崎の事
    九歳 人には見せぬところ ぎょうずいよりぬれの事
    十歳 袖の時雨はかゝるが幸 はや念者ぐるいの事
    十一歳 たずねてきくほどちぎり 伏見しもくまちの事
    十二歳 ぼんのうの垢かき 兵庫風呂屋者の事
    十三歳 わかれは当座はらい 八坂茶屋者の事
    巻二
    十四歳 はにゅうの寝道具 仁王堂飛子宿の事
    十五歳 髪きりても捨てられぬ世 後家なびける事
    十六歳 女はおもわくの外 京川原町の事
    十七歳 誓紙のうるし判 奈良木辻町の事
    十八歳 旅のできこゝろ 道中人どめ女の事
    十九歳 出家にならねばならず 江戸香具売りの事
    二十歳 うら屋もすみ所 大坂上町者の事
    巻三
    二十一歳 恋のすてがね 京手かけ者の事
    二十二歳 袖の海の肴売 下のせき遊女の事
    二十三歳 是非もらいぎる物 うき世小路はすは女事
    二十四歳 一夜の枕物ぐるい 大はらざこ寝の事
    二十五歳 集礼は五匁の外 越後寺泊り遊女の事
    二十六歳 木綿布子もかりの世 坂田の浜女惣嫁の身ぶりの事
    二十七歳 口舌の事ふれ 県神子かまばらいの事
    巻四
    二十八歳 因果の関守 信州追分遊女の事
    二十九歳 形見の水ぐし 女郎に爪商の事
    三十歳 夢の太刀風 女の起請化出る事
    三十一歳 替った物は男傾城 江戸屋敷方女中の事
    三十二歳 昼のつりぎつね 京手だて宿おどり子の事
    三十三歳 目に三月 花見がえり御所女の事
    三十四歳 火神鳴りの雲がくれ 泉州佐野加葉寺の事
    巻五
    三十五歳 後には様付てよぶ よし野はこんぼんの事
    三十六歳 ねがいの搔餅 大津柴屋町の事
    三十七歳 よくの世中に是は又 播州むろ津の事
    三十八歳 いのち捨てのひかり物 京みや川町の事
    三十九歳 一日かして何程が物ぞ 泉州堺ふくろ町の事
    四十歳 当流の男見しらぬ あきのみや嶋の事
    四十一歳 今こゝへ尻は出物 難波舟遊もどりに夜見世の事
    巻六
    四十二歳 喰さして袖のたちばな しまばらむかし三笠が事
    四十三歳 身は火にくばるとも 新町夕ぎり情の事
    四十四歳 心中箱 しまばらふじなみ執心の事
    四十五歳 寝覚の菜ごのみ 御舟がまねのならぬ事
    四十六歳 ながめは初すがた 嶋原初音正月羽織の事
    四十七歳 匂いはかずけ物 江戸吉原よし田が利発の事
    四十八歳 ぜんせい歌書羽織 野秋両夫に目見ゆる事
    巻七
    四十九歳 其姿は初むかし 嶋原古の高橋事
    五十歳 末社らくあそび 今のかおる装束好の事
    五十一歳 人のしらぬわたくし銀 新町より状付る事
    五十二歳 さす盃は百二十里 江戸よし原高雄紫が事
    五十三歳 諸分けの日帳 新町木の村屋和州事
    五十四歳 口そえてさか軽籠 同ふじやあずま事
    五十五歳 新町の夕暮嶋原の曙 今の高はしがみだれかみの事
    巻八
    五十六歳 らく寝の車 末社厄神参の事
    五十七歳 情のかけろく 江戸小むらさき事
    五十八歳 一盃たらいて恋里 嶋原よし崎事
    五十九歳 みやこの姿人形 長崎丸山の事
    六十歳 床のせめ道具 女護の嶋わたりの事
    訳者覚え書
    世之介とは何者(覚え書補遺)
    あとがき

    ☆関連図書(既読)
    「「幸せ」について考えよう」島田雅彦・浜矩子・西研・鈴木晶著、NHK出版、2014.05.30
    「女のかたち」吉行淳之介著、集英社文庫、1979.10.25
    「ヴェニス 光と影」吉行淳之介著・篠山紀信写真、新潮文庫、1990.08.25
    (2015年11月11日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    七歳にして腰元の袖を引いて以来、たわむれし女三千七百四十二人。やさしく美しき女を求めて諸国をさすらい、終には女護の島へと船出したまま行方知れずとなる稀代の遊蕩児世之介。最高の訳者の匂い立つ現代語で、今その遍歴の物語が甦る。

  • 年齢ごとに1章がまとまって構成されているのが、面白い。長くて読み応えありました。
    なにより世之介は、3742人の女性と725人の男性と交わったというのは驚きでしたね。

  • 実際に読んだのはこれではなく、中央公論社の文庫ではいものですが、検索に引っかかってこないのでこれで。

    3742人の女と725人の男。
    昔読んだ限りではただ酷い男でしたが、やっと面白味が解りました。

  • 西鶴作品というより、西鶴が気になって借りた本。なので読むのが大変そうな本文は読まず、吉行淳之介さんのあとがきと、林望さんの解説だけ読んだ。
    本文を読まず、前書きや解説ばかり読んで知識を仕入れようとするのは、卒論の時によくやったやり方。せこい。が、数をこなせば大雑把なところの知識は少しは身に付く。
    問題はそれを続けられるか、である。この本の解説等を読んだ現段階では、まだ知識も何もないに等しい。

    これからどんどん数をこなして、本文を読みたいと思えるほど、私が西鶴に興味を持ち続けられるかは、まだ不明。

  • 江戸時代の文化と、 京都、江戸、佐渡、九州をめぐる描写を辿るのもひとつの読み方かもしれない。
    7歳から「粋」を極めていく主人公 世之介の物語。

    NHKテレビ Jブンガク、第5回で紹介がある。

    日本とはいえ、時代、場所が異なるために理解できないことは、
    英語でどう表現しているかで理解の糸口を探るのも手かもしれない。

  • 読み進めていくにつれ、なんて本を選んでしまったのだという後悔の気持ちでいっぱいになりつつ読んだ本。

    世之介という男が生涯で3742人の女性、725人の男性と仲良くしたという話。
    江戸時代のエロ小説だった。それ以上でもそれ以下でもないものとして読み進めていったら、案外世之介も年を取るにつけ色々なことを考えるようになった。若い頃は本能でしか構成されてないような人間だったのが、風流さや色好みといった、なんというか平安文学にも通じるような美しさを追求するようになる。
    でもしかし、そんな世之介のちょっとした成長ぶりよりも、この本の魅力は数多の遊女やその他女性達の人生模様。人と人との人生がクロスするときとはこんなときなのだろうかと感慨深かった。
    ただ、結末はかなりあっさり。

  • おもしろっ!!挿絵がまたいいですっ!!明け透けっぷりに驚き。

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著者プロフィール

大正十三年(一九二四)、岡山市に生まれ、二歳のとき東京に移る。麻布中学から旧制静岡高校に入学。昭和十九年(一九四四)九月、岡山連隊に入営するが気管支喘息のため四日で帰郷。二十年東大英文科に入学。大学時代より「新思潮」「世代」等の同人となり小説を書く。大学を中退してしばらく「モダン日本」の記者となる。 二十九年に「驟雨」で第三十一回芥川賞を受賞。四十五年には『暗室』で第六回谷崎潤一郎賞を受賞する。主な作品に『娼婦の部屋』『砂の上の植物群』『星と月は天の穴』『夕暮まで』など。平成六年(一九九四)死去。

「2022年 『ネコ・ロマンチスム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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