- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122050341
感想・レビュー・書評
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北方謙三は南北朝シリーズ全部と楊家将を読んだ。
覇王の秋を除いて全部星4つ以上の良作。
これも他のと同様、
歴史ものゆえ堅苦しいけど爽やか、みたいな文体で読みやすい。
が、この上巻ではまだピンチが全くないので
本引きちぎるんかというくらい力入って読む場面はまだ無し。
下巻に期待。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
藤原純友って知ってるようで知らなかった
興味津々で読みはじめ、、面白い
この時代の船の資料が手元になくリアリティを構築するのが難しい -
まさに北方ハードボイルドという感じで、出る男出る男、どいつもこいつも一癖あっていい男でした。純友のひらりひらりと捉えどころのない感じが、平安に似つかわしくなくてニヤリとしてしまう。後編どうなるのかどきどき。
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中央集権を進める藤原政権に対し、土地に縛られずに生きる海の民の生きる様を描いた作品。おもしろかった。海賊だけでなく、山賊も出てきて、政治の表舞台に登場しない少数民をよく描けていた。世界とつながる海の民のあり方、貿易のもたらす富のあり方についての中央集権政府と藤原純友の考え方の違いや、平将門の叛乱と藤原純友のそれとの違いなど、よく研究されていて厚みがあった。
ところどころに、「男なら!」という無茶苦茶論理が出てくるのは、まあ、北方謙三氏だからしかたないか。その部分は、あんまり物語とは関係なかったので、そんなに気にならずに、海賊の物語を楽しめた。 -
900年ごろ。藤原純友の話。藤原北家の出であるが,生母の身分が低く,自由奔放に育った純友だが,自分の一族の氏の長者であり時の摂政である藤原忠平が海上の交易の自由を奪うやり方に納得がいかず,海の開放を目指し戦う物語。忠平も決して私利私欲に走るのではなく,あくまでも自分の一族が政治をとり仕切り,日本を磐石にしようと志していたようで,忠平,純友のどちらもある意味正しいと言える。伊予に伊予丞という官職に就いた純友は海に自分の生きる道を見出し,近郊の水師達と交わり,やがて九州の水師たちとも交流が出来き,水師の親分のような存在にまでなる事になる。水師は,忠平の命により海上が自由に通行できないことに腹を立て,海に自由を取り戻そうとしている純友とともに戦う。純友は戦をするにも金がいる事をよく考え,遠く,朝鮮や中国とも交易を初め,力を付けて行く。最後には同族争いのようになるが,純友をよく知る藤原北家の兄弟達を殺めようとはせず,ただひたすらに海の開放を求めて戦い,遂には,海の自由を取り戻す。
『バカはバカなりにできることをやれば良い。それで,いくらかましなバカになれるのだ』『(純友が弟の住素に言う)おまえがやるべきことは,部下を鍛えることと,よく話をしてやることだ』『せっかく来たのだから,伊予のことをよく知りたい。友というような男ともめぐり合いたい』『海はいいぞ,荒れて恐い時もある。しかし,待てば必ず穏やかになる。まるで人の心のようだ。怒りや怨みはそうやって消え,悲しみは静かな波音の中で癒される』『(忠平が純友に言う)政事はいつも完全無欠とはかぎらん。より良い方向を目指していればよしとするべきではないか。』『あれとこれを比べると,どちらが正しいかという時,あれが正しいというものが多ければ,そういうことになる。しかし,多くの人間が間違いを犯すこともあるはずだ。時がそれを修正することもあれば,間違ったまま正しい事として通用して行くこともある。』
藤原北家: 藤原鎌足-藤原不比等(鎌足の次男)- 藤原房前(不比等の次男)・・・藤原北家の祖
全2巻 -
平安時代の藤原純友が主人公です。
史実では平将門と同時期に反乱をしたとなっていますが、
この作品では、特に連携して乱を起こしたという説は取っていないです。
平安時代末期の時代背景が分かって面白かったです。 -
教科書ではそこまでは習わない藤原純友にスポットを当てる発想がさすが。
まさか海賊になっているとは思わなかったが、史実を集めて創造すると、そうなのかもしれないな、と思った。 -
南北朝もいいけれど、藤原純友が自然で自由なのでこちらを推薦。
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下巻にまとめます。
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2009年05月 1/39
藤原純友の話。
太宰府が出てくるので妙な親近感が沸いた。
己が住む場所、生活が具体的に書いてあるのでとてもイメージしやすい。
生活に根付いた小さな世界と朝廷などの大きな世界の関係性が描かれていておもしろい。