- Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122050570
感想・レビュー・書評
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んー、俺は学生時代に本気で競技としてやってなかったからわからないのかもだけど、主人公の検事が箱根で怪我して20年一度もジョッグすらしてないってのがそもそもなんか違和感。それと途中まで読んで、もう最初からドーピングをテーマにして書くための設定に過ぎない人物たちに興醒め。事務官とのやり取りとか、イラつく後輩女性検事とか、その辺はまあ面白かったから無理にスポーツ組み込まずに普通の検事ものにしとけば良かったんじゃないですかね?面白くなかった。
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横浜地検の本部係検事・城戸南は、ある殺人事件を追ううちに、陸上競技界全体を蔽う巨大な闇に直面する。それは、箱根駅伝途中棄権という城戸自身の苦い過去とその後の人生に決着を迫る闘いとなった。あの「鳴沢了」も一目置いた横浜地検検事の事件簿。
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社会人になり、走る楽しさを知った者として、走ることがテーマの作品は感情移入がしやすい。速く走りたい!という気持ちを突き詰めていくと、どうなるのか、考えさせられる作品でした。
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殺された被害者の身元が判明しないまま時間は過ぎていき捜査も行き詰る。
主人公である城戸は被害者が身につけていたある物に注目し、被害者の身元を確定させる。
事件の真相と城戸の忘れられない過去が交錯し、絡み合い、「勝つということ」の意味をも考えさせる物語になっていた。
事件の捜査や真相とはほとんど関係のない場面が一番印象に残った。
スカウトのために訪れたグラウンド。
余力を残しながら最終周まで走り続け、最後の最後で抜き去って1位となった選手への久松の言葉が強烈だ。
勝つことは当たり前の前提としてあり、記録を狙い、記録を更新し、結果として勝利も手に入れる。
才能と言ってしまえばそれまでだが、一段高いところから発せられた言葉は指導者としての懐の広さやあたたかさを微塵も感じさせないものだった。
信念を持って生きることは素晴らしい。
だが、その信念そのものが間違っていたとしたら・・・。
それでも、間違っていることに気づかず自信を持って信念を貫き通しているのならまだいい。
自分の間違いに気づいているくせに、自分自身を正当化してお前たちにはわからないと見下すような人間は最低だ。
あげくに責任転嫁をするなんて・・・責任を他に押しつけるということは、結局間違いであることを「知っていた」のだから。
魅力的な登場人物に出会えず、ストーリーも結末ありきのもののような気がして、堂場さんの物語なのにあまり楽しめなかったことが残念だ。 -
堂場瞬一氏の得意分野を掛け合わせたような作品。
刑事ものとスポーツもの。
箱根も出てくるし、挫折を味わったものも。
トップに君臨する王者と呼べるものも。
それを刑事と言う視点ではなく、検事と言う新たな役割を持ち込んできて、さらに複雑怪奇に。とはいえ、分かりやすいストーリー展開は面白さを引き立てます。 -
ミステリーとしてはこの人が犯人なの?こんな方法で?!なるほど~!みたいな爽快感はない。
ただ登場人物それぞれのキャラクターや生き方価値観など、人間模様の物語としては面白かった。
主人公の検事が職場内の上司や部下の関係や、関係ある人々との対峙の仕方に悩んでいたり、家庭での家族関係に悩んでいたり、核になる事件を通して主人公が模索しながらも、そういったそれぞれの悩みや問題に向かい合って前に進んでいく様子が描かれていて、主人公に人間味があって面白かった。
あと主人公のランニングへの知識の豊富さが、すごいと思った。まさか仕事に生きるとは…。一見役に立たなそうなことでも、極めれば知恵となるのだなぁ、とフィクションながら勉強になった。 -
ランニングのカテゴリーではないのだろうが、ランニングを題材にした小説はそう多くはないので、ここに位置づけた。同じ堂場瞬一の「チーム」は純粋なスポーツ小説だがこちらは、検事・城戸南の推理小説。箱根駅伝がキーワードになるが、進行が遅く、ランニングとどう関わるか、かなり後半にならないと動いていかない。推理小説としてもスポーツ小説としても今ひとつの出来。