ゆりかごで眠れ (下) (中公文庫 か 74-2)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122051317

感想・レビュー・書評

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  • 「ワイルド・ソウル」と比べるということはどうしたって分が悪い話なのだろうが、それをせずに単体として見るならば、娯楽小説として充分に質の高い作品だと思う。
    各キャラクターの立たせ方が巧い。
    垣根涼介氏が得意とする、ハードボイルド然とした男の生き様のようなものもちゃんと表現されている。
    ただ、これも氏の作品に付いて回る特徴の1つではあるのだが、徹底的にリアルな部分と、思わず「バカな」と心中呟いてしまうようなハチャメチャぶりの混在が、時に違和感を生じることも。
    エンディングも凡庸な気がした。
    文章は基本的に上手な人だと思うのだが、稀にテキスト群としての調和を乱す表現が出てきたり、NHKを国営放送と表記しているような下りについてはぜひとも編集者含め留意してほしい。
    また、主観的な感想に過ぎないが、車好きの1人として、氏の自動車嗜好のあまりの狭小特化ぶりには少し閉口気味かも…。
    興味度合いが高い対象について描き込むことについては大いにやっていただきたいところだが、複数の作品中に同じような描写があまりに登場する、しかも相当に変態的なヴェクトルを持って…、という点についてはいかがなものなのだろうか?

    後半は苦言ばかりを連ねてしまったが、冒頭に記したように全体的にはとても面白い小説。
    あれよあれよという間に読了してしまった。

  • 切ないな、と。

    男性登場人物はみな自分の好みです。格好いい。
    女性登場人物は、相変わらず、一筋縄ではいかないタイプばかり。
    というか、年増好み?

  • 下巻に入り明らかにテンポアップ!上巻でもう飽きたかなあとか思ってたけど、やはりこの世界観には引き込まれた。日本人的甘さを抱えた主人公リキ、妙子やカーサ、独特の感性の竹崎、パパリトをはじめとするギャングの部下など等キャラがたっているからだろうと思う。ただし、ラストは好きではない。昔見たドラマ「振り返れば奴がいる」みたいだ・・・これは名作「ワイルドソウル」が良い結末過ぎただけに、こうせざるを得なかったのでしょう。あとがきで「ワイルドソウル」と対を成す作品っていってますし。私の正直な感想としては「ワイルドソウル」の80%くらいの出来・面白さといったところです。まだどちらも読んでないって人は、「ゆりかごで眠れ」をお先に読まれたほうが楽しめるかもです。

  • カーサが胸に秘めている感情にかなりどきっとしました。そこまでの想像を頭の中で出来る作者にも脱帽。考えてみるとそのカーサの感情は、リキがベロニカに抱いていたものと同質のものですね。してみるとカーサの人生もまた、孤独にさいなまれる寂寞としたものになってしまうのか...。カーサを中心とした残された人物たちのその後も、作品化してくれればかなり面白いと思います。

  • これなんだっけ
    ワイルドソールに似た感じだったような
    面白かった記憶がある

  • 登場人物が魅力的。

  • 2009年04月 7/37

    熱くてクールなリキとラティーノが魅力的。
    リキの考え方に共感することが多い。
    垣根さん、ファンです。

  • 終わり方が少しあっさりさっぱりかな?

  • 09.04.18〜09.04.19読了

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著者プロフィール

1966年長崎県生まれ。筑波大学卒業。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『ワイルド・ソウル』で、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞の史上初となる3冠受賞。その後も05年『君たちに明日はない』で山本周五郎賞、16年『室町無頼』で「本屋が選ぶ時代小説大賞」を受賞。その他の著書に『ヒート アイランド』『ギャングスター・レッスン』『サウダージ』『クレイジーヘヴン』『ゆりかごで眠れ』『真夏の島に咲く花は』『光秀の定理』などがある。

「2020年 『信長の原理 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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